2020

足の静脈がふくれて硬くなる

下肢の静脈内に血栓ができて、炎症を引き起こす病気です。血栓のできる場所から、深部静脈に発生する深部静脈血栓症と静脈瘤に合併することが多い表在性血栓性静脈炎に分けて、考えられています。ここでは、皮下の静脈に発生する表在性血栓性静脈炎について説明します。 症状 ふくらはぎや膝の周囲の静脈のややふくれた静脈が、突然、硬くなって、赤くなって痛みを伴って腫れてきます。一カ所のこともありますが、静脈の走行に沿って、縦に細長く症状が出ることもあります。 原因 抜歯後や足に白癬症があったり、足に怪我をして傷ができたり、風邪を引いたなど何かきっかけがあって炎症を起こしてなることが多く下肢静脈瘤に合併して起こることもしばしばあります。下肢静脈瘤は、静脈内の静脈弁が逆流することにより、静脈圧が上昇し、静脈の拡張をきたす病気です。血液のうっ滞がおこりやすく、時に静脈内の血栓形成を引き起こします。これが表在性血栓性

皮膚の色が白く抜けてまだらになってしまった

皮膚の色素が部分的に抜け白くなってしまう状態を「尋常性白斑」と言います。全身の広範囲に出来る「汎発型」、局所に限局する「限局型」、体の左右どちらかに出来る「分節型」の三つのタイプがあります。人にうつる病気ではありませんが、治りにくい病気で他人から見られることから美容上の問題があります。 原因について 免疫異常によって色素を作る細胞を攻撃するためと考えられています。甲状腺機能亢進症や悪性貧血などの「自己免疫疾患」を合併することもあります。また、精神的ストレスが誘因になることもあります。 治療 注意:日焼けすると白斑周囲の皮膚色が濃くなり白斑がかえって目立つため、外出時はサンスクリーン剤を外用しましょう。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科を受診して下さい。

マラソン中の心停止

・マラソン中におこる心停止について マラソン中に心停止が起こる割合は10万人中0.54人という米国のデータ(2000~2010年)があります。また心停止した人の死亡率は71%でした。心停止の原因で最も多いのは心臓の筋肉の病気である肥大型心筋症から起こる不整脈といわれており、次に多いのが狭心症や心筋梗塞など心筋に血液が十分いきわたらない虚血性心疾患です。 マラソン中の心停止の予防 肥大型心筋症の多くは原因不明ですが、虚血性心疾患は動脈硬化が主な原因です。動脈硬化には高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が関係しており、その予防には喫煙、過食、運動不足などを改めることが大切です。生活習慣病治療中の方はもちろんですが、健康な人もレース前には医療機関で心電図や血液検査を受けることをお勧めします。レース中は心臓に負担のかかる急激なペース変化を避けましょう。夏季の脱水や冬季の低体温も突然死の原因と

繰り返す流産・死産

流産を2 回以上繰り返した場合を「反復流産」流産を3 回以上繰り返した場合を「習慣流産」と言います。妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1 週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合、つまり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、習慣流産 に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」と言います。 不育症の原因は 子宮の奇形や筋腫、ホルモン異常、凝固異常、母体の高齢年齢、夫婦の染色体異常 不育症の検査 1.子宮の形態を見る検査 2、内分泌学的検査 3、内科合併症(甲状腺機能異常、糖尿病など) 4、夫婦の染色体検査 5、抗リン脂質抗体 6、その他 治療や療養に関してのアドバイス 流産胎児の約80% に染色体異常が認められています。つまり、流産回数が2 回、3 回、4 回の場合、計算上、64%、51%、41% が偶発的に胎児染色体異常をくり返したこと

閉経後の膣乾燥感、性交痛、頻繁な尿意

閉経して数年経つと色の付いたおりものや出血、さらには性交痛を訴える女性が多くなります。これは女性ホルモン(エストロゲン)の低下によっておこる症状です。女性ホルモンには膣の粘膜に潤いを与え、細菌から膣内を守り、きれいにする働きがあります。(膣自浄作用)ところが、閉経して数年経つと卵巣からは女性ホルモンが分泌されなくなります。そのために閉経後は、膣の粘膜が乾燥、萎縮して炎症を起こしやすくなります。これを萎縮性膣炎といいます。 萎縮性腔炎原因は 別名「老人性膣炎」とも呼ばれるように、閉経後に女性ホルモン(エストロゲン)の分泌が低下することによって起こります。エストロゲンには、膣粘膜を潤して厚く丈夫に保つ働きがあります。これが減少することによって、膣からの分泌液が減り、腔が乾燥、萎縮し、粘膜が薄くなり、性交時の刺激などで出血しやすくなります。性交痛も膣炎も、エストロゲンの減少が原因なのです。外陰部

卵巣が腫れていると言われた

卵巣の内部に分泌物などが溜まって腫れる良性の腫瘍を「卵巣のう腫」と言います。溜まった内容によっていくつかに分類されています。髪の毛や歯、骨、脂肪などが含まれているのが、「皮様のう腫」。子宮内膜症が原因で、中に血液が溜まった「チョコレートのう腫」。サラッとした液体が溜まった「漿液性のう腫」、ゼラチンのようにドロドロした粘液が溜まった「粘液性のう腫」などいろいろな種類があります。 卵巣のう腫の原因は 卵巣のう腫の多くは、その原因は良く分かっていません 治療や療養に関してのアドバイス 卵巣は骨盤の中にある器官ですから何か異状がおきてもなかなか自覚症状が現れず、妊娠や生理不順、不正出血など別のことで産婦人科を受診した時に、たまたま見つかることがよくあります。下腹部の痛みなど症状が出てきた時には、卵巣はすでに「こぶし大」程にはれていることが多いです。子宮癌検診と同じく卵巣の検査も定期的に受けるなど早

子宮膣部びらんと言われた

びらんとは皮膚や粘膜の表皮が欠損し、下部組織が露出した状態をいいます。ただれているという意味です。しかし子宮膣部びらんは子宮の入り口がただれているという意味ではありません。びらんのように見える場所があるという意味です。 子宮膣部びらんとは 子宮膣部は、皮膚、外陰部、膣などと同じ扁平上皮でおおわれています。子宮膣部より奥は円柱上皮で覆われています。円柱上皮の部分は下の血管が透けて見えるので、唇の裏側と同じようなピンク色をしています。女性ホルモン(エストロゲン)が活発に働くと、子宮膣部がふくらんで子宮頚管内側の円柱上皮の部分が外側に張り出してきます。この部分がびらんのように見えるのでこれを子宮膣部びらんといいます。性成熟期の女性の8~9割にみられます。したがって子宮膣部びらんは病気ではありません。誰でも月経がある間はあっても当たり前のものです。更年期になって女性ホルモンが減少すると、次第に頚管

乳児の皮膚の赤いあざ

出生時から、または生後1~2週頃から出現する赤いアザは血管系の先天異常によるものです。 よくみられる血管腫 治療や療養に関してのアドバイス どこの科にかかったらよいか 皮膚科または形成外科

子どもの脈の乱れ

心臓は規則正しく打っているわけではありません。息を吸うと速くなり、吐くと遅くなります。激しい運動後は脈が速くなり、寝ている間は遅くなります。このように心臓に何の病気もないのに脈を打つテンポが呼吸によって不規則になることを「呼吸性不整脈」と呼びます。子供の場合、呼吸によって脈が速いときと遅い時の差が大きく、手首などで脈を取った場合「不整脈」と診断されることがあるようです。 3-4才から10才までの子供の呼吸性不整脈 子供の脈は呼吸によって早くなったり遅くなったりします。脈が乱れていると言われたら、必ず専門医で心電図験査を受けましょう。その結果「呼吸性不整脈」と診断されれば特に心配することはありません。 治療や療養に関してのアドバイス 現在は小学1年、中学1年、高校1年で心電図検査が義務づけられています。 その時期で様子を見るようにしましょう。 呼吸性不整脈はあまり心配のない状態です。日常生活

床ずれができた

床ずれとは、圧迫や摩擦などが原因となって組織の血液循環が悪くなり、皮膚の局所に発赤やただれ等を起こすことをいいます。初期のうちは、痛みと発赤程度ですが、放置すると水疱やただれの症状が見られるようになり、さらに感染症を起こして膿汁が出たり、潰瘍になったりすることもあります。 床ずれの原因は 圧迫や摩擦による血液循環障害、シーツや下着の湿気や体の不潔、栄養不良等があげられます。 痛みを伴い、病人の苦痛をより大きくしますから、まず予防を心掛ける。つまり、消毒・清潔心掛けて。訪問看護などの活用も 治療や療養に関してのアドバイス 長時間同じ姿勢を取らないようにする。シーツや下着などは通気性の良いものを選び、いつも清潔に保つようにします。最近は、エアマット・ウォーターベット・ビーズマット・円座クッションなどの介護用品も豊富にあるのでうまく使いわけましょう。 特にやせて骨が出た人や、骨粗髭症などで骨が曲