記者会見レポート

東北関東大震災被災地支援 兵庫県医師会医療救援チーム

平成23年3月26日(土)15:00
於 兵庫県医師会5F理事会会議室
司会 鈴木常任理事

テレビ局・・NHK神戸放送局 サンテレビ 読売テレビ 朝日放送
新聞社・・・神戸新聞 朝日新聞 毎日新聞 読売新聞 産経新聞 共同通信社
県医師会・・川島会長 小澤副会長 役員:豊田、足立、空地、鈴木 渡辺志伸
(神戸市医師会: 中神副会長 岡田泰長先生他)

1.開会

鈴木常任・・本日は、緊急にお集まりいただきありがとうございます。
今回の震災支援につき、県医師会としての取り組みを報告させていただきますので、よろしくお願いいたします。

2.会長挨拶

兵庫県と宮城県の仲が良いということで、またJMATの一員として県医師会は宮城県に出務してきた。18日7名の先遣隊についで、私たちも21日から出動。石巻日赤病院に立ち寄ってから、現地の状況を聞き、手薄となっている石巻中学校にある避難所での救護にあたった。以下、報告に続く。

3.医療支援活動報告

~石巻市立中学校における避難所・救護所活動~(スライド)
中学校の状況から・・池の水を使ってトイレ等きれいに管理されていた。
中学校避難所での診察場所設定、暖房あり。宿舎の仙台のビジネスホテルで泊まり込。
とにかく日にちがたっても、食料がありません。薬は、車3台分持ち込み以外にも、兵庫県や日医からのものなどで比較的足りた。医師会・看護協会・薬剤師のチームで。
2名2名1名の体制。緑内障や糖尿病他、多くの科別の対応が必要で、次に婦人科や眼科の先生にも入ってもらっている。ガソリン不足、一般の困難・・阪神淡路との違い、燃料・食料の不足深刻・・パン1個・バナナ一個程度。
多数の遺体、火葬もできないので、近くの公園に埋葬地の掘り返し・・
検視、我々がいった時点ではご遺体無く、行方不明多数のみという状況。
中学校生徒は全員無事で、手伝いなど頑張っていた。
漁師さんで怪我により左大腿を切断した義足の方の例、奥さんも家も義足も流されてしまった。その他、全盲の方等7名の不自由な方がおられた。
義足の方について、再度義足で自分で働かないといけないという気持ちを聞き、兵庫県立リハビリテーション病院と話をつけて、一旦こちらにきていただいてと本日確認の上、明日出発の先生と共にかえっていただき、対応させていただくこととした。
避難所の片隅で苦労している方を見つけ出して、助け出す必要があり、是非報道していただきたい。本日は、特にこれを伝えたくて、報道の皆様に集まっていただいた。
本人にも了解を得ている、「斉田さん」といわれる方です。
ボランティアで、看護師国家試験に当日合格した方も一緒に働いた。
現地の病院の状況・・石巻市立病院、周りに何もなくなり、多くのスタッフ亡くなる。
地元医師会は約80機関だが、どれだけつぶれたかも分からない状況・・
ぼつぼつ、かかりつけ医で復帰できたところもある。できるだけ、戻していく必要。
今後特に今回避難の方々は、家が全くなくなっているので、長期にわたる。また、仮設住宅を作るスペースも無い状況。息の長いサポートが必要となっている。
長期的な支援が必要で、日の当らないところにも目を向けた報道等を願う。

豊田常任
未曾有の大災害・・想定外といえ、準備がなされていなっかったことを反省、医療機関の立地等から考えるべきと感じた。
当初の発見者の検案済んでおり、ということであったが、兵庫県医師会では従来から検案等について研修してきた。 日医からも多くの薬剤届いていたが、亜急性期から慢性期の薬に移る段階で、全科の医薬品必要であり、現地病院とも医薬品等連携した。
検視等にも引き続き、協力していきたい。
被災者は本当にがまん強い、点滴をした20歳台の女性、その途中余震あり、「びっくりしたでしょう」等と聞くと、震度7等で慣れていますから、と答えられて、感涙したことを特に報告したい。

神戸市医師会・中神副会長
神戸市医師会が14の政令都市医師会で従来から作ってきた災害支援の仕組みで動いた。
16日から仙台市に入ったが、都心部はあまり被害なく、海岸部分はひどい状況で神戸との違いを感じた。現地での打ち合わせに基づき、翌日に石巻の手つかずの遺体安置所(青果市場)に出向いた。350名のご遺体あり、警視庁や他大学法医学の部隊と共に検視作業を続けた。まだまだ、行方不明者1万人以上であり、見つかった方を仏様にしてあげる必要。殆どが溺死で、大きな傷もなく、寒い時期なので腐敗もせず、2-3歳の子供や妊婦さん、学生服の少女もいて、胸が痛んだ・・
神戸との違いは、非常に広域であり、90パーセント以上が津波による被害といえる。
もともと産業にとぼしいところであり、「がんばろう!日本」という姿勢で、国力をあげて取組む必要あり、マスコミもご理解願いたい。
(関連資料説明)

4.質疑応答

サンテレビ・・
避難所での病気は、
会長・・
インフルエンザ1名だったが、風邪は多い。感染性胃腸炎がさらに多い。現地の先生指導で手洗い等しっかりやられていた。
朝日新聞・・
阪神淡路を経験からみた医師会としての取組・反省はローテーションもっと長くなるか
会長・・
神戸の場合も想定外の事態だったが、神戸市医師会での取組を踏まえて、被災経験を各地に伝えて、14大都市医師会等相互支援の協定書等作って来ていたが、今回は津波に対する対応が抜けていたと思われる。兵庫県の中でも、郡市区医師会同士で相互協力の訴えを講演にまわり、作り上げる最中てあり、原発の件もあり、すぐに動きにくかった。特に、これから子供もつくる若い先生には先に行かせられないので、年配の役員から出動。会長は最後となるべきだが、最初に状況把握してきた。
豊田・・
責任ある立場のものが、まず現場を把握してからが大切と確認できた。
会長・・
まだ200名以上もスタンバイしており、次つぎ送り込んでいきたい。
足立・・
新型インフルエンザの時に形成した携帯電話でのメーリングリストを活かして、今回も「派遣隊ML」を作って情報交換・蓄積しながら取組。
会長・・
継続的な取組が必要。
朝日・・
医師会としてのどれくらいな避難所に対応されているか
会長・・
全国の医師会から今は60以上のチーム・場所で対応している。
小澤副会長・・
希望者を今割り振っているところで、ML等でのニーズ把握していろんな科別の先生に取組んでいただくが、休業等調整して進めていく。
会長・・
非常に長期にわたるのではないか。
神戸新聞・・
義足の方の受け入れ、いつから来られるのか。
会長・・
明日出発の先生に松葉づえをもっていっていただき、29日に伊丹に飛行機便で来ていただくよう手配済みとなっている。

 

5.閉会

小澤副会長・・本日はありがとうございます。長期にわたるのでそのスケジュール調整進めてきた。
南海地震の可能性、津波の危険性・・ポートアイランドの将来心配。
今後とも、そのようなことに気をつけて、いただきたい。
16:27終了