子どもの聴力低下

風邪などでのどが痛んだ時や鼻に炎症が起こった時に起こる急性中耳炎は、抗生剤で治ったり、痛みは治まりますが、中耳に粘液、水分が残ることがあります。これが滲出性中耳炎です。

風邪引きや鼻の炎症などで中耳炎を起こしたあと中耳に粘液や水分が残った時に起こる。

鼻の奥と中耳は「耳管」でつながっていて換気が行われ圧の調整をしています。換気がうまくできないと中耳腔に浸出液が貯留します。これが滲出性中耳炎です。子どもに滲出性中耳炎が多いのは、鼻や耳の粘液が多いこと、耳管の近くにある咽頭扁桃(いんとうへんとう)が耳管を圧迫することが多いためです。
聞こえ方が大変悪い場合は治療が必要です。しかしそうでない場合は子どもの成長とともによくなり、小学校3、4年ごろにはほとんど治ってしまいます。
治療方法としては、聴力低下が軽度の人は鼻から管を入れ、耳管から中耳に空気を送り、通りをよくします。それでも改善しない場合は分泌液を出しやすくするために鼓膜に小さな穴をあけます。開けた穴は3日~7日ほどでふさがります。聴力低下が中等度で空気を送る治療だけでは改善がなかなか得られない人は鼓膜にあけた穴がふさがらないようにチューブを挿入します。咽頭扁桃肥大がある場合は同時に切除をすることもあります。

  • 中耳炎のあと、子どもの聞こえ方には注意を!
  • 見ているテレビの音が大きすぎる、呼んでも気が付かないといったことがあれば注意が必要!

耳鼻咽喉科にかかって下さい。