鎮痛剤の効きにくい痛み

阪神淡路大震災で両足をタンスに挟まれました。以来、すねのあたりの筋肉がけいれんしたり、激しい痛みに襲われます。対処法を教えてください。

神経障害性疼痛の原因

この方は両足が長時間にわたって圧迫されたことにより末梢神経が損傷されたと考えられます。このような原因による痛みを「神経障害性疼痛」と呼んでいます。ビリビリと電気が走るような痛みで一般的な鎮痛剤が効きにくいのが特徴です。外傷以外では帯状疱疹罹患後の神経痛、椎間板ヘルニア、糖尿病、手首の正中神経が傷つく「手根管症候群」など多くの疾患が原因となります。

治療や療養に関してのアドバイス

一度傷ついた神経は元に戻りにくいため痛みそのものをなくすことは難しいでしょう。しかし、薬や注射によって和らげることはできます。治療の効果は痛みだけではなく、生活の質(QOL)の改善を目指すことにあります。
第一選択薬として「プレガバリン」、「ガバペンチン」というお薬に、過敏になっている神経を鎮め、痛みの伝達物質の放出を抑える作用があり、一般の消炎鎮痛剤とは異なる効き方で高い効果が期待されています。副作用としてめまい、ふらつきが発生することがあり、転倒の恐れもありますので、骨折しやすい高齢者は慎重に使用するか、他の鎮痛剤を考慮する必要があります。他に、抗うつ剤を用いることも推奨されています。何種類かのお薬を組み合わせることもあります。病状や病態によって条件がことなりますので、ご担当の先生に協力してもらいながら、克服していきましょう。
腰髄の外側の硬膜外腔に麻酔薬を注射する「神経ブロック療法」をペインクリニックで受けるのもよいでしょう。

どこの科にかかるとよいか

整形外科やペインクリニックを受診してください。