皮膚の小さな水ぶくれ

 皮膚に小さな水ぶくれの集まりが出来るヘルペスは疱疹とも呼ばれます。ヘルペスは単純ヘルペス(単純疱疹)と帯状疱疹の2種類があります。単純ヘルペスは幅広い年齢層に症状が現れ、早く回復します。帯状疱疹は高齢者に多く、神経痛様の痛みを伴います。ここでは単純ヘルペスについてお話ししましょう。

ヘルペスの原因は

単純疱疹ウイルスⅠ型とⅡ型による感染

  • Ⅰ型は三叉神経節に潜伏し口唇部周辺に水疱をつくる。
    いわゆる「口唇ヘルペス」。
  • Ⅱ型は腰仙骨神経節に潜伏し陰部周辺に水疱をつくる。
    いわゆる「陰部ヘルペス」。

ストレスや疲労、風邪などで潜伏していたウイルスが活性化され発病

治療や療養に関してのアドバイス

単純疱疹ウイルスの多くは、知らないうちに直接接触によって感染します。ヘルペスに感染しますと、ウイルスは神経節内に隠れ潜みます。これを潜伏感染と言います。そのまま長期間症状が出ない人もいますが、ストレスや疲労、風邪、紫外線、寒冷などがきっかけとなってウイルスが活性化され、急に疱疹(小さな水ぶくれ)となって表れます。一旦症状が治まっても、ウイルスは神経節内に生き残り、潜伏しています。
治療には抗ウイルス剤の内服、外用が行われ1週間程度で治癒します。水ぶくれが乾くまでは感染源となることがあるので、直接接触は避けましょう。
口唇ヘルペスの原因である単純疱疹ウイルスⅠ型の抗体保有率(感染している率)は年齢があがるほど高くなり、40歳代で60%、50歳代で80%と言われています。国民の多くが感染している疾患ですので、念のためコップやタオルの共用を避け直接接触しなければ過剰に隔離などをする必要はありません。
主に単純疱疹Ⅱ型で発症する陰部(性器)ペルペスは、性行為により感染するため注意が必要です。年間、何度も局部に水疱ができてしまう人も多いので、現在では、パートナーへの感染を抑制するために、抗ウイルス剤を毎日1錠内服し水疱の発現を抑制する治療が保険適応になりました。
単純疱疹ウイルスに感染しているかどうかは、血液検査で調べることができます。医院でご相談ください。

  • 多くの人は単純疱疹ウイルスの抗体を所有
  • ストレス、疲労、風邪などが引き金になり発病
  • 水疱症状が治ってもウイルスは神経節内に潜伏し、再発することもある
  • 治療は抗ウイルス剤を使用

どこの科にかかったらよいか

皮膚科専門医にかかってください