2023

じんましん(皮膚の痒みと腫れ)

じんましんは、皮膚が蚊に刺された時のように、少し赤くふくれてくるものです。地図のように様々なかたちをして、数十分から数時間腫れが続き、痒みを伴います。治療により、すぐに治まって再発しない場合を急性型、一ヶ月以上繰り返す場合を慢性型といいます。 「じんましん」の原因は じんましんの原因には、いろいろなタイプがあります。 症状が長引く時はじんましんではない時があります。 治療や療養に関してのアドバイス じんましんが出ている時は、入浴や激しい運動でかゆみが強くなりますので注意して下さい。 じんましんの薬の効果には個人差があります。自分に合う薬で上手にコントロールし、じんましんの悩みから解放できるように主治医とご相談下さい。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科または内科を受診して下さい。

手足が震え、前屈みでちょこちょこ歩く

50~60歳代に多く、1万人に5~8人程度の頻度で見られるパーキンソン病は脳の病気です。症状として主なものは下記の通りです。 パーキンソン病の原因 脳の一部(中脳の黒質という場所)で作られるドーパミンという神経伝達物質が減少するために神経細胞同士の情報伝達の障害が起こり、手足の動き、体の動きが悪くなってきます。何故そうなるのかは今の所よく分かりません。 治療や療養に関してのアドバイス パーキンソン病は難病に指定されています。したがって医療費には、補助が出ますので、最寄りの保健所か健康福祉事務所に相談してください。歩行障害のため、転倒、骨折することもあり注意が必要です。最終的には寝たきりになる場合もありますが、近年、ドーパミンの補充療法以外の様々な薬理学的機序のパーキンソン病治療薬が開発され、薬物治療の選択肢が増えたことは朗報です。緩慢に進行していく難病なので患者さん本人も家族も焦らずに対処

目が開けにくく、けいれんする

まぶたがぴくぴくすることがあります。これを「眼瞼ミオキミア」と言います。これは、目が開けにくくはなりません。通常は数日から数週間で自然に治まります。それに対して、治療が必要な病気は二つあります。「片側性顔面けいれん」と「眼瞼けいれん」です。片側性顔面けいれんは、まぶたの症状に加えて、同側の頬、口角がピクピク動いてしまいます。通常片方だけおこります。眼瞼けいれんは、まばたきが増え、目が開けづらくなり、まぶしさを感じたり、ゴロゴロしたりします。ドライアイの症状と似ているところがあります。病名にけいれんとありますが、ぴくぴくが目立たないことも少なくありません。目をつぶるのは問題ないのですが、開けづらくなります。眉間にしわを寄せ、力を入れながら目を開けなければならない状態です。治りにくい病気です。 治療や療養に関してのアドバイス 治療は「ボツリヌス療法」が中心です。ボツリヌス菌という細菌の毒素を安

頸部超音波検査で甲状腺に腫瘍が見つかった

首の超音波検査で甲状腺に腫瘍が見つかりました。大病院で精密検査を受け良性といわれましたが、このままでいいでしょうか? 甲状腺腫瘍 甲状腺は喉のあたりにある内分泌器官で、新陳代謝を促し交感神経を刺激する「甲状腺ホルモン」を分泌します。甲状腺にできる良性腫瘍は 治療や療養に関してのアドバイス 細い針を腫瘍に刺して細胞を取り出し腫瘍の種類を判定する「針生検」などで良性の確定診断ができていれば手術は必要なく、経過観察で良いとされています。しかし、針生検の結果、 などの場合は良性でも摘出術を行います。 アイソトープ(放射性ヨード)治療プランマー病に対し放射性ヨードの内服を行うことにより、腫瘍が縮小したり、ホルモンの分泌を抑えることができます。 液体吸引除去甲状腺のう胞ではのう胞内の液体を吸引除去し、エタノールを注入します。 どこの科にかかるとよいか まずはかかりつけの内科医、外科医、耳鼻科医に相談し

甲状腺の腫れ、発熱、発汗、手の震え

首の前部にある甲状腺が大きくなるバセドー病は、新陳代謝を活発にする甲状腺ホルモンが増え過ぎ、いろいろ不快な症状を起こします。 バセドー病の症状は あなたも甲状腺も働き過ぎ!長い人生のんびり行こう! 治療や療養に関してのアドバイス バセドー病の治療は増えすぎた甲状腺ホルモンを抑える薬を飲む事から始まり、飲み始めて2週間程度で各種の症状の改善が見られます。しかし薬をやめると元に戻るので最低でも2年間服用します。最小量の薬の服用で半年以上甲状腺機能が正常に保たれていれば薬の中止を検討します。薬だけでは症状が改善されない方、薬で副作用がでた方、薬以外の治療を望まれる方には、手術による甲状腺の摘出やアイソトープ(放射性ヨード内服)治療を行います。 長い人生にもっとも適した治療を選択しよう! どこの科にかかったらよいか 内分泌・代謝専門の内科

動悸・胸部不快感(WPW症候群)

「WPW」は、この病気を初めて提唱した3人の報告者 Wolff-Parkinson-Whiteの頭文字を合わせたものです。 WPW症候群の原因は WPW症候群の人の心臓には、正常に伝わる心臓の電気の道(刺激伝導路)以外に別の道(副刺激伝導路)が生まれつき有って電気の指令が普通より早く伝わることによって起こる不整脈の病気です。どきどきしたり胸がチクチクするような症状のことが多いです。 頻拍発作には十分注意を。 治療や療養に関してのアドバイス  胸部症状がなければ、薬物治療は不要の場合が多いです。必要以上に心配することはありません。 どこの科にかかったらよいか 胸部症状が見られるようでしたら、主治医と相談のうえ、循環器の専門医を訪ねるのがよいでしょう。

胸部レントゲンで心臓が大きい!

心臓が大きくなる場合、心肥大(心臓の筋肉が厚くなる)と心拡大(心臓の内腔が拡大する)があります。心肥大は心電図や超音波心エコーで、心拡大は胸部レントゲンや超音波心エコーで診断されます。心肥大を来す原因の一部に突然死を来すものが有ります。 心肥大、心拡大の原因は 心臓は全身に血液を送り出すポンプで、1日に10万回も収縮を繰り返しています。心臓の重さは通常250~300gですが、心肥大の患者さんでは筋肉が厚くなるため2倍になることもあります。心肥大を起こす原因の病気には、スポーツ(スポーツ心:これは病気ではありません)、高血圧症、心臓弁膜症、中隔欠損、肥大型心筋症などがあります。肥大型心筋症は無症状のことが多く、そのまま突然死や心不全を招く事も少なくありません。心拡大は心臓の筋肉の収縮力低下が内腔の拡大を引き起こし、やがて心不全へと進行していきます。心拡大の一つには拡張型心筋症と言って心臓の炎

胸やけとゲップ

胸やけとは胃酸などの消化液が含まれた胃の内容物が食道内に逆流し、食道粘膜が刺激されることで起こる症状をいいます。逆流性食道炎という病気が原因で最近増加傾向です。また、げっぷとは胃内にたまったガスが口から排出されるもので、早食いやため息による空気の飲み込みが多いことで起こる場合もあります。いずれもほとんどが胃や食道が原因と考えられますが、まれに肺や心臓が原因となることもあるので注意が必要です。 胸やけ・げっぷをきたす原因は 治療や療養に関してのアドバイス 胃内視鏡検査などで原因を特定し、それぞれの原因に合った治療を行います。比較的多く見られる逆流性食道炎などの胃酸が原因となる疾患では胃酸の分泌を抑える薬の投与が有効です。多くの患者さんは8週間薬を服用することで治りますが、逆流を抑える薬ではないので症状が治まっても自己判断で薬の服用をやめないで、主治医の指示に従って薬の服用を適切な期間続けまし

動悸・息切れ

どんな不整脈ですか? 心臓の筋肉の中には電導路を通って電気が流れていて、心房と心室が規則正しく動くようになっています。加齢による衰えや心臓病などによって心房が震えたようになることがあり、これを心房細動といいます。心房細動には一過性に治まる人と長期間続く人がいます。 治療や療養に関してのアドバイス 心房細動が起きると、心房で血液のよどみが起こりやすくなります。それが血の塊(血栓)となり、体のさまざまな血管を詰まらせる危険性があります。脳で血栓が詰まる脳梗塞の約3分の1は心房細動が原因です。治療は心房細動自体を治す治療と血栓による合併症を予防する治療に分けられます。最近ではカテーテル治療によって心房細動を起こす電導路を焼灼したり、冷凍凝固して遮断する方法が普及してきています。また、血栓による合併症を予防する治療では「ワルファリン」という血液をさらさらにする薬がありますが、効きすぎると鼻血や歯肉

胸の痛み

胸の真ん中からみぞおちにかけて、おもりを置かれたような感じや胸が締め付けられるような感じがある場合は、狭心症や心筋梗塞(こうそく)などの心臓の病気が考えられます。これまでに高血圧症や糖尿病、脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪が高い)などを指摘されたり、たばこを吸っている人は特に注意が必要です。 胸の痛みをきたす病気は 他にもいろいろな病気が有ります。 このように胸の痛みはいろいろな原因が考えられますので、早めにかかりつけ医を受診して適切な対処をすることが大切です。 治療や療養に関してのアドバイス