手足のしびれは、糖尿病や動脈硬化症、血管の閉塞などで、血液の流れが悪くなっておこるものと、骨などの異常で神経が圧迫されておこるものとがあります。糖尿病などの内科的な病気のチェックも必要です。整形外科的に多いのは、頚椎症性脊髄症です。骨とその周りの組織の老化によって頚髄が圧迫されるようになって、手足のしびれが出てきます。
頚椎症性脊髄症と同じような症状は
- 脊髄腫瘍(原発性のものと転移によるものとがある)
- 後縦靭帯骨化症
- 黄色靭帯骨化症
- 糖尿病などの代謝異常の病気
- 脊髄血管の奇形
- 脊髄梗塞 など。
診断のため十分な問診と身体的検査を行い必要によりレントゲン・MRIなどの検査を行います。上記のような病気の存在も考えながら診断を進めるためと、正しい診断がついてからの治療方針を決定するのに必要です。
治療や療養に関してのアドバイス
頚椎症の治療
- 牽引療法・低周波治療・温熱療法などの理学療法、リハビリ体操
- 炎症を抑えたり筋肉のしこりをほぐすための薬物治療
- 入院しての持続牽引、ブロック療法
- 手術
ある程度は外来の保存的治療で症状の改善を期待することができます。症状が悪化し、手足の機能障害が強くなったり、排尿障害が出てきたり、筋肉の萎縮が起こってきたときは、手術が必要になります。からだの組織は40歳を過ぎれば、老化のための障害がおこりやすくなってきます。筋肉の萎縮や体重増加は、骨に負担をかけてさらに障害を進行させてしまうので、基本的な食事療法と運動療法には日頃から気をつけるようにしましょう。
どこの科にかかったらよいか
しびれに関しては、整形外科および神経内科を受診して、 診断を受けるようにされるのがよいでしょう。