尿の経路(尿路)に何らかの異変がありますと、尿の中に赤血球が混じるようになります。これを「血尿」と呼びます。
血尿には、自分の目で見て判断できる「肉眼的血尿」と、顕微鏡検査や尿定性試験で初めて分かる「顕微鏡的血尿・尿潜血」の2つに分けられます。肉眼的血尿の場合は、膀胱がんや腎がんなど悪性腫瘍の可能性もあるため、必ず泌尿器科専門医の検査を受けて下さい。一方、顕微鏡的血尿や尿潜血の場合には、検査をしても明らかな異常が見つからないことの方が多いですが、必ず一回は検査を受けて種々の病気がないことを確認しておきましょう。
長く血尿が続く原因は
腎炎・膀胱炎、腎結石・尿管結石、腎癌・膀胱癌 など。
尿路に結石や腫瘍があるかどうかを調べるには、レントゲンやCT、MRI、エコー、膀胱鏡などを用い、外来での検査が可能です。膀胱癌などでは痛みを伴わないこともありますので、血尿が続けば早めに泌尿器科を受診して下さい。腎炎の病気の程度を判断するためには「腎生検」を行うことがあります。これは腰から針をさして腎組織を取り出し、顕微鏡で調べる検査で、4~5日程度の入院が必要となります。腎生検を受ける際には医師とよく相談して下さい。
治療や療養に関してのアドバイス
腎炎は自覚症状が少ないこともあるため、病気を軽く見がちになります。放置しておくと腎機能が低下し、腎不全に至り、透析治療を行うこともあります。
腎不全の予防には
- 規則正しい生活
- 塩分、アルコールを控える
- タンパク質、水分の量に気をつける
- 過労や過激な運動を避ける
- 特に風邪に気をつける
などに、日頃から心掛けるようにしましょう。
どこの科にかかったらよいか
血尿が長く続いている場合はかかりつけの内科または 泌尿器科を受診し、適切な指示を受けてください。