11月 17, 2025

近視を矯正する手術

近視を矯正する手術としては、大きく三つに分けられます。まずは角膜といわれる目の表面のレンズを変形させて屈折を変える方法、次に、目の中の元の水晶体の上に人工のレンズを入れて屈折を変化させる方法、そして水晶体を眼内レンズに変更する白内障手術にも、この効果があります。年齢をはじめ、目の状態や、疾患の有無などによってその適応が変わってきます。 角膜をエキシマレーザーで直接削ることで近視を矯正する手術には、LASIK(レーシック)や、PRK(ピー・アール・ケイ)という方法があります。しかしながら、不可逆的に角膜を変形させるため、手術による合併症で混濁が発生し視力が出にくくなることがあったり、比較的多くの例で術後ドライアイになってしまう事などのデメリットがあります。将来の白内障手術や、緑内障など他の病気の経過観察や治療に与える負の影響もあり、最近ではあまり主流ではなく、施行する施設も少なくなってきてい

ドライアイについて

ドライアイとは、涙の質や量の変化で涙が乾きやすくなり、目が疲れる、乾く、ごろごろする、痛い、充血する、まぶしい、かすむなどの症状を伴うものをいいます。日本では2,200万人の患者さんがいるとされています。 ドライアイの原因は 治療や療養に関してのアドバイス ドライアイの治療 ドライアイは眼科医にて適切な診断と治療が必要な病気です。涙の油の層・水分の量・ムチンの状態・炎症の状態・眼周囲の環境などに分類し、それぞれの原因に対応した治療を行います。基本的には点眼薬による治療を行います。点眼薬には防腐剤を用いていないものがあり、この場合は通常の点眼薬とは使用方法が異なる場合がありますので、処方された薬の使用方法をよく確認してください。点眼液で充分な効果が得られないときには、シリコン製プラグなどで涙の出口を塞いだり、手術によって涙点(涙の排水口)をふさぐこともあります。少しでも分泌されている涙を目に

腰痛とおしりからふくらはぎにかけての痛み

腰は腰椎と呼ばれる5個の骨からなり、椎体と呼ばれる部分が主に体を支える役目を果たしています。そして、それぞれの椎体の間にはクッションの役目を果たす組織があり、これを椎間板と呼びます。椎間板ヘルニアは比較的若い年代(青、壮年期)、特に男性に多いのが特徴です。腰痛と一方のおしりから太ももの裏、ふくらはぎにかけての坐骨神経に沿って鋭い痛み(坐骨神経痛)を伴います。痛みがひどくなると重労働はもちろん階段の上り下りやいすに座る、車に乗るといった日常の動作もしづらくなります。 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛(下肢痛)の原因は 椎間板は線維輪と中心にあるゲル状の組織の髄核との2重構造になっています。椎間板ヘルニアは、中心にある髄核が、腰への急激な負担などがきっかけで線維輪を突き抜けることです。腰の神経を圧迫することで、腰痛や坐骨神経痛(下肢痛)が起きます。 働き盛りの年代の患者さんにとって、腰痛は日常生活に

胃のポリープ

胃ポリープの原因 胃粘膜の細胞が増殖し、盛り上がってできた病変を胃ポリープといいます。一般的に自覚症状はなく、集団検診や人間ドックで見つけられます。組織の性質により「過形成性ポリープ」と「胃腺腫」に分けられます。「過形成性ポリープ」は胃炎の延長のような組織で、大きくなるとびらんや出血を伴い貧血の原因になることがあります。「胃腺腫」は腫瘍性でがん細胞を含むことがあります。 治療や療養に関してのアドバイス 見た目からは良性悪性を判断しにくく、内視鏡で病変の組織の一部を採取して詳しく調べる必要があります(生検)。この結果、良性で小さいものなら経過観察でいいでしょう。悪性が否定できない場合や大きさが1~2cm以上のものは切除した方がいいでしょう。切除は内視鏡で行います。電気が通る輪(スネア)でひっかけて焼き切ったり、電気メスではがし取る方法があります。痛みはあまりありませんが、鎮静剤を投与すること

乳腺のしこり

乳房のしこりには良性のものと悪性のものがあります。良性腫瘍の代表が線維腺種です。悪性腫瘍の代表は乳癌です。 線維腺種とは 乳癌とは 乳房の悪性腫瘍の90%以上を占めます。40~60歳台に多くみられますが、それ以下の年齢層にも発生します。非浸潤癌と浸潤癌があり、外見上は良性腫瘍と見分けが付きません。 しこりが良性であるか、悪性であるかの見極めが大切 治療や療養に関してのアドバイス 診断には、触診、超音波検査(エコー)、乳房X線撮影(マンモグラフィー)のほか針生検による病理組織診断などがあります。乳癌の可能性が否定できない場合には外科的にしこりを取り除き、顕微鏡で確定診断をすることになります。摘除手術は局所麻酔で済み、傷口も一週間で治ります。手術に踏み切れない場合も3ヵ月に一回程度のチェックは必要です。良性腫瘍の治療法は外科的切除になりますが、一般的に3cm以上の大きさであれば切除が勧められま

歩き始めた幼児の扁平足

扁平足は足の内側にある「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造が下垂した状態です。一言に「扁平足」といっても、その原因によって対応は異なります。 歩き始めにわかる扁平足の原因は 治療=「矯正靴」と呼ばれる装具を使う 治療や療養に関してのアドバイス 1については手術適応になることがありますが、2、3、4はそれ程心配しなくても大丈夫です。5、6についても治療のご希望があれば治療するといった程度です。  装具をつける期間は病因や個人差によって変わりますが、2の場合は3才ころまで、3、4の場合は中学、高校生ならば土踏まずの部分が高くなっている市販のスポーツシューズを勧めます。 扁平足は、そのままでも日常生活に支障が出ることはありません。人によっては長時間の立ち仕事や歩行がつらいことがあるようです。また長期にわたり不自然な形で体重が足に加わるために、関節や腱に炎症を起こすこともあります。足は骨と筋肉、腱、靭

白内障手術後の視力低下

ここでは、白内障手術後の合併症の中でも、術後早期ではなく数ヵ月たってから出てくる晩発性について説明します。その中でも、一番多いのは後発白内障です。後発白内障は白内障の手術後数カ月から数年で発症します。手術後5年以内に約20%の人が発症すると言われます。若い人の方がなりやすく、白内障の手術で後発白内障が起こるのを完全に防ぐことは出来ません。 後発白内障の原因は 白内障は加齢などで水晶体が濁る病気です。水晶体は「水晶体(すいしょうたい)嚢(のう)」という膜状の組織に包まれています。白内障の手術では、水晶体の前面を切り取って、濁った水晶体を超音波で砕いて取り出します。その後、水晶体の代わりに水晶体嚢の中に人工の眼内レンズを入れます。白内障の手術後「前嚢(ぜんのう)細胞(さいぼう)」という水晶体の前方の細胞が増殖し、眼内レンズの後方まで増えて混濁を起こすことがあります。これが後発白内障です。眼内レ