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足の親指の痛み

外反母趾とは、足の親指(母趾)の付け根が内側に飛び出し逆に指先が外に向く(外反)足の変形です。下駄や草履の生活から靴・パンプスの生活へと洋式化が進むのに伴って増加してきました。ファッション性を重視した先の細いパンプスを履く機会の多い女性に多く見られます。 外反母趾の原因は 若い人に見られる外反母趾は生まれつき靭帯が弱いなどの内的因子に、ハイヒールなどの外的因子が重なって変形が起こります。 加齢に従って進行するものは、体重の増加に加えて加齢によりホルモンバランスが変化することによって靭帯がたるみ足の変形を招くものです。 足に体重がかからないときや、靴を履いていないときには特に痛みはありません。荷重によって足の幅が広がりそれが靴によって圧迫され、痛みが起こるのです。内側に突出した部位の皮膚が靴に擦れ、潰瘍を起こすこともあります。さらに進行すると、母趾が内側にひねられたように変形したり、趾同士が

つり革手すりが汚く感じて持てない

何度も同じところを掃除したり、繰り返し戸締まりをしたり、かびやばい菌が気になって吊革や手すりを持てなかったり… こんな時あなたは、周りの人に「あなた、潔癖性やねえ」と言われませんか? 「潔癖性」 「潔癖症」は「不潔恐怖」とほぼ同義ですが、広い意味で「強迫性障害」の一症状です。日常生活に支障をきたさない程度の症状は治療の対象にはなりません。たとえば数字の4や9を避けるという行為は多少なりともあるのではないでしょうか?しかし、出勤する際に鍵がちゃんと掛かっているか何十回も確認し、そのせいで遅刻するとなると日常生活に支障を来しているレベルとなります。このような症状はストレスがかかると症状が悪化し易いことが知られています。だからと言ってストレスだけが原因とは言い切れません。心理的な要因から発症してくると考えられていたものが、近年の脳機能解析の進歩により、「強迫性障害」も、セロトニンなどの神経伝達物

人前で字を書けない

人前で字を書く時に緊張して手が震え、うまく書けなくなってしまう方がいます。中には利き手をもう一方の手で支えなければいけないほど震えてしまう方もいます。このような症状を書痙といいます。症状が字を書く時だけに限られる人もあれば、お酒を注ぐときやコーヒーに砂糖を入れるときにも持ち手が震える方がいます。どのような動作でも手指が震える場合は、本態性振戦、パーキンソン病、小脳疾患などの可能性があり、こうした疾患との鑑別診断が必要です。 書痙の原因は 極度の対人緊張 治療や療養に関してのアドバイス 書痙は、他人を意識するあまり、緊張が過度に高まって起こる対人恐怖の症状です。書痙を治すためには適切な薬物療法の助けを借りながら、対人緊張を緩和する方法を体得することが大切です。その人の性格などによって有効な治療法は異なります。1つの方法が合わないと感じたときは、別の治療法に切り替えることも必要です。 [薬物療

寝つけない、何度も目が覚める

先進国では5人に一人が不眠症に悩んでいると言われます。不眠症の中には、うつ病や統合失調症、不安障害と言った精神疾患が基礎になっている場合もあります。また、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)、むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome : RLS)、周期性四肢運動障害(Periodic Limb Movement Disorder : PLMD)などもが原因の場合もあります。ひとくちに不眠症といっても基礎疾患がある場合、その疾患に対する治療を行うことが必要で、慢全と睡眠導入薬を連用することは治療上好ましくありません。前立腺肥大症や過活動膀胱が原因となっている場合も少なくありませんので、泌尿器科での治療が必要となります。これらの基礎疾患が除外できたうえで、不眠症の治療になりますが、ここに「睡眠障害対処の12の指針」(平成13年度 厚生

くも膜下出血

脳の表面に出血する状態をくも膜下出血と言います。くも膜下出血の原因には、頭部外傷による外傷性くも膜下出血もありますが、脳動脈瘤や脳動静脈奇形、脳内出血など脳の血管が破れて起こるものがあります。その中でも、脳動脈瘤(血管にできたコブ)が破裂して起こるくも膜下出血は死亡率が高い病気です。 今まで経験したことのない突然の頭痛と嘔吐を繰り返し、意識を失い倒れてしまいます。歩いて病院に行くような症状の軽い場合もあります。いずれの場合でも、何をしているときに頭痛が起きたのかという、頭痛が生じた時間がはっきりとしています。ほとんどの場合 前兆がありませんが、一部の動脈瘤では、瞼が下がり、物が二重に見えることがあります。 診断のために、頭部のCTやMRI検査を行います。さらに治療を行うために、脳血管造影検査が必要です。 出血は一旦止まりますが、再度破裂出血し命を落とすことになりますので、止血しなければなり

太田母斑とは

太田母斑とは、顔面、特に眼瞼・額・頬に現れることの多い青あざで濃淡があり、淡い褐色の点が混在することもあります。 発症年齢は、乳児期と思春期の2つのピークがあり、男女比では女性の方が多く、80%近くを占めています。 太田母斑の原因は メラノサイトが増殖しており、メラニンの量が通常と比べて増加することから発症します。皮膚を構成する細胞を細かく見るとメラニンと呼ばれる色素を形成するメラノサイトが存在しています。通常メラノサイトは、真皮と呼ばれる部位には存在していません。なかにはGNAQやGNA1といった遺伝子異常に関連して病気が発症することがあると報告されています。また太田母斑の発症には内分泌環境が関与していると考える研究者もいます。なお、紫外線は病変のし主座である真皮に位置するメラノサイトまでは届かないため、紫外線のもたらす影響は小さいと考えられています。 太田母斑の治療法に関してのアドバイ

肩こりは運動不足かストレスか

首や肩の筋肉は重い頭や腕を支えて緊張した状態が続きます。同じ姿勢や長時間細かい仕事をした後などに、首や肩甲骨や肩のあたりに「重だるい」「つまる」「はる」などと感じることを肩こりと呼んでいます。 肩こりの原因は 運動不足や精神的ストレスと深い関連があります。じっと同じ姿勢を続けていると僧帽筋・肩甲挙筋などの首肩まわりの筋肉の血行が悪くなり、酸素や栄養の供給が不充分になり疲れや重だるさを感じます。仕事や家事、車の運転などはもとより、現代ではパソコンやスマホの操作が加わります。 治療や療養に関してのアドバイス 同じ姿勢を続けないことが大切です。仕事中に少しの合間を見つけて肩甲骨回しなどの軽い体操をします。腕を机や肘掛けに置くだけでも筋肉の負担軽減になります。自分に合った高さの椅子を使い、照明も暗すぎないようにしましょう。かかとの高い靴、窮屈な靴は肩こりにつながります。寝返りを打つので難しいですが

スマートフォンが目に与える影響

スマートフォン(以下、スマホ)を長時間見続けると、以下のようなことが起こる可能性があります。 ①近視が進行する②スマホ老眼③目が乾く④内斜視⑤睡眠不足 ①近視が進行する。近視は遠くが見えにくい状態です。見えにくいなら、眼鏡をかければ良く見えます。それだけなら、大きな問題にはならないのですが、近視のある方は緑内障になりやすい。また、近視の度数が強い方に多いのですが、眼底が傷むことがあります。緑内障が進行した場合や、眼底が傷むと、(これらは、中年以降におこります。)メガネをかけてもぼやけたままです。近視は進行しないに越したことはありません。 ②スマホ老眼「スマホを見続けた後、遠くを見るとぼやける。」「スマホを少し離さないとはっきり見えない。」こういった症状がスマホ老眼です。ピントを合わせる筋肉の疲れが原因です。 ③目が乾く瞬きをすることで目の表面全体に涙が行き渡ります。集中して物を見ると、瞬き

足の静脈がふくれて硬くなる

下肢の静脈内に血栓ができて、炎症を引き起こす病気です。血栓のできる場所から、深部静脈に発生する深部静脈血栓症と静脈瘤に合併することが多い表在性血栓性静脈炎に分けて、考えられています。ここでは、皮下の静脈に発生する表在性血栓性静脈炎について説明します。 症状 ふくらはぎや膝の周囲の静脈のややふくれた静脈が、突然、硬くなって、赤くなって痛みを伴って腫れてきます。一カ所のこともありますが、静脈の走行に沿って、縦に細長く症状が出ることもあります。 原因 抜歯後や足に白癬症があったり、足に怪我をして傷ができたり、風邪を引いたなど何かきっかけがあって炎症を起こしてなることが多く下肢静脈瘤に合併して起こることもしばしばあります。下肢静脈瘤は、静脈内の静脈弁が逆流することにより、静脈圧が上昇し、静脈の拡張をきたす病気です。血液のうっ滞がおこりやすく、時に静脈内の血栓形成を引き起こします。これが表在性血栓性

物がゆがんで見える、視力低下

症状はものがゆがんで見える、視力低下など。治療せずに放っておくと、視力が高度に低下してしまいます。一旦視力が落ちると、良くならない場合が多いです。そのため、早期発見、早期治療が大切です。50歳以上の人の100人に1人がこの病気にかかっていると言われています。 加齢黄斑変性とは 網膜は映像を脳に伝える役目をするところです。その網膜の中でも最も視力に大切な部分が黄斑です。その黄斑に出血や、水ぶくれ(浮腫)が起こり、傷んでいく病気です。 治療や療養に関してのアドバイス タバコはこの病気を悪化させます。禁煙が大切です。紫外線も良くないことはわかっています。 目の中への注射(硝子体注射)が基本の治療です。治療で視力が良くなる場合もありますが、悪化予防が主な目的です。注射の効き目は数か月で、繰り返し打つ場合が多いです。病気の状態によっては、腕から注射して光を当てる治療(光線力学的療法:PDT)やステロ