2023

コンタクトレンズを使うときの注意

コンタクトレンズは眼の表面である角膜に直接乗せて視力を矯正するものです。コンタクトレンズは高度管理医療機器であるため、眼科医の指示のもとで、自分に合ったレンズを正しく使用することが重要です。コンタクトレンズには素材によってソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズがあり、双方にメリット、デメリットがあります。最近ではソフトコンタクトレンズが主流ですが、眼の状態によっては、ハードコンタクトレンズを使わなければならない場合もあります。ソフトコンタクトレンズには1日使い捨てレンズ、毎日外してレンズケアを行い再装用するタイプでは、2週間のタイプが主流です。ハードコンタクトレンズは、長く使われがちですが、メーカー保証は1年がほとんどですので注意が必要です。それ以外、乱視矯正用のレンズや、遠近両用のレンズもあります。 コンタクトレンズで起こる障害 コンタクトレンズにより眼の表面の角膜が覆われると、

心臓の運動療法

心臓リハビリテーションってどういうものですか? 心臓病で治療を受けた方がその後も適切な運動を続けることによって病気の再発を予防し、症状を改善させるのが「心臓リハビリテーション」という運動療法です。 治療の際の注意点はありますか? 心臓の動きの悪い方に運動による負荷をかけるので循環器の専門医や心臓リハビリテーション指導士という運動療法の資格を持った理学療法士、看護師らの指導の下で事故が起こらないようにして取り組みます。運動強度の目安として「ボルグスケール」という指標があり、安静時の「6」から疲労困憊の「20」まで3の段階に分けたときに「楽からややきつい」に相当する「11~13」程度の運動が最も適した運動の範囲とされています。状態によっては自己流で誤った運動をするとかえって危険なこともありますから必ず専門家に運動の仕方や注意事項等を十分に指導してもらってから始められるといいでしょう。運動療法に

ギザギザ・チカチカが見える

両目の視野の一部に突然ピカピカと光るぎざぎざ模様が見える症状の閃輝暗点は、ぎざぎざ模様の中は見えにくくなりますが、5分から20分程度と比較的短時間で目の症状は治まります。症状が治まったあとで片頭痛が起こることもあります。 閃輝性暗点の原因は 見えにくくなるのは脳の視覚の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するためと考えられています。その後血管が拡張し神経を刺激して片頭痛が起こります。 原因は睡眠不足、ストレス、肩こり、喫煙など多種さまざまな要因が指摘されていますまれに脳梗塞、脳腫瘍が原因となることがあります 治療や療養に関してのアドバイス 若い人に多い病気で、突然発作的に現れます。現れた時は安静にしてください。喫煙がきっかけになる場合もあります。目の症状だけの人、片頭痛だけの人もあります。目の症状や激しい頭痛が月2回以上ある人は予防薬の使用を勧めます。念のため脳の疾患をCTやMRIで調べる

急に左右対称に起きる手足の脱力としびれ

手足の脱力としびれが左右対称に起こってくる病気の一つにギラン・バレー症候群があります。その他、脊髄損傷、脊髄梗塞、脊髄腫瘍なども急激に症状がでてくることがあります。ギラン・バレー症候群の頻度は10万人に1~2人で小児から成人まで幅広く発症します。 ギラン・バレー症候群の原因は ウイルスなどの感染がきっかけとなり、それを防御するために働く免疫機能が異常に反応し、発症するという説が有力です 風邪や下痢などの症状があった数日から約2週間後に、急に手足に力がなくなり、歩けなくなる、物を持ち上げることができないといった症状が起こります。特に足から次第に上半身にしびれや脱力が広がることも特徴です。そうした症状は数日から一週間ぐらいで進行し、場合によっては、全く動けなくなることもあります。さらに症状が激しい場合には、食べ物を飲み込む、言葉を発するといったこともできなくなります。また、呼吸に関する筋肉に麻

睡眠中の呼吸停止と激しいいびき

睡眠中、1時間に10秒以上の呼吸停止が5回以上、または、7時間の睡眠中に呼吸停止が30回以上あることを閉塞型睡眠時無呼吸症候群と言います。呼吸が停止すると、停止した時間分だけ、脳などに酸素が送れなくなり、肥満・糖尿病・高血圧などの生活習慣病、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞のもとになります。怖いですね。 「睡眠時無呼吸症候群」の原因は 鼻から気管までの間(上気道)が睡眠中に狭くなることが原因です。 ~まずいびきの有無を調べてみて~ 日中異常な眠気に襲われることが多い場合も要注意です。 治療や療養に関してのアドバイス 診 察まず問診とアレルギー検査などでほかの疾患の疑いがないか探る。続いて、鼻やのどを内視鏡で確認し、閉塞しやすい構造かどうか調べる。睡眠中の様子を詳しくデータでみるために、自宅で携帯式の測定機器を付けるか、入院して1晩寝ている間睡眠ポリグラフ検査をします。治 療睡眠中に充分な空気を吸い

[2023.11.23]令和5年度第1回医療・介護連携による人生の最終段階における対応向上研修会 の開催について

高齢者が住み慣れた地域において、延命のための医療ではなく、自然なかたちでその人らしく生き抜き、日々の暮らしを営めるよう、医療・介護連携における終末期の対応向上を目的に、医師、医療従事者並びに介護職員等を対象とした標記研修会を、下記の通り本会会館にて開催いたしますので、ご案内申し上げます。 ●取得単位 ・日医生涯教育講座 1.5単位(CC:4) ・介護支援専門員協会認定単位 カテゴリB-2単位 ※不測の事態により開催できない場合は本会ホームページでお知らせいたしますので、予めご確認下さい。 1.日時 11月23日(木・祝)14:00~16:15 2.会場 兵庫県医師会館2階大会議室 3.対象者 医師、医療従事者、介護職員等 4.募集定員 200名 5.内容 ●報告「三木市の在宅医療・介護の現状報告~在宅での看取りについて~」 三木市医師会 会長 堀井 弘幸 氏 ●講演「写真が語る、いのちのバ

労作時息切れ・呼吸困難感

拡張型心筋症で「植え込み型除細動器」の手術を進められています。どうしたら良いでしょうか? 命にかかわるような危険な不整脈がみられる場合、植え込み型除細動器(ICD)はとても有効な予防手段です。不整脈にはさまざまな原因がありますが拡張型心筋症も心臓の収縮障害を起こし、息切れや疲労感があり心室頻拍が出ているようならICDの手術を考慮します。 植え込み型除細動器(ICD)とはどのような機械ですか? 心臓は1日に約10万回も拍動しています。電気信号がうまく伝わらず拍動が早すぎたり遅すぎたりして不規則になるのが不整脈です。心臓のリズムが狂った状態が続くと失神したり胸が苦しくなって死亡する危険性もあります。ICDはそのような危険な不整脈を検知し、ペースメーカーのように電気刺激を出したり、電気ショックを行って脈を正常に戻します。 手術はどのように行うのですか? 一般的に手術時間は2~4時間程度で行われて

潰瘍性大腸炎(粘液混じりの血便や下痢)

潰瘍性大腸炎の原因 大腸に炎症が起きる潰瘍性大腸炎は、医療費の一部が公費負担される特定疾患(難病)の一つで、詳しい原因は分かっていません。 治療や療養に関してのアドバイス 粘液混じりの血便や下痢を生じ、全ての年齢で発症します。多いのは20~30代で、患者数は国内に10万人を超えており毎年増加しています。一度の治療で治る人もいますが、再発を繰り返す人もあり、寛解状態を長く保つことが治療の目的です。軽症では炎症を抑える薬で、重症例ではステロイド剤を大量に使用し副作用の危険を抑えるため免疫抑制剤を併用します。抗リウマチ剤の「レミケード」が医療保険の適応になり、患者によって劇的に改善する場合があるようです。「血球成分除去療法」(腸の炎症を起こす白血球を透析のように除去する)も有効です。さらに出血がひどい場合手術となります。大腸を全部切り取り、小腸で袋を作って直腸の代用とします。 どこの科にかかると

赤ちゃんの目が寄っている

生後3カ月になりますが目が内側に寄っています。斜視でないか心配です 赤ちゃんは、生まれて2-3か月頃から両方の目でものを見始め、視線もそろう様になります。この時期以降、たとえば4ヶ月健診の時点で目が内側に寄っている場合は内斜視を疑います。生後早期に発症する内斜視に乳児内斜視があります。原因は諸説ありはっきりしていませんが、ずれの程度が大きいことが多いのが特徴です。また、両眼で見る脳機能の発達の障害が考えられています。一方、両眼で見る機能の発達には問題がなく、目を動かす筋肉やその神経の先天異常が原因で起こる斜視もあります。これを先天性眼筋麻痺と言い、生後すぐから内斜視や上下斜視を伴う場合があります。1歳以降の発症では、遠視が原因で起こる調節性内斜視があります。斜視を放置しておくと弱視になってしまったり、両眼で見る機能の発達が障害されて斜視の治療が難しくなります。 斜視の種類 生後早期に発症す

血液検査でLDLコレステロール値が高い

LDLコレステロールは悪玉、HDLコレステロールは善玉と言われていますが、そもそもコレステロールは体を構成する細胞を包む細胞膜や各種ホルモン等の原料であり、体を維持するために必要なものです。 コレステロールは人体の維持に必要ではありますが、”あぶら”なので、そのままの形では水に溶けません(体内には保てません)。そのため水と親和性のある蛋白質と結合し、水に馴染みやすい安定なリポタンパクとして、血液中に存在しています。各種ありますが、有名なのが低比重リポ蛋白(LDL: Low Density Lipoprotein)と、高比重リポ蛋白(HDL:High Density Lipoprotein)で、コレステロールを運搬します。 HDLに運ばれているコレステロールをHDLコレステロール、LDLに運ばれているコレステロールをLDLコレステロールと呼んでいます。 このLDLとHDL2つのリポタンパクは