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目がまわる

体は動いていないのに動いているように感じる。あるいは、周りの景色が動いていないのに動いているように見えるといった症状をめまいと言い、体の平衡感覚を保つ内耳・脳・脊髄などの障害から起こるものです。放っておいても自然に回復するめまいもありますが、めまいを起こす病気は数多くあってその病気の中にも生命を脅かすものから全く心配のないものまで様々です。最近はコレステロール過多の食事やストレスなどの影響から、めまいは増えてきています。 めまい原因は めまいの性質(回転性めまい、浮動性めまいなど)、めまいが起きた状況、発作の持続時間、随伴症状などにより障害された場所や障害の種類を推定する。 随伴症状として耳の閉塞感、耳鳴りや難聴などの耳の症状の変化があれば耳(内耳)の障害、手足や顔がしびれる、ものが二つに見える、しゃべりにくい、気が遠くなる、などの症状があれば脳(脳幹、小脳)の障害が疑われる。 めまいは様

月経か不正出血かわかりません

遺伝子にプログラムされて生まれてくると考えられており、いくら寿命が延びようとも女性は50歳前後で閉経を迎えます。更年期には卵巣機能が停止するためにホルモンの変動が大きくなり規則的な月経ではない不正出血をきたしやすい時期です。明らかに不正出血であるにも係わらず、更年期だからこんなものと受診が遅れることがあります。悪性の病気が潜んでいることもあります。不正出血があるときは、必ず診察を受けましょう。 不正出血の原因は ホルモンバランスの乱れ 治療や療養に関してのアドバイス 更年期の不正出血に対して子宮内膜増殖症、子宮内膜ポリープ、子宮体部癌などのことも念頭に入れて検査する必要があります。正常な月経とは周期が25~36日前後、持続期間が3~7日です。たとえ少量でも1週間以上長引く出血や極端に短い周期で出血するときは月経ではなく不正出血です。 どこの科にかかったらよいか 不正出血がある時はまず産婦人

白目に出血

白目が血でべったりと赤くなる状態を結膜下出血と言います。結膜下出血は何の前触れもなく突然起こります。人から目が赤いと言われたり偶然に鏡を見て気がつく時もあります。ほとんどの場合痛みや目がぼやけるなどの自覚症状はありません。白目が血に染まっているように見えますので、びっくりして来院される方も多いです。白目を覆う一番表面の膜を球結膜と言います。この球結膜は、その下の強膜という目にとって大切な硬く厚い膜を保護しています。この球結膜の中を走る細い血管が何らかの原因で破れて血液が溢れるので赤く見えるのです。溢れた血液は、球結膜の間や下方に広がりますが、硬く厚い強膜は血液を通しませんので眼球の中には入りません。 結膜下出血の原因は 出血の原因は、はっきりしないことの方が多いのですが、強く目をこすったり、結膜炎、ケガ、物が当たった時、強くせき込んだ時などに起こることがあります。また、加齢とともに球結膜に

腰痛とおしりからふくらはぎにかけての痛み

腰は腰椎と呼ばれる5個の骨からなり、椎体と呼ばれる部分が主に体を支える役目を果たしています。そして、それぞれの椎体の間にはクッションの役目を果たす組織があり、これを椎間板と呼びます。椎間板ヘルニアは比較的若い年代(青、壮年期)、特に男性に多いのが特徴です。腰痛と一方のおしりから太ももの裏、ふくらはぎにかけての坐骨神経に沿って鋭い痛みを伴います。痛みがひどくなると重労働はもちろん階段の上り下りやいすに座る、車に乗るといった日常の動作もしづらくなります。 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の原因は 椎間板は線維輪と髄核との2重構造になっていて、中心にある髄核というゲル状の組織が、腰への急激な負担などがきっかけで線維輪を突き抜け、腰の神経を圧迫し、腰痛や下肢痛を起こすのが椎間板ヘルニアです。 働き盛りの年代の患者さんにとって、腰痛で日常生活にも影響するため深刻な問題となります。痛くて動けない間は仕方あり

食物アレルギーの最新の考え方は?

食物アレルギーとは、アレルギーを起こす原因食物を摂取したときに、免疫反応によって皮膚症状(湿疹・蕁麻疹)、消化器症状(下痢・腹痛)、呼吸器症状(咳・呼吸困難)を起こすものをいい、時には、血圧低下やショックなどの強い全身反応であるアナフィラキシーを起こすことがあります。 アレルギーを起こす原因食物は卵、牛乳、大豆(「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」を参考にしましたが、米は代表的なものに挙げられておりません。「あたらしい皮膚科学」第3版2018年2月発行でも同様です。)、小麦が代表的なものです。また新しい食物アレルギーのタイプとして、シラカバやコナラ・ブナなどの花粉と交差反応性のあるリンゴなどのバラ科の果物による口腔アレルギー症候群や、小麦・魚介類などある特定の食物と運動の組み合わせでじん麻疹から始まりショック症状にいたる食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあります。食物アレルギ

味がわからない

味を感じる部位は舌にある味蕾(みらい)という部分です。これが障害されて味がわからなくなりますが、その原因には薬の副作用・亜鉛の欠乏・脳と味を感じる細胞を結ぶ神経の障害などがあります。 亜鉛欠乏性のものだけが「亜鉛内服療法」で改善が期待できます。 治療や療養に関してのアドバイス 単純に味覚障害として治療できるのは、「亜鉛欠乏性」のものだけです。亜鉛を含む薬剤を3~6ヵ月内服し、味蕾の再生を促します。牡蠣、牛肉、煮干し、抹茶など亜鉛を多く含む食品をとることも有効です。 その他の味覚障害は原因となる疾患を治療することが優先されます。 それらが見つからないとき どこの科にかかったらよいか 耳鼻科

卵巣摘出後「うつ」に

卵巣は女性ホルモンを分泌する重要な臓器です。そのため閉経前の女性の場合は、両側の卵巣に腫瘍ができていても、腫瘍の部分だけを摘出して、卵巣の健全な部分を温存します。しかし他の臓器との癒着が強かったり、悪性の場合は、やむを得ず両方の卵巣を全部摘出することがあります。 卵巣摘出後「うつ」の原因は エストロゲンは、女性にとって最も重要な性ホルモンです。卵巣や胎盤で産生され、血液を介して乳腺や子宮内膜に到達した後、標的細胞のエストロゲン受容体に結合してエストロゲン作用を表します。排卵や月経、乳腺といった女性特有の形態と機能を担うホルモンです。 エストロゲンの標的細胞は脳,眼,歯,血管運動系,心,乳房,結腸,泌尿生殖器系、骨など多くの部位に存在することが知られています。 卵巣摘出手術後に物忘れをすることがあることはよく知られています。更年期にも同じ症状を感じる方もおられます。認知症ではありませんので日

関節の痛み

関節リウマチは、免疫の異常によって関節の滑膜というところに炎症が起こり、関節の破壊や変形を招く病気です。一般に20~50歳代の女性に多くみられます。関節リウマチの原因はまだ解明されていませんが、遺伝子の異常・細菌・ウイルス感染、タバコ、歯周病、などが影響して発症すると考えられています。 関節リウマチの診断は 関節が痛む病気はほかにもたくさんあります。 関節リウマチ以外の膠原病、腱鞘炎、年齢に伴う変形性関節症でも同じ症状が起こることがあります。 関節リウマチの診断には「この症状で関節リウマチです」といえる基準はありません。 そこで少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に の4項目についての点数を合計して、6点異常であれば関節リウマチと分類することで診断を行なっています。 関節リウマチの治療 薬物治療、手術治療、リハビ

鼻から血が出る

子供の頃、鼻血がよく出た方もおられると思います。鼻の入口から入って約1~1.5cmの内側に毛細血管が集まっている部位があり、鼻出血の80%以上がここからの出血です。鼻粘膜の炎症、鼻をかんだり、鼻に指を入れることによる刺激でも血がでることがあります。 鼻出血の原因は 原因が鼻にある病気として、 等がありますが、生命に危険を及ぼすような病気ではありません。 高血圧、肝機能障害、血液疾患、上顎洞癌、抗凝固療法中の場合では時に、生命に危険が及ぶ場合があります。血液疾患には、白血病、血友病、血小板減少症などがあります。上顎洞癌では、鼻水にうっすらと血が混じる、片方の鼻からだけ出血する事が多いです。又、上顎洞からの出血は、長期間に及び、頬にはれや痛みを伴うなどの特徴があります。又、出血時に「あくび」をしている場合には、注意を要します。多量の出血のため、脳が血液不足になっている可能性があるからです。 出

突然顔の半分が動かない

突然に顔を動かす神経が麻痺して、筋肉が垂れ下がり、表情が作れなくなる顔面神経麻痺は、普通片側だけの麻痺で、唾液分泌異常や聴覚過敏、味覚障害を伴うこともあります。早期治療によって1週間位して改善傾向が見られ、1ヵ月くらいでかなり良くなってきます。3ヵ月から半年までに4人のうち3人までが元通りに治ります。 顔面神経麻痺の原因は 治療や療養に関してのアドバイス 発症後、できるだけ早期にステロイドや抗ウィルス薬などの薬物療法を開始し、次いでリハビリテーションを開始します。半年たって症状が残っていれば、それ以上の回復は難しくなり形成外科的治療が必要になります。麻痺が残っていることが、どの程度の支障があるかでその後の治療が決まります。眉やまぶたや口角が大きく下がっている、笑った時の表情が気になる場合は見た目のバランスを整える手術や、麻痺した筋肉の代わりに新しい筋肉を移植する手術を受けることもできます。