痛風とは、血液の中の尿酸が増えて、血液に溶けきれない尿酸が関節内で尿酸塩結晶となって関節炎を起こす病気です。足の親指の付け根などの関節が急に赤く腫れて、痛みのために歩くことができなくなります。
痛風の原因は
尿酸の過剰産生
- 尿酸の材料(プリン体)が多い食品(いわし類、内臓類、肉汁)の摂り過ぎ
- 飲酒
- 血液の病気や悪性腫瘍
- 薬剤(利尿薬、喘息治療薬、結核治療薬、少量のアスピリンなど)
尿酸の(腎)排泄低下
- 遺伝子変異
- 腎不全
- 少量のサリチル酸
ストレス、疲労、アルコールの飲み過ぎ、肥満
治療や療養に関してのアドバイス
痛風の有病率は人口あたり0.4%です。同一家系内に多く、壮年の男性に見られる病気ですが、最近は20歳代の若年層にも見られるようになってきました。痛風発作は安静にしているだけでも3~7日で痛みがなくなるので「治った」と思うのですが、発作は治っても高尿酸血症はそのままなのでまた発作を繰り返します。慢性化すると、関節の周りや皮膚の下に結節(痛風結節)ができ、腎臓にたまった結晶により腎臓の働きが悪くなり(慢性腎臓病)、尿路結石ができます。高血圧、高脂血症、心血管障害、脳血管障害の合併が多い事もわかっています。痛風の再発を防ぐには血液中の尿酸を減らすことであり、生活習慣の改善が重要です。具体的にはアルコール飲料、プリン体、糖分、カロリーを摂りすぎないようにし、過激な運動は控えましょう。尿路の結石を予防するため1日2,000mL以上の水分を摂りましょう。生活習慣の改善にもかかわらず血清尿酸値が9.0mg/dL以上の高尿酸血症では薬物療法が考慮されます。薬は服用しつづけ、尿酸値が下がったからといって自分で勝手にやめないことが大切で、バランスのとれた食事、十分な水分摂取はもちろんのこと、適度の運動で肥満を防止することも大切です。
- アルコール、プリン体、糖分、カロリーを控える
- 十分な水分を摂る
- 適度に運動をする
- 薬は医師の指示どおりに服薬し、勝手に中止しない
- 肥満、糖尿病、高血圧の合併症を治療することも重要
痛風は比較的コントロールしやすい病気です。主治医とよく相談して、生活習慣の改善、薬の服用で治療してください。
どこの科にかかったらよいか
かかりつけの内科・整形外科を受診してください。