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子どものおねしょ

幼児期、夜間にお漏らしするのを「おねしょ」と言いますが、5歳以降になっても1ヶ月に1回以上の「おねしょ」が3ヶ月以上続く場合「夜尿症」と言います。夜尿症は小学校高学年でもクラスに1人から2人はみられ、15歳以上でも1-2%見られます。 夜尿症の原因は 1.覚醒する能力の低下:目が覚めない 2.膀胱容量が少ない:勝手に膀胱が収縮し尿を貯めておける量が少ない 3.夜間の多尿:夜間に作られる尿量が多い 4.発達の遅れ、遺伝的素因 が考えられます。 治療や療養に関してのアドバイス 基本は「起こさず、あせらず、叱らず」です 「おねしょ」を防ぐため、夜間に起こすことは睡眠のリズムを乱し、膀胱に尿が溜まっている事の自覚を妨げ逆効果になります。親があせって、叱ることは子どもの自尊心を傷つけます。「おねしょ」をしなかった時は褒めてあげることも必要です。 治療はまず、以下の生活改善からはじめます。 これらの生

年間に複数回、急にのどが痛くなり高熱を出す

ふだんは健康に生活しているのに、急にのどが痛くなって高熱が出て登校や出勤に支障が出る人がいます。口をあけるとのどの奥に左右1対の口蓋扁桃があり、ここが赤く腫れたり膿がついたりしている状態が扁桃炎です。かねてから口蓋扁桃が大きいと扁桃炎になりやすいから手術でとってしまったほうがよいと思っている方が少なからずありましたが、実際はどうなのか解説します。 本当に厄介な扁桃炎とは のどの奥には、口蓋扁桃・咽頭扁桃・舌扁桃や孤立リンパ濾胞と呼ばれるリンパ組織が集合しており、外部からの病原体の侵入に備えています。これらの組織は自らが炎症を起こすことでさらに重症の呼吸器や消化器感染症を防いでいるのです。そういう意味で「生理的炎症臓器」とも呼ばれていますが、あまり鋭敏に反応するようになると却って日常生活に支障をきたすことになりかねません。社会的な尺度として年間4回以上高熱や咽頭痛で登校・出勤を控えなければな

目の前に黒いものが飛ぶ

「目の前に黒いものが飛ぶ」状態を飛蚊症(ひぶんしょう)と言います。飛んでいるものは蚊のようなもの、糸くずや丸い輪であったりします。色も半透明なものから黒いものまでさまざまで、数も1個から数個、あるいは多数のこともあります。目を動かすと一緒についてきます。明るく、背景が白い場所で目立ちます。 飛蚊症の原因は主に2つあります。 ①年齢とともに自然に起こる場合眼の中には硝子体というゼリー状のものが詰まっています。子供のころは、硝子体は透明です。しかし、長い年月を経て、自然に硝子体の一部が濁ります。(網膜と接した部分が濁ります。)同時に、硝子体はゆっくりと縮みます。ある年齢になると、縮んだ硝子体は一部の濁りとともに網膜から離れます。濁りが網膜から離れると、濁りの影が網膜に映ります。これが飛蚊症です。②病気が原因で起こる場合硝子体出血を起こす病気 (糖尿病網膜症など)では、出血の影が飛蚊症を起こしま

子どもの喘息について

喘息(ぜんそく)って何?喘息の人の気管支などの空気の通り道(気道)が、たとえて言えばいつもくすぶっている状態です(炎症)。そしていろんなきっかけ(発症因子とか増悪因子)によって火事が起こりやすくなっており(過敏になって)、火事になると気道が狭くなり(狭窄)、ぜーぜーしたり息苦しくなったりします(発作)。このような事を総じて気管支のアレルギー(ぜんそく)と言います。炎症を放っておくと、気道の表面(粘膜)に変化が起こり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなってしまいます。(リモデリング) アレルギー体質って何? アレルギーの遺伝的な要素や環境の要因などが組み合わさって、アレルギーが発症したり(発症因子)、あるいはまた、悪化(増悪因子)しやすくなっています。このような状態をアレルギーの体質といいます。アレルギーの原因は、アレルゲンと呼ばれ、ダニやカビなどのハウスダスト、スギやブタクサなどの花粉、動

月経の量が多い

過多月経(ひどくなると貧血になります)、月経困難症、周囲の臓器への圧迫症状(下腹部痛、腰痛、便秘、頻尿、排尿困難など)などが起こる病気を子宮筋腫といい、不妊や流産の原因になることもあります。 貧血や圧迫症状などご自分にとって不都合な症状がなければ治療の必要はありません。定期的な検診は必ず受けましょう。不都合な症状がある場合には治療が必要です。 治療や療養に関してのアドバイス 内科的治療と手術療法があります。・内科的治療閉経が近い年齢の方の場合には、薬による内科的治療が行われます。子宮筋腫は女性ホルモン(エストロゲン)の働きで大きくなります。薬でエストロゲンの分泌を減少させる(偽閉経療法)ことによって子宮筋腫を小さくします。もうひとつは低用量ピルを使用することもあります。ピルによって月経時の出血も少なくなり月経痛緩和します。・手術療法子宮を取ってしまう(子宮全摘術)と筋腫だけを取る手術(筋腫

においのある耳だれ、難聴、めまい

においのある耳だれが出る、耳が詰まる、聞こえ方が悪い、頭が重いなどの症状があると中耳炎や外耳炎の可能性があります。その中に真珠腫性中耳炎があります。これは鼓膜の一部が中耳側に入り込み、へこんだ部分に耳アカや角化物がたまり、真珠のような白い塊が中耳に出来てだんだん大きくなり、その部分から炎症を起こし、中耳にある耳小骨や周りの骨を溶かしながら進行する病気です 真珠腫性中耳炎の原因は 治療の基本 「早期発見、早期治療が大切」 治療や療養に関してのアドバイス 耳管は中耳と外部の圧力のバランスを保っています。耳管機能の悪い人や、何度も中耳炎を起こしている人は、その圧力のバランスが崩れます。その結果、鼓膜が中耳の方へ引っ張られ、真珠腫が出来やすくなります。真珠腫は放っておくとだんだん大きくなりますから、出来るだけ早期発見、早期治療が大切です。耳小骨が破壊されると、中程度の難聴、味覚障害、顔面神経マヒ、

鼻水がのどに流れる

鼻汁が鼻の穴から出るのは、誰もが経験するところですが、前に出ずのどの方へ落ちて不快に感じる場合があります。これを後鼻漏といいます。いくつかの原因でおこりますが、原因の分からないことがあるのも事実です。以下にできるだけわかりやすく解説しましょう。 後鼻漏の原因は 慢性副鼻腔炎・鼻アレルギー・上咽頭炎が3大原因でしょう。それらを見きわめた上で、根気強く治療することが大事です。 治療や療養に関してのアドバイス 「正しい治療は、正しい診断から」ですので、いくつかの必要な検査をして、原因不明も含めて、正しく診断してもらうことです。正しい診断がついても、あらゆる人が治るということはないでしょう。何年もかかる場合があります。医師を信頼して、あまりあちこちの医師にかからず根気よく決まった医療機関で治療を続けて下さい。特に心配ないことが分かれば、あまり気にしすぎないことも必要でしょう。 正しい診断と適切な処

股関節の痛み

大腿骨頭の血流が低下して骨頭の細胞が死ぬことで、股関節が痛み大腿骨頭が次第に弱くなり壊れていく病気を大腿骨頭壊死といいます。 大腿骨頭壊死の原因は 痛みが軽く、歩くことを控えることが出来る場合は手術を受けなくてもいい場合があります。家事や仕事に追われている場合は早めに手術を受けた方がいい場合もあります。 治療や療養に関してのアドバイス 大腿骨頭壊死をおこす人の4割は膠原病でステロイドを内服されている人、3割はアルコールをたくさん飲む人、残りの3割の人は原因が分からず特発性と呼ばれます。体重が重かったり、よく動いたり、ステロイド剤を多量に服用している場合には病状は促進されます。痛みの軽い人で体重も軽く、歩くことを控えられる場合、修復機能が働き、進行せずに止まる場合があります。手術を受ける場合、早期であれば、まだつぶれていない骨頭の一部を残したり、つぶれた部分を取り、正常な部分を移植する方法が

突然耳が聞こえない

何の前ぶれもなく、突然耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りや耳閉塞感が現れる病気を「突発性難聴」と呼びます。めまいや耳鳴りを伴うこともあります。これは音を感じる「内耳」という器官に起こる難聴の1つです。大抵は片耳だけに症状が現れ、軽度であれば自然治癒することもあります。しかし治療が必要な場合に時期を逸すると聴力障害が固定し回復しにくくなります。 突発性難聴の原因は 治療や療養に関してのアドバイス 突発性難聴の治療は時期を逸してしまっては効果が薄れてしまいますので、早ければ早いほど効果的です。医師が必要と判断した場合は入院して点滴注射と内服薬を併用するのが好ましいことです。難聴が高度であったり、めまいを伴う様な場合は完治がむつかしい場合があります。突発性難聴は早期治療の時期を逸すると、聴力低下が固定してしまいます。めまいや耳鳴りが何度も繰り返されたり、難聴だけでもさまざまな病気の可能性がありますので

2歳未満の赤ちゃんがゼーゼーする

2歳未満の赤ちゃんが息をはくとき、(呼気といいます)ヒューヒュー、ゼーゼーしている(喘鳴といいます)事を呼気性喘鳴といいます。この呼気性喘鳴を、少なくとも1週間以上無症状である期間をあけて3回繰り返すと、気管支喘息と診断することがあります。また、家族に喘息やアレルギーの人がいたり、喘息以外にアトピー性皮膚炎などのアレルギーの体質があるかどうかも有効な診断材料になります。ただ、赤ちゃんは、せきはなを伴う感染症にかかると、鼻水がのどの奥でゼロゼロという音がしたり、気道の炎症によって空気の通り道(気道)が狭くなり、喘息に似たヒューヒュー、ゼーゼーという音がしたりします。とくにRSウイルスによっておこされる細気管支炎では喘息との区別がつきにくく、喘息の様なゼーゼーや呼吸が苦しくなる症状をひきおこします。また治った後も気道の過敏性がたかまり、感冒時には喘息と区別がつきにくいことが多いようです。 乳児