11月 17, 2025

皮膚の小さな水ぶくれ

皮膚に小さな水ぶくれの集まりが出来るヘルペスは疱疹とも呼ばれます。ヘルペスは単純ヘルペス(単純疱疹)と帯状疱疹の2種類があります。単純ヘルペスは幅広い年齢層に症状が現れ、早く回復します。帯状疱疹は高齢者に多く、神経痛様の痛みを伴います。ここでは単純ヘルペスについてお話ししましょう。 ヘルペスの原因は 単純疱疹ウイルスⅠ型とⅡ型による感染 ストレスや疲労、風邪などで潜伏していたウイルスが活性化され発病 治療や療養に関してのアドバイス 単純疱疹ウイルスの多くは、知らないうちに直接接触によって感染します。ヘルペスに感染しますと、ウイルスは神経節内に隠れ潜みます。これを潜伏感染と言います。そのまま長期間症状が出ない人もいますが、ストレスや疲労、風邪、紫外線、寒冷などがきっかけとなってウイルスが活性化され、急に疱疹(小さな水ぶくれ)となって表れます。一旦症状が治まっても、ウイルスは神経節内に生き残り

頭の髪が円形に抜ける

ある日突然に頭髪が円形や楕円形に抜けてしまう状態を「円形脱毛症」といいます。普通は数ヶ所程度が多いですが、頭の毛全てが抜ける場合(全頭脱毛症)や眉毛・まつ毛・腋毛・陰毛などが抜ける場合(汎発性脱毛症)があります。 円形脱毛症の原因は 原因はいろいろな説がありますが特定されていません。ストレスが引き金になることが多いのでストレスを解消しながら根気良く治療を続けましょう。 治療や療養に関してのアドバイス 免疫異常や内分泌異常・糖尿病などの病気がないか検査する必要があります。脱毛が始まったきっかけがないか、生活内容を思い出し主治医に話してみましょう。脱毛部位が周囲に見られることでストレスになる方は、「かつら」を着用することでストレスを軽減するのも治療の手助けになります。小児はアトピー性皮膚炎・喘息などのアレルギー疾患を合併していることが多いようです。 円形脱毛症の治療法 脱毛が気になることからシ

自宅に閉じこもる

家に閉じこもったままで生活している子ども、若者をみると、「ひきこもりではないか」「こころの病気ではないか」と心配されるご家族の方も多いと思います。まずひきこもりとは「社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」と定義されています。内閣府が平成22年2月に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」ではほとんど自宅で生活している者が23.6万人、「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」準ひきこもりの者が46万人いるとされています。平成19年に出されている「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、長期間ひきこもっているほとんどの方にメンタルヘルスの問題がみられ、本人・家族とも適切な支援が必要だとされています。その上で、ひきこもりを第1群「統合

鼻水がのどに流れる

鼻汁が鼻の穴から出るのは、誰もが経験するところですが、前に出ずのどの方へ落ちて不快に感じる場合があります。これを後鼻漏といいます。いくつかの原因でおこりますが、原因の分からないことがあるのも事実です。以下にできるだけわかりやすく解説しましょう。 後鼻漏の原因は 慢性副鼻腔炎・鼻アレルギー・上咽頭炎が3大原因でしょう。それらを見きわめた上で、根気強く治療することが大事です。 治療や療養に関してのアドバイス 「正しい治療は、正しい診断から」ですので、いくつかの必要な検査をして、原因不明も含めて、正しく診断してもらうことです。正しい診断がついても、あらゆる人が治るということはないでしょう。何年もかかる場合があります。医師を信頼して、あまりあちこちの医師にかからず根気よく決まった医療機関で治療を続けて下さい。特に心配ないことが分かれば、あまり気にしすぎないことも必要でしょう。 正しい診断と適切な処

物忘れ

年齢とともに物忘れが増え、認知症になるのではと不安になります。WHO(世界保健機構)は、認知症を「いったん発達した知能が、さまざまな原因で持続的に低下した状態。 通常、慢性あるいは進行性の脳の疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、概念、理解、計算、学習、言語、判断など多数の高次脳機能の障がいからなる症候群」と定義しています。物忘れがひどくなると認知症だとわかりますが、初期の頃には、年齢に伴う物忘れなのか、認知症なのかわからないことがあります。また認知症の前段階に軽度認知障害(MCI)といった段階があります。ただしこれら全ての段階には、明確な診断基準がありません。 認知症の予防 英国の医学雑誌Lancetに2024年に掲載された論文では、認知症リスク14項目をすべてクリアすれば最大45%予防(遅らせる・軽減できる)できると発表されました。年齢により3つのライフステージに分け、それぞれに取り組

ママ、夜、足が成長痛で眠れないよー

ケガなどの原因がはっきりしないのに、夜に下肢を痛がります。幼稚園から小学校3、4年ごろまでのお子さんが多いようです。一般に「成長痛」と呼ばれています。 「成長痛」の原因は? 原因ははっきりしていません。成長時には骨と筋肉の成長のスピードが異なり、夜間に骨の方が筋肉よりも早く成長し、そのアンバランスで痛がるなどいろいろ言われています。 「成長痛」なら心配ない!!他の病気との区別が大切です 治療や療養に関してのアドバイス 他の病気が関係していないかを診断が必要です。 「成長痛」の痛みは、夜間によく生じます。痛い場所は、下肢です。下肢痛のときには、以下の疾患を考えます。成長痛・小児リウマチ・骨の腫瘍・以前のケガによる変形・先天的な奇形・スポーツによる膝関節の損傷 どこの科にかかったらよいか まずは、整形外科を受診してください。必要により小児整形外科医を紹介されます。

コレステロールが高いと言われた

コレステロールは細胞膜の成分やホルモンの材料となる、体にとって不可欠な物質です。 しかし、血液中の**LDLコレステロール(悪玉コレステロール)**が増えすぎると、動脈硬化を引き起こし、心筋梗塞や脳梗塞など、命に関わる病気の原因となります。  コレステロールが高くなる原因 1:食生活の乱れ: コレステロールを多く含む食品の摂りすぎ 2:運動不足、肥満3:他の病気: 甲状腺機能低下症、糖尿病、ネフローゼ症候群など 4:その他: 遺伝的な要因(家族性高コレステロール血症)、女性の閉経後など 他に特別のものとして、日本では500人に1人位の高頻度でみられる「家族性高コレステロール血症」という、遺伝性の高コレステロール血症があります。肝臓から胆汁で排出する能力が通常の半分程度しかないために高値になるのです。食べ過ぎで肥満でもないのに、コレステロールが300mm/Hg以上もあるな

頻尿、排尿時痛、残尿痛、下腹部に不快感がある

細菌が原因で膀胱内の粘膜に炎症をおこす膀胱炎は、膀胱炎の患者さんの男女比を見ると、圧倒的に女性が多くなっています。「一生のうちに膀胱炎を経験しない女性はいない」といわれるほど女性はかかりやすく、また、何度となく再発を繰り返している人も少なくありません。 症状はどのようなものですか? おしっこをするときに痛い(排尿痛)、おしっこが近い(頻尿)、尿がにごっている(尿混濁)などが特徴的な症状です。そのほか、尿に血が混じる(血尿)、尿が残った感じがする(残尿感)、下腹部が重くスッキリしない(下腹部不快感)、尿が漏れる(尿失禁)などの症状もみられます。通常、熱は出ません。 膀胱炎が起こる原因は? 膀胱炎の多くは急性単純性膀胱炎で、尿道から侵入する大腸菌などの細菌に感染することで起こります。10歳代後半から更年期以降まで幅広い年齢層で発症しますが、20から30代の生殖活動期の女性に多いのが特徴です。

成長期に膝を押すとグッと痛いオスグット病

10~15歳ぐらいの子どもが膝の痛みを訴える場合、オスグッド・シュラッター病という病気がよくみられます。膝の皿(膝蓋=しつがい=骨)の下の少し膨らんだところが腫(は)れて痛みを訴えます。サッカーやバレーボール、野球など足をよく使う子どもにしばしばみられる病気です。 若い人の長びく膝の痛みの原因は 成長期にスポーツは肉体面・精神面の発育に重要な役割をはたしています。しかしながら、過度の訓練や無理な動作の繰り返しにより、発達途上の運動器に重大な障害をきたすことがあります。 オスグッド・シュラッター病の原因: 成長途中の脛(すね)の骨に、自分の筋肉の力(ちから)が強くかかり炎症が起きることが痛みの原因です。 その他の膝の痛みの原因: ※中年以後の人の膝の痛みは、変形性膝関節症などの病気もあります。 治療の基本「局所の安静」過剰な練習や無理な動作の繰り返しによって生じる慢性的な筋肉や腱の炎症などの

前立腺肥大症と言われた

男性は中年を過ぎる頃から排尿トラブルがある人が増えてきます。多くの場合、その原因となっているのが「前立腺肥大症」です。 前立腺とは? 前立腺はクルミのような形をした男性にだけある臓器で、膀胱の下の尿道を取り囲むように位置しています。思春期になると男性ホルモンの産生の増加により発育し、前立腺液(精液の約1/3)を作るようになります。前立腺液は、抗菌作用や精子の運動を活発にするはたらきがあるといわれています。 前立腺肥大症はどんな病気ですか? 前立腺肥大症は、加齢に伴って前立腺が大きくなり、尿道を圧迫し、さらに排尿時に前立腺などの筋肉が過剰に収縮することにより、尿の回数が多い(頻尿)、夜中に何度もトイレに行く(夜間頻尿)、尿が残った感じがする(残尿感)などの「刺激症状」や尿が出始めるまでに時間がかかる(遷延性排尿)、尿の勢いがない(尿勢低下)、尿が出終わるまでに時間がかかる(ぜん延性排尿)、尿