心臓が大きくなる場合、心肥大(心臓の筋肉が厚くなる)と心拡大(心臓の内腔が拡大する)があります。心肥大は心電図や超音波心エコーで、心拡大は胸部レントゲンや超音波心エコーで診断されます。心肥大を来す原因の一部に突然死を来すものが有ります。
心肥大、心拡大の原因は
心臓は全身に血液を送り出すポンプで、1日に10万回も収縮を繰り返しています。
心臓の重さは通常250~300gですが、心肥大の患者さんでは筋肉が厚くなるため2倍になることもあります。心肥大を起こす原因の病気には、スポーツ(スポーツ心:これは病気ではありません)、高血圧症、心臓弁膜症、中隔欠損、肥大型心筋症などがあります。
肥大型心筋症は無症状のことが多く、そのまま突然死や心不全を招く事も少なくありません。
心拡大は心臓の筋肉の収縮力低下が内腔の拡大を引き起こし、やがて心不全へと進行していきます。
心拡大の一つには拡張型心筋症と言って心臓の炎症の後遺症として起こってくることもあります。
心不全の症状には歩行、運動時の息切れ、動悸、夜間の呼吸困難、足の浮腫などがあります。
まず、詳しい検査を受けて下さい。心肥大、心拡大の原因が大切です。又進行の早いものか否か、病態の程度は如何ほどかの見極めが大切です。それに基づいて生活の規制をして下さい。
治療や療養に関してのアドバイス
現在、循環器に関して診断や治療は非常に進歩しています。確かな診断のもとに的確な治療を受ければ病気を恐れる事は有りません。心電図や超音波心エコーでわかる心肥大もその原因は多様です。高血圧は内服薬で血圧を下げなければいけませんが、高血圧症の原因により、その内服薬の処方も異なってきます。 弁膜症では手術を要する場合があります。心筋症は突然死を招くため、無症状の内から適切な治療が大切です。 一般にペースメーカーの植え込み、人工血管の利用、人工弁の利用等計り知れない恩恵を受ける事が出来るようになっています。精密検査も超音波心エコー、ドプラー法、CT、MRI、心カテーテル、心血管造影などが有ります。的確な診断と治療を受けるためにも心肥大、心拡大の指摘を受けた場合は、出来るだけ早期に専門医を受診してください。
どこの科にかかったらよいか
循環器内科、心臓血管外科を受診してください。