平成7年1月17日、午前5時46分、末曾有の被害をもたらした阪神、淡路大震災が発生した。瞬時にして多くの家屋は崩壊し、無情に拡大する大火災によって多くの人命を失い、負傷者が続出した。
被災地の医療機関は自らも被害を受けながら、ライフラインが断たれ、交通、通信綱が寸断され、医薬品や医療器材が不足する非常事態の下で、押しかけて来る負傷者の治療と重傷患者の後送病院への搬送に追われた。また、犠牲者の死体検案にも、監察医制度とは別に、警察の要請により多くの会員が検死業務に協力した。