
専門的には「肩関節周囲炎」といいます。50歳ごろになると起こりやすい肩の症状で一般に五十肩といわれています。老化のひとつの症状でもあります。何かの刺激により炎症が起こって痛みが出てくるようになります。
五十肩の症状は
- 肩を動かした際に痛みを感じる
- 腕を動かすのに肩がうまく回らず肩の運動が制限される。

髪やひもを後ろで結んだりするのに、後ろへ腕を回そうとして痛んだり、後ろまで腕が回らなくなったりすることで気づきます。

治療や療養に関してのアドバイス
診断のためにレントゲン写真を撮ったり、関節の動く範囲を調べたり、痛みの強い部位を確かめたりして、他に痛みの原因となる病気がないことを確認して診断をします。そして、「五十肩」と診断がついたら、痛みを取るための治療が始まります。個人差はありますが、完全に治るには、半年から2年近くかかる場合が多いようです。
「五十肩」の痛みをとる治療
- 炎症を抑え、痛みを取る目的で消炎剤を塗った貼り薬を用いる方法。
- 筋肉のこりや炎症を抑えて痛みを取る消炎鎮痛剤や筋弛緩剤または漢方薬を内服する方法。
- 肩関節にヒアルロン酸や局所麻酔薬、ステロイド剤などを注射して痛みを除去する方法。
- ブロック療法という麻酔剤の注射で肩甲上神経や肩甲下神経の痛みを感じる部分を遮断する方法。
- 温熱療法や電気療法と五十肩体操などの運動をする方法。
肩は腕を支えている負担の大きい関節なので、普段から血液の流れを良くするための肩回し運動を行って関節を大きく使うように心掛けることで、五十肩になるのを防ぐようにしたいものです。 同じ肩の痛みでも、関節の内部に関係している関節炎や、首の骨に異常がある場合や、リウマチ、癌などの場合もあります。医師の診断を受けてから症状にあった治療が必要です。鍼灸やマッサージなども効果はありますが、医師の正しい診断が必要なことをご理解ください。

どこの科にかかったらよいか
主治医に相談するか、整形外科を受診して診断を受けてから、症状にあった治療を続けてください。