慢性的に目のかすみやぼやけをきたす疾患としては白内障がもっともよく見受けられます。白内障は眼の中の水晶体(レンズ)が濁る疾患で、最も一般的な原因は加齢です。他に外傷や炎症によるもの、代謝異常や先天異常、アトピーなどで起こります。
白内障の症状は、かすんで見える、ぼやける、明るいところではまぶしい、ものが2重3重に見える、メガネの度数を変えても見えにくいなどです。白内障を治すには手術が必要です。日常生活に支障がある、運転に差し支えて困っておられる方は手術を受けてください。
白内障の手術
手術は、白目と黒目の間の角膜あるいは強膜に2-3ミリの切開をします。その切開創から水晶体を包んでいる水晶体嚢の一部を切り、水晶体を超音波で砕いて吸い取ります。そのあとに人工水晶体(眼内レンズ)を入れます。手術のほとんどは短時間で済み、傷も小さいので、日帰り手術が多くなってきました。高血圧、糖尿病、心臓の病気などがある方は、その病気に注意しながらの手術になります。ご高齢の方、病気をお持ちの方、通院が難しい方などは入院される方が良い場合がありますので主治医とよく相談してください。
手術後すぐには仕事が出来ません。しばらくは洗顔や洗髪が出来ませんのでいつから可能かをお聞きください。
治療や療養に関してのアドバイス
白内障を起こす、あるいは進行を早める危険因子は、糖尿病、危険な薬物、放射線、アルコール、喫煙があります。白内障が始まると、水晶体のにごりを元へ戻すことが出来ません。白内障の進行を遅らせる点眼薬はありますが、効果には個人差が大きく使用頻度は少なくなっています。
どこの科にかかったらよいか
眼科でよく相談して下さい。