基本的事項
【目次】
新型コロナウイルスについては国立感染症研究所のコロナウイルス関連ページに詳しく記載されていますが、感染様式は重症呼吸器症候群(SARS)や中東呼吸器症候群(MERS)と同様飛沫感染、接触感染である可能性が高いとされています。現時点で中国での重症例の割合は20%、死亡例の割合は2%とされています。
・感染経路は飛沫感染・接触感染
・一部の患者に強い感染力を持つ可能性がある
・無症状病原体保有者がいる
・無症状~軽症の人が多い
・発熱や呼吸器症状が 1 週間前後持続することが多く、強いだるさ(倦怠感)を訴える人が多い
・高齢者・基礎疾患保有者は重篤になる可能性が高い
・対症療法が中心で、特別な治療法はない
「新型コロナウイルス感染症の現状の評価と国内のサーベイランス、医療体制整備について」によれば「軽症例を含め、すべての新型コロナウイルス感染症を検疫所や国内医療機関で探知しようとすることは、検査前確率が十分に高い確証が得られない現状においては、現実的ではない。
咳エチケットや手指衛生など、基本的な感染対策が重要である。現時点では重症リスク要因が特定されていないことから、最重要で対応をすべきは、国内における肺炎など中等症以上の新型コロナウイルス感染症の探知である。
また、特異的な治療に関する知見に乏しいことから、諸外国における治療に関する情報の収集と共に、国内でも知見を蓄積していく必要がある。」としています。
インフルエンザのような迅速診断キットは存在しません。1月下旬よりリアルタイムPCR法での検査系が完成しこれも各都道府県衛生研究所で実施可能となりました。
この方法でも結果判明まで1~2日の日時を要し、迅速診断キットのような手軽さがないことは知っておく必要があります。
そして2月上旬までは、事実上中華人民共和国湖北省滞在歴やCOVID-19感染症確定例との濃厚接触者にPCR検査対象が限定されていましたが、今後は原因不明の肺炎で重症化が疑われる事例が主体となることになります。
特に、①高齢者、②糖尿病・心不全・透析等基礎疾患がある、③免疫抑制剤や抗がん剤等を用いている、④妊婦、等ハイリスクと考えられる者への対応には注意すべしとされています。
新型コロナウイルス感染症に有効なワクチンもなく、その開発にも相当日数を要します。
有症状者の咳エチケットや各自の手指衛生などの予防対策が重要となります。
特異的な治療薬はまだありません。海外で抗ウイルス薬等による有効例が報告されていますが、治療法として確立するには今後も治験で症例の蓄積が必要です。
一般市民に向けては、疑わしい場合はいきなり医療機関を受診するのではなく、必ず電話等で指示を受けてから行動するように周知してください。
そしてどの様な場合に新型コロナウイルス関連感染症を疑い、保健所と連携して専門機関に誘導すべきか、「具体的対応方法」の項を御参照ください。
また、厚生労働省から「新型コロナウイルス感染症の相談・受診の目安」が公表されていますので、電話等による問い合わせにもこれに従い指示をしてください。