関節リウマチは、免疫の異常によって関節の滑膜というところに炎症が起こり、関節の破壊や変形を招く病気です。一般に20~50歳代の女性に多くみられます。関節リウマチの原因はまだ解明されていませんが、遺伝子の異常・細菌・ウイルス感染、タバコ、歯周病、などが影響して発症すると考えられています。
関節リウマチの診断は
関節が痛む病気はほかにもたくさんあります。 関節リウマチ以外の膠原病、腱鞘炎、年齢に伴う変形性関節症でも同じ症状が起こることがあります。
関節リウマチの診断には「この症状で関節リウマチです」といえる基準はありません。
そこで少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に
- 症状のある関節の数
- リウマトイド因子(RF)または抗CCP抗体
- CRPまたは赤沈値
- 症状続いている期間
の4項目についての点数を合計して、6点異常であれば関節リウマチと分類することで診断を行なっています。
関節リウマチの治療
薬物治療、手術治療、リハビリテーションを組み合わせることで治療を行なっていきます。その中でも薬物療法は大切です。最近は、優れた薬剤が多く用いられるようになり、関節リウマチの進行を止めたり改善させたりできるようになりました。まずは、メトトレキサートを用いて治療を開始します。効果が不十分な場合には生物学的製剤やJAK阻害薬という薬を使用して治療を行っていきます。
治療や療養に関してのアドバイス
- 症状がある時には診断をつけるために早期に医療機関を受診してください。
- できるだけ早く診断をうけて、 関節の破壊をきたさないような薬物治療の開始が大切です。
- メトトレキサート、生物学的製剤、JAK阻害薬などによる薬物療法を始めるには専門医の受診をお勧めします。
- 定期的に検査を受けて病態の進行状況や薬の副作用の有無なども調べてもらいましょう。
- 症状が落ち着くまでは無理な運動や重労働は控えましょう。
- 十分な睡眠とバランスのとれた食事で肉体的な安静に心がけましょう。
関節リウマチの人に対しては、周囲の人達の精神的な支えも大切です。心配事などかあると症状の悪化を招きます。明るく前向きに生活しましょう。
どこの科にかかったらよいか
内科・整形外科のリウマチ専門医、リウマチ登録医、膠原病内科医に御相談ください。