11月 17, 2025

女性に多い手と指のしびれ

手のしびれは、神経の圧迫や血行障害によって生じることが多く、傷害される神経の部位によって、しびれる場所が決まります。中指から人さし指、親指のしびれは、手首での神経の圧迫が考えられます。病状が悪化しますと、親指の付け根部分の筋肉の膨らみが痩せて、つまみ動作がしづらくなることがあります。 手(親指・人さし指・中指)がしびれる手根管症候群の症状は 治療や療養に関してのアドバイス 初期の治療としては手首を装具などで2週間から1ヵ月ほど固定して動きを制限し、圧迫による神経のはれを抑えるようにします。はれを取り除くためにステロイド剤の注射や、消炎鎮痛剤や低周波などの物理療法も効果があり、患者さんの7、8割はこれらの治療で症状が軽くなります。症状が軽くならない場合や軽くなったり重くなったりを繰り返す場合は、手術を行い神経の圧迫を取り除きます。職業性の場合は職場の変更が必要になることがあります。 どこの科

発熱、のどの渇き、多飲(1型糖尿病)

肥満もなく、比較的若い年齢の人が、急激に糖尿病を発症した場合、インスリンの欠乏による1型糖尿病の可能性が高いと考えられます。また数日の発熱に引き続き、のどの渇き、多飲を訴えたときは、ウイルス感染を引き金に発症した1型糖尿病の可能性があります。 糖尿病の原因は 通常、日本でみられる糖尿病は、1型、2型とその他の型に大別されます。1型はインスリン依存性糖尿病といわれ、日本の糖尿病患者さんの1~3%。以前は若年性糖尿病と呼ばれたように、子供や若年者に多くみられます。発症は急激で、血糖値が異常に高くなります。おたふくかぜ、風しん、コクサッキーB4、Epstein-Barrなどのウイルス感染や、それを引き金に起こった炎症(ラ氏島炎)によって膵臓のランゲルハンス島が破壊され、血糖を制御するインスリンを分泌できなくなり発症します。ウイルス感染が引き金と言っても他人に1型糖尿病がうつることはありません。2

スマートフォンが目に与える影響

スマートフォン(以下、スマホ)を長時間見続けると、以下のようなことが起こる可能性があります。 ①近視が進行する②スマホ老眼③目が乾く④内斜視⑤睡眠不足 ①近視が進行する。近視は遠くが見えにくい状態です。見えにくいなら、眼鏡をかければ良く見えます。それだけなら、大きな問題にはならないのですが、近視のある方は緑内障になりやすい。また、近視の度数が強い方に多いのですが、眼底が傷むことがあります。緑内障が進行した場合や、眼底が傷むと、(これらは、中年以降におこります。)メガネをかけてもぼやけたままです。近視は進行しないに越したことはありません。 ②スマホ老眼「スマホを見続けた後、遠くを見るとぼやける。」「スマホを少し離さないとはっきり見えない。」こういった症状がスマホ老眼です。ピントを合わせる筋肉の疲れが原因です。 ③目が乾く瞬きをすることで目の表面全体に涙が行き渡ります。集中して物を見ると、瞬き

目のかすみやぼやけ(白内障)

慢性的に目のかすみやぼやけをきたす疾患としては白内障がもっともよく見受けられます。白内障は眼の中の水晶体(レンズ)が濁る疾患で、最も一般的な原因は加齢です。他に外傷や炎症によるもの、代謝異常や先天異常、アトピーなどで起こります。白内障の症状は、かすんで見える、ぼやける、明るいところではまぶしい、ものが2重3重に見える、メガネの度数を変えても見えにくいなどです。白内障を治すには手術が必要です。日常生活に支障がある、運転に差し支えて困っておられる方は手術を受けてください。 白内障の手術 手術は、白目と黒目の間の角膜あるいは強膜に2mmから3mmの切開をします。その切開創から水晶体を包んでいる水晶体嚢の一部を切り、水晶体を超音波で砕いて吸い取ります。そのあとに人工水晶体(眼内レンズ)を入れます。手術のほとんどは短時間で済み、傷も小さいので、日帰り手術が多くなってきました。高血圧、糖尿病、心臓の病

わきの臭い

わきの下には、刺激的な臭いを放つ脂肪を分泌するアポクリン汗腺という特別な汗のでる管があり、思春期になると急に発達します。もちろんその働きには個人差がありますが、汗かきの人、つまり分泌量の多い人は気にされる事が多いようです。匂いの元は汗そのものではなく、皮膚についている細菌が原因とも考えられています。元々、体臭の強い西洋人の社会ではわきがの匂いを消す目的で高級な香水が発展しました。清潔にしている女性にかぎって、わきがの相談が多いのは無臭を好む国民性もあるのかもしれません。 わきがの原因は わきがの治療は   汗の分泌を抑える対症療法と、汗腺の除去を目指す根治治療に分けられます。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科で相談し、手術を希望する場合は形成外科等に紹介してもらいましょう。

人前で字を書けない

人前で字を書く時に緊張して手が震え、うまく書けなくなってしまう方がいます。中には利き手をもう一方の手で支えなければいけないほど震えてしまう方もいます。このような症状を書痙といいます。症状が字を書く時だけに限られる人もあれば、お酒を注ぐときやコーヒーに砂糖を入れるときにも持ち手が震える方がいます。どのような動作でも手指が震える場合は、本態性振戦、パーキンソン病、ジストニア、小脳疾患などの可能性があり、こうした疾患との鑑別診断が必要です。 書痙の原因は 極度の対人緊張 治療や療養に関してのアドバイス 書痙は、他人を意識するあまり、緊張が過度に高まって起こる対人恐怖の1症状である場合があります。書痙を治すためには適切な薬物療法の助けを借りながら、対人緊張を緩和する方法を体得することが大切です。その人の性格などによって有効な治療法は異なります。1つの方法が合わないと感じたときは、別の治療法に切り替

首の軟骨の老化と手足のしびれ

手足のしびれは、糖尿病や動脈硬化症、血管の閉塞などで、血液の流れが悪くなっておこるものと、骨などの異常で神経が圧迫されておこるものとがあります。糖尿病など内科の病気があるかの評価も必要です。整形外科的に多いのは、頚椎症性脊髄症です。骨とその周りの組織の老化によって脊髄が圧迫されるようになって、手足のしびれが出てきます。 頚椎症性脊髄症と同じような症状は 診断のため十分な問診と身体的検査を行い、必要によりレントゲン・MRIなどの検査を行います。上記のような病気の存在も考えながら診断を進めるためと、正しい診断がついてからの治療方針を決定するために検査が必要です。 治療や療養に関してのアドバイス 頚椎症性脊髄症の治療 ある程度は保存的治療で症状の改善を期待できます。症状がすすんで、手足の動きがさらに悪くなったり、排尿障害が出てきたり、筋肉の萎縮が起こってきたときは、手術が必要になります。からだの

寝つけない、何度も目が覚める

先進国では5人に一人が不眠症に悩んでいると言われます。不眠症の中には、うつ病や統合失調症、不安障害と言った精神疾患が基礎になっている場合もあります。また、睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome : SAS)、むずむず脚症候群(Restless Legs Syndrome : RLS)、周期性四肢運動障害(Periodic Limb Movement Disorder : PLMD)などもが原因の場合もあります。ひとくちに不眠症といっても基礎疾患がある場合、その疾患に対する治療を行うことが必要で、慢全と睡眠薬を連用することは治療上好ましくありません。前立腺肥大症や過活動膀胱が原因となっている場合も少なくありませんので、泌尿器科での治療が必要となります。これらの基礎疾患が除外できたうえで、不眠症の治療になります。厚生労働省は睡眠ガイドを10年ぶりに改訂し「健康づくりのため

(糖尿病で)両足に異常を感じたら

血糖値が高くなる病気である糖尿病は、神経障害、足壊疽(組織が腐ってしまうこと)、腎症、網膜症、動脈硬化、心筋梗塞、脳卒中、白内障、性機能障害、歯周病などのさまざまな合併症を引き起こします。また、糖尿病性腎症は尿毒症や、腎性網膜症の原因になります。 糖尿病の症状は 胃の背中側にある膵臓から出るインスリンが血糖をコントロールします。このインスリンの量が少なくタイミングが悪いと糖尿病になります。また、インスリンの量は正常でも、インスリンが働きづらい状況(インスリン抵抗性)も糖尿病の原因になります。高い血糖が長く続くことによって末梢神経の代謝異常と血管障害が起こり、神経障害が発症します。靴下をはく部分(足の指、足の裏)に左右対称の感覚障害が出ることが多いのが特徴です。 神経障害が軽症の場合は生活習慣を改善し、血糖をコントロールすれば軽快します。糖尿病は根気よく治療を続けることが大切です。 治療や療

突然耳が聞こえない

何の前ぶれもなく、突然耳の聞こえが悪くなり、耳鳴りや耳閉塞感が現れる病気を「突発性難聴」と呼びます。めまいや耳鳴りを伴うこともあります。これは音を感じる「内耳」という器官に起こる難聴の1つです。大抵は片耳だけに症状が現れ、軽度であれば自然治癒することもあります。しかし治療が必要な場合に時期を逸すると聴力障害が固定し回復しにくくなります。 突発性難聴の原因は 治療や療養に関してのアドバイス 突発性難聴の治療は時期を逸してしまっては効果が薄れてしまいますので、早ければ早いほど効果的です。医師が必要と判断した場合は入院して点滴注射と内服薬を併用するのが好ましいことです。難聴が高度であったり、めまいを伴う様な場合は完治がむつかしい場合があります。突発性難聴は早期治療の時期を逸すると、聴力低下が固定してしまいます。めまいや耳鳴りが何度も繰り返されたり、難聴だけでもさまざまな病気の可能性がありますので