精巣は胎児の時に、おなかの中で発生し、胎児が大きくなるに連れて下降して、出生時には陰のう底に定着します。この下降が十分ではなく、途中で止まってしまった状態が「停留精巣」です。精巣が陰のうの底に降りない場合に次の4つのことが考えられます。
- 停留精巣
- 移動性精巣
- 異所性精巣
- 精巣欠損
です。それぞれによって、治療も違います。
「停留精巣」の原因は
原因はわかりませんが、背景として以下のことがあります。
「停留精巣」の頻度
満期出産の新生児・・・・約2%
1歳・・・・・約1%
早産や低体重児出生時・・約20%
まず移動性かどうかの鑑別を
(移動性の場合は通常手術はしません。)
~状態によっては手術を行うことも~
治療や療養に関してのアドバイス
まず診断を。
これはほとんど触診でします。皮下脂肪が多いなどわかりにくい場合は、エコー(超音波)を行います。
※精巣が移動性で高度なものでなければ・・・しばらく様子をみる
※ひどいとき・精巣のサイズが小さいとき・・手術
停留精巣になると何が心配?
- 将来、男性不妊になる可能性。
→片側の停留精巣では、男性不妊になる確率は一般の男性と同じとされていて、あまり心配はありません。 - 成人での精巣腫瘍の発生率が高くなること
→一般男性の数倍とされていますが、精巣腫瘍は男性10万人あたり1~2人と少ないので、極端に心配する必要はありません。 - 鼠径ヘルニヤの発症や精巣が外傷を受けやすくなること
「停留精巣」は、乳幼児期の健診で見つかることが多いのですが、太っている赤ちゃんの場合は、陰のうや性器が見えにくくなり、発見が遅れることもあります。日頃から、お母さんが状態を見てあげて、おかしいなと思ったら相談して下さい。
どこの科にかかったらよいか
まずは、かかりつけの小児科でしょうね。するとそこで、 専門家の先生(泌尿器科)を紹介してくれるはずです。