2020

足の静脈がふくれて硬くなる

下肢の静脈内に血栓ができて、炎症を引き起こす病気です。血栓のできる場所から、深部静脈に発生する深部静脈血栓症と静脈瘤に合併することが多い表在性血栓性静脈炎に分けて、考えられています。ここでは、皮下の静脈に発生する表在性血栓性静脈炎について説明します。 症状 ふくらはぎや膝の周囲の静脈のややふくれた静脈が、突然、硬くなって、赤くなって痛みを伴って腫れてきます。一カ所のこともありますが、静脈の走行に沿って、縦に細長く症状が出ることもあります。 原因 抜歯後や足に白癬症があったり、足に怪我をして傷ができたり、風邪を引いたなど何かきっかけがあって炎症を起こしてなることが多く下肢静脈瘤に合併して起こることもしばしばあります。下肢静脈瘤は、静脈内の静脈弁が逆流することにより、静脈圧が上昇し、静脈の拡張をきたす病気です。血液のうっ滞がおこりやすく、時に静脈内の血栓形成を引き起こします。これが表在性血栓性

物がゆがんで見える、視力低下

症状はものがゆがんで見える、視力低下など。治療せずに放っておくと、視力が高度に低下してしまいます。一旦視力が落ちると、良くならない場合が多いです。そのため、早期発見、早期治療が大切です。50歳以上の人の100人に1人がこの病気にかかっていると言われています。 加齢黄斑変性とは 網膜は映像を脳に伝える役目をするところです。その網膜の中でも最も視力に大切な部分が黄斑です。その黄斑に出血や、水ぶくれ(浮腫)が起こり、傷んでいく病気です。 治療や療養に関してのアドバイス タバコはこの病気を悪化させます。禁煙が大切です。紫外線も良くないことはわかっています。 目の中への注射(硝子体注射)が基本の治療です。治療で視力が良くなる場合もありますが、悪化予防が主な目的です。注射の効き目は数か月で、繰り返し打つ場合が多いです。病気の状態によっては、腕から注射して光を当てる治療(光線力学的療法:PDT)やステロ

近視を矯正する手術

黒目(角膜)はメガネの役割をしています。角膜を削って、変形させると、度が変わります。コンピュータでピントが合うように角膜の削り方を計算し、エキシマレーザーで角膜を削る手術が、LASIK(レーシック)や、PRK(ピー・アール・ケイ)です。 一方、角膜は削らず、もともと、目の中のメガネの役目をする水晶体の上に、人工のレンズを載せる方法があります。これを、ICL(アイ・シー・エル)といいます。 これ以外にもいろんなバリエーションがありますが、大きくは上の3つの手術に分けられます。 どの手術が良いのか? どの手術も一長一短があります。目の状態、生活環境、患者さんの性格によって一番良い手術も変わります。場合によっては、手術をしない方が良いこともあります。 「検査から手術、1日でできます。」上のように宣伝している施設での手術はおすすめしません。近視の度数は、日によって変わります。時間によっても変わりま

皮膚の色が白く抜けてまだらになってしまった

皮膚の色素が部分的に抜け白くなってしまう状態を「尋常性白斑」と言います。全身の広範囲に出来る「汎発型」、局所に限局する「限局型」、体の左右どちらかに出来る「分節型」の三つのタイプがあります。人にうつる病気ではありませんが、治りにくい病気で他人から見られることから美容上の問題があります。 原因について 免疫異常によって色素を作る細胞を攻撃するためと考えられています。甲状腺機能亢進症や悪性貧血などの「自己免疫疾患」を合併することもあります。また、精神的ストレスが誘因になることもあります。 治療 注意:日焼けすると白斑周囲の皮膚色が濃くなり白斑がかえって目立つため、外出時はサンスクリーン剤を外用しましょう。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科を受診して下さい。

前立腺癌の最新の手術法

前立腺癌の治療法について前立腺癌の治療法には手術、放射線治療、ホルモン治療があります。手術としては開腹手術、腹腔鏡手術、ロボット支援腹腔鏡手術があります。手術支援ロボットを用いた腹腔鏡下前立腺全摘除術は、従来の腹腔鏡手術と比べ複雑かつ細やかな手技が可能で、3D画像により正確な画像情報が得られることとあわせて、安全かつ負担の少ない手術です。前立腺全摘除術は癌の根治性とともに、手術後の尿失禁や性機能障害が大きな問題となりますが、ロボット支援手術ではこれらの点について手術手技的に有利であると期待されています。ダ・ヴィンチ手術システムは、日本では平成21年11月に厚生労働省より医療機器として承認され、また、ロボット支援前立腺全摘除術は平成24年4月に保険適応となりました。執刀はダ・ヴィンチ手術システムのライセンスを受けた日本泌尿器科学会専門医が行います。 手術の方法について両側の脚を開いた「砕石位

マラソン中の心停止

・マラソン中におこる心停止について マラソン中に心停止が起こる割合は10万人中0.54人という米国のデータ(2000~2010年)があります。また心停止した人の死亡率は71%でした。心停止の原因で最も多いのは心臓の筋肉の病気である肥大型心筋症から起こる不整脈といわれており、次に多いのが狭心症や心筋梗塞など心筋に血液が十分いきわたらない虚血性心疾患です。 マラソン中の心停止の予防 肥大型心筋症の多くは原因不明ですが、虚血性心疾患は動脈硬化が主な原因です。動脈硬化には高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病が関係しており、その予防には喫煙、過食、運動不足などを改めることが大切です。生活習慣病治療中の方はもちろんですが、健康な人もレース前には医療機関で心電図や血液検査を受けることをお勧めします。レース中は心臓に負担のかかる急激なペース変化を避けましょう。夏季の脱水や冬季の低体温も突然死の原因と

繰り返す流産・死産

流産を2 回以上繰り返した場合を「反復流産」流産を3 回以上繰り返した場合を「習慣流産」と言います。妊娠はするけれど2 回以上の流産・死産もしくは生後1 週間以内に死亡する早期新生児死亡によって児が得られない場合、つまり、22 週以前の流産を繰り返す反復流産、習慣流産 に加え、死産・早期新生児死亡を繰り返す場合を含めて「不育症」と言います。 不育症の原因は 子宮の奇形や筋腫、ホルモン異常、凝固異常、母体の高齢年齢、夫婦の染色体異常 不育症の検査 1.子宮の形態を見る検査 2、内分泌学的検査 3、内科合併症(甲状腺機能異常、糖尿病など) 4、夫婦の染色体検査 5、抗リン脂質抗体 6、その他 治療や療養に関してのアドバイス 流産胎児の約80% に染色体異常が認められています。つまり、流産回数が2 回、3 回、4 回の場合、計算上、64%、51%、41% が偶発的に胎児染色体異常をくり返したこと

血尿や蛋白尿

腎臓は体に2つあり、1つを取ってしまっても何の症状も出ません。自覚症状が出るのは残った1つの腎臓の機能が半分以下の腎不全になった時です。このため、自覚症状がないからと言って放置してはいけません。特にタンパク尿が持続している場合は要注意です。健診で発見される自覚症状のない血尿、タンパク尿に多いのがIgA腎症です。 IgA腎症とは 治療や療養に関してのアドバイス どこの科にかかったらよいか まずは、内科、小児科のかかりつけ医に相談してください。腎臓の生検が必要なら専門医に紹介してもらえます。経過が長くなるので専門医とかかりつけ医との連携で診ていくのが良いでしょう。

コレステロールが高いと言われた

コレステロールはからだの細胞を構成する大切な成分の1つで、必要な物質です。しかし、多すぎるとからだに血液を巡らせる動脈内に付着していって動脈硬化を起こして心筋梗塞や脳梗塞など生命にかかわる重大な病気を引き起こすのです。通常の場合には、コレステロールは肝臓で合成され、余分なものは肝臓で胆汁となり大便中に排泄され、だいたい一定(130mm/Hg~220mm/Hg)に保たれています。いわゆる美味しいものにはコレステロールが多く含まれています。食べ過ぎてコレステロールを過剰に摂取することが原因の他に、病気のためにコレステロールが高くなる場合もあります。このコレステロール値のうち、動脈硬化等メタボリックシンドロームに関与する「悪玉」がLDLコレステロール値です。近年はLDLコレステロール値が高値であることもいいます。(140mg/dl~) コレステロールが高くなるひきがねとなるもの 他に特別のものと

高齢者の膝の痛みの代表・変形性膝関節症

年をとるにつれて体の節々(特に膝の関節)が痛み、階段の上り下りや長時間の歩行などがつらいという人が増えてきます。これは骨と骨との間にある軟骨が摩耗することによって関節が変形するために起こるもので、「変形性膝関節症」といいます。ひどくなると、水がたまり関節が腫(は)れてきます。 変形性膝関節症の原因は 関節が一度変形してしまうと元の状態に戻すことはできませんが、症状を和らげることは可能です。 治療や療養に関してのアドバイス 適度な体操と保温、減量の努力で膝の痛みはかなり和らぎます。 どこの科にかかったらよいか 痛みの強いときは整形外科医に相談して下さい。また、膝の体操などの指導も受けましょう。