
健康診断で血尿やタンパク尿を指摘されても、自覚症状がないことがほとんどです。 しかし、症状がないからといって放置してはいけません。 特にタンパク尿が続く場合は注意が必要です。 これらの症状で最も多い腎臓の病気が「IgA腎症」です。
IgA腎症とは
免疫を担う「IgA(免疫グロブリンA)」という物質が、腎臓のフィルター機能を持つ部分(糸球体)に沈着し、炎症を引き起こす慢性の腎炎です。 はっきりとした原因は不明ですが、風邪の原因となるウイルスや、扁桃炎などを繰り返すこととの関連が指摘されています。
IgA腎症は、治療せずにいると、約3分の1の方が徐々に腎機能の低下が進み、腎不全に至る可能性があるため、早期の対応が重要です。

治療や療養に関してのアドバイス
1:血尿のみの場合: まずは定期的に尿検査、血圧測定、腎機能の血液検査を受け、経過を観察します。
2:タンパク尿が続く場合: 腎臓専門医の受診をお勧めします。 腎臓の組織を少量採取して調べる「腎生検」という検査で、腎臓の状態を正確に診断し、治療方針を決定します。
3:主な治療法: 近年、治療法は大きく進歩しています。扁桃を摘出する手術とステロイド薬を組み合わせる「扁摘パルス療法」**は、根本的な治療として高い効果が期待されています。その他、ステロイド薬や免疫抑制剤の内服治療なども行われます。
4:腎機能が低下してきたら: 血圧管理、食事療法(栄養管理)、感染症予防など、総合的な治療が必要になります。

どこの科にかかったらよいか
まずは、内科または小児科のかかりつけ医にご相談ください。腎生検などの専門的な検査や治療が必要な場合は、腎臓専門医を紹介してもらえます。