突然に顔を動かす神経が麻痺して、筋肉が垂れ下がり、表情が作れなくなる顔面神経麻痺は、普通片側だけの麻痺で、唾液分泌異常や聴覚過敏、味覚障害を伴うこともあります。
早期治療によって1週間位して改善傾向が見られ、1ヵ月くらいでかなり良くなってきます。3ヵ月から半年までに4人のうち3人までが元通りに治ります。
顔面神経麻痺の原因は
- 精神的ストレス・過労
- 顔面への冷風などによる寒冷曝露
- ウイルス感染によるもの(多くは帯状疱疹ヘルペスウイルス)
- 半数以上は原因不明
治療や療養に関してのアドバイス
発症後、できるだけ早期にステロイドや抗ウィルス薬などの薬物療法を開始し、次いでリハビリテーションを開始します。半年たって症状が残っていれば、それ以上の回復は難しくなり形成外科的治療が必要になります。
麻痺が残っていることが、どの程度の支障があるかでその後の治療が決まります。眉やまぶたや口角が大きく下がっている、笑った時の表情が気になる場合は見た目のバランスを整える手術や、麻痺した筋肉の代わりに新しい筋肉を移植する手術を受けることもできます。必要な場合には主治医と相談してみて適切な専門医を紹介してもらうようにしてください。
顔面神経麻痺の初期に気をつけること
- 発病初期の安静(顔面もからだも)
- 目の乾燥防ぐ目的での目薬や眼帯
- 水分・栄養補給(麻痺のため食事を十分とることができなくなりやすい)
- 口の中の清潔(麻痺のため食べたものが口の中に残って不潔になり、虫歯や歯肉炎に起こしやすいので注意)
- 神経の回復を促すお薬の服用(ビタミン剤や血流促進剤など)
- 顔面を冷やさないように注意
- 顔面の血流を促すためのマッサージ
症状の進行が止まって回復に入ったら
- 積極的なリハビリテーション(マッサージに顔面筋の運動など)
どこの科にかかったらよいか
耳鼻咽喉科・神経内科