便に血がついた、排便時に出血したという訴えは比較的多い訴えですが 多くの方は痔ではないかと思われるようです。しかしその原因は痔からの出血ばかりではなく、大腸の癌や出血性大腸炎などたくさんの原因があり、治療を始めるためには出血の原因が何なのか調べる必要があります。
血便、肛門からの出血の原因は
一般的に便と混ざっていない鮮血は肛門や直腸からの出血が多く、直腸癌などの悪性腫瘍や直腸ポリープと呼ばれる良性腫瘍からのこともあり症状のみでは区別が困難です。また出血性直腸潰瘍などの疾患もあり検査が必要になります。
また直腸より口側では出血して便と血液が混ざることが多く、直腸と同様に癌やポリープの腫瘍が原因の一つとして挙げられます。そのほか、比較的多い出血原因が結腸憩室からの出血で、これは結腸の壁に袋状の憩室ができ炎症や出血などを惹き起こす疾患です。比較的高齢者に多い病気として大腸の血行障害が原因と考えられる虚血性大腸炎、これに対して比較的若い人に多いとされる潰瘍性大腸炎、クローン病、さらには細菌感染による感染性大腸炎(O‐157の感染など)などその原因となる病気はたくさんあります。
治療や療養に関してのアドバイス
血便、肛門出血の原因に関しては上に述べたように、痔核出血をはじめたくさんの病気が考えられます。その原因の病気を診断することは治療の方針を決める上で非常に大切です。検査は、肛門指診や大腸内視鏡検査、注腸造影検査などのいずれかが必要となりますが、最近ではCTの3D画像解析によるバーチャル内視鏡CTも実施されています。感染性大腸炎に関しては内視鏡検査などの前に腹部所見、食べたものの履歴などが非常に大切になります。
どこの科にかかったらよいか
肛門出血であれば肛門科、血便であれば消化器科(内科、外科)の先生に相談してください。