爪は爪甲(そうこう)と爪をつくる爪母(そうぼ)、爪甲を下で支える爪床(そうしょう)から成り立っています。この爪母に何らかの病変があると爪の根元から縦に褐色または黒い線状のものが表面に現れ、これを「爪甲色素線状」と呼びます。
爪甲色素線条の正体
- 爪母にメラニンという黒い色素が異常に増加してできたほくろ
- 爪母にできた母斑細胞性母斑(あざ)
- 初期の悪性黒色腫(がん)
- 真菌(カビ)による病変
- 皮膚の良性腫瘍
- その他の皮膚疾患
爪の黒い線はまれには初期のがんのこともあるので怖がってばかりいないで早めに 皮膚科を受診しましょう。
治療や療養に関してのアドバイス
一般に爪の黒い線は色が淡く輪郭がぼんやりしていればほくろの可能性が高く、色が濃くくっきりした線ならあざやがんの可能性があります。特に爪のふちまで黒い色が染み出したり線の幅が6ミリ以上になるようなら残念ながらがんの可能性濃厚ということになりますが、爪のがんは本来頻度の低い病気です。
ところで、小児の場合は5歳までは拡大傾向がありますが成長とともに自然消退しますので思春期まで気長に経過観察して下さい。
皮膚に生じたほくろやあざの一般的治療には切除する方法ばかりではなく雪状炭酸圧抵法・電気凝固法やカバーマークといって化粧品で目立たなくする対処法もあります。しかし爪の場合は皮膚科医師によく相談して対処して下さい。爪の黒い線への対処ではがんではないということを確かめることがもっとも重要です。
どこの科にかかったらよいか
皮膚科