
人間ドックの超音波(エコー)検査などで「肝血管腫(かんけっかんしゅ)の疑い」と指摘されることは、決して珍しいことではありません。肝血管腫とは、肝臓にできる、細い血管がスポンジのように集まってできた塊のことです 。その多くは生まれつきのものとされ 、良性の腫瘍であり、がん化することはまずありません。人間ドックで見つかる肝臓の所見としては、脂肪肝や肝のう胞に次いで多く 、ほとんどは痛みなどの症状もなく、治療も不要です 。

血管腫は良性の腫瘍で、痛みなどの症状がないことから放置しておく場合がほとんどです。

治療と療養のアドバイス
ごくまれに、悪性腫瘍である肝がんと見分けるのが難しい場合があるためです 。肝がんは短期間で大きくなる性質がありますが、血管腫の大きさが急に変化することはほとんどありません 。そのため、医師の指示に従って一定期間後に再検査を行い、大きさに変化がないかを確認することで、より正確な診断につなげます。「肝血管腫」と診断が確定すれば、多くは治療の必要なく経過観察となります 。ただし、自己判断はせず、医師の指示に従い、半年に一度など定期的な検査を受けるようにしましょう 。もし再検査で大きさの変化などが見られた場合は、CTやMRIなどの精密検査で詳しく調べる必要があります 。肝臓の病気は自覚症状が出にくいため、定期的な検査で体の状態を把握することが大切です 。
肝臓の病気は自覚症状を示すことが少なく、発見が遅れがちです。慢性肝炎の人は定期的に検査を受け、早期に体の異変をみつけることが大切です。

どこの科にかかったらよいか
まずは、検査を受けた医療機関や、かかりつけ医に相談し、適切なアドバイスを受けてください 。必要に応じて、消化器内科などの専門医を紹介してもらいましょう。