発作が突然起こり、普通とは異なる身体症状や意識、運動及び感覚の変化が生じるてんかんは、慢性の脳の病気で大脳の神経細胞が過剰に興奮するために、脳の症状(発作)が2回以上反復する病気です。1000人に5~10人くらいの頻度で発生し、全てんかん患者の7割は小児期に発症します。脳波検査でてんかんの種類や発作の型を診断し、治療法を選択します。また症状に応じて血夜検査、心電図、時に頭部MRI、CT検査も行います。
てんかんの種類は
- 特発性(多くは原因不明ですが、一部で遺伝子異常が発見されています)
- 症候性(周産期障害、脳炎・脳症、脳形成異常、染色体異常など)
てんかん発作型には
- 全般発作(発作の初めから脳全体の興奮があり、意識を失う。四肢のけいれんをともなうこともある。)
- 部分発作(脳のある部分から始まる発作で、意識がある時とないときがある。二次性に全身に拡がることもある)
治療や療養に関してのアドバイス
てんかんの治療は主に神経細胞の電気的な興奮を抑え、興奮が他の神経細胞に伝わっていかないようにすることで、発作の症状を抑える抗てんかん薬を用います。何種類かの薬(多剤)を用いても発作が抑制されない時は、迷走神経刺激療法や脳外科手術を行います。時に、ケトン療法という食事療法を行うこともあります。危険の高い登山やダイビングを除き、地上での通常のスポーツやレジャーは可能です。日常生活に制限は不要ですが、刺激となるものを避け、睡眠を十分にとりましょう。
治療に関しては、将来的に完治するものと、長きに渡り服用を必要とするものがあります。主治医と相談し、勝手に中断せず、根気よく続けましょう。勝手な中断は時に重い発作を生じます。
女児では、妊娠可能な成人になったときに、抗てんかん薬の種類や組み合わせに注意が必要です。