コレステロールは細胞膜の成分やホルモンの材料となる、体にとって不可欠な物質です。 しかし、血液中の**LDLコレステロール(悪玉コレステロール)**が増えすぎると、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気の原因となります。
コレステロールが高くなる原因
1:食生活の乱れ: コレステロールを多く含む食品の摂りすぎ
2:運動不足、肥満
3:他の病気: 甲状腺機能低下症、糖尿病、ネフローゼ症候群など
4:その他: 遺伝的な要因(家族性高コレステロール血症)、女性の閉経後など

他に特別のものとして、日本では500人に1人位の高頻度でみられる「家族性高コレステロール血症」という、遺伝性の高コレステロール血症があります。肝臓から胆汁で排出する能力が通常の半分程度しかないために高値になるのです。食べ過ぎで肥満でもないのに、コレステロールが300mm/Hg以上もあるなどの場合はその可能性があります。家族性高コレステロール血症の場合は、異常な高値になることから、特に継続した治療が必要です。

治療や療養に関してのアドバイス
コレステロール値が250以上の場合に、アキレス腱の厚みが9mm以上あることや黄色腫という黄色い固まりが目の上などにできているなどがあれば、両親などの状況を調べて家族性高コレステロール血症の診断をします。しかし、家族ぐるみで美食家で肥満の場合は食事療法の誤りのために高コレステロール血症になっているとも考えられます。
高コレステロール血症(脂質異常症)の治療の基本は生活習慣の改善です。
- 食事療法: 卵黄や肉類の脂身、バターなどの乳製品を控えめにし、食物繊維が豊富な野菜・海藻類や、良質な油を含む青魚(サバ、イワシなど)を中心としたバランスの良い食事を心がけましょう。
- 運動療法: ウォーキングなどの適度な有酸素運動を習慣にしましょう。
- 薬物療法: 食事療法や運動療法で十分に改善しない場合、コレステロールの合成を抑える薬や、小腸からの吸収を妨げる薬などを使います。 家族性高コレステロール血症など、特に数値が高い場合は、早期からの薬物治療が重要です。
ご自身が脂質異常症と診断されたら、お子さんや兄弟姉妹など、ご家族も一度検査を受けることをお勧めします。

どこの科にかかったらよいか
内科を受診してください。 医師の指導のもと、生活習慣を見直し、病気を予防しましょう