体が疲れたりストレスがたまったりすると、肛門が腫れて、痛くて座れなくなります。年に2回ほど、肛門科で切開してもらっています。悪性ではないとのことですが、この先が心配です。
肛門周囲膿瘍と痔ろうの原因
肛門とその奥の直腸との境界には、粘液を分泌する小さなくぼみが10個前後あります。このくぼみの奥にある肛門腺に大腸菌が入り、膿がたまるのが「肛門周囲膿瘍」です。腫れや激痛、発熱が生じ、切開して膿を出す処置が必要です。これがさらに悪化して体外に通じるうみの管が形成された「痔ろう」です。いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)などと並ぶ痔の一種で、繰り返し化膿を繰り返すことが原因です。出来た管の形によって治りやすさが変わります。きちんと治すには手術が必要です。
治療や療養に関してのアドバイス
手術は肛門を締めたり緩めたりする肛門括約筋を温存する方が良く、硬くなったうみの管をくりぬいたり切り開いたりして切除し、周囲を縫い合わせて管を閉じます。括約筋を残すことで、将来の便漏れを防止できます。
うみの管と肛門に特殊なゴムを通して体外で結んで輪を作り、外来治療でその輪を少しずつ締めながら管の閉鎖を目指す「シートン法」もあります。数カ月から1年を要しますが、多忙で入院が出来ない方には選択肢の一つでしょう。
痔ろうは何年も放置するとまれにがん化することもあり、早めの治療をお勧めします。
どこの科にかかるとよいか
肛門科を受診してください。日本大腸肛門学会のホームページに専門医が紹介されています。