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腰痛とおしりからふくらはぎにかけての痛み

腰は腰椎と呼ばれる5個の骨からなり、椎体と呼ばれる部分が主に体を支える役目を果たしています。そして、それぞれの椎体の間にはクッションの役目を果たす組織があり、これを椎間板と呼びます。椎間板ヘルニアは比較的若い年代(青、壮年期)、特に男性に多いのが特徴です。腰痛と一方のおしりから太ももの裏、ふくらはぎにかけての坐骨神経に沿って鋭い痛みを伴います。痛みがひどくなると重労働はもちろん階段の上り下りやいすに座る、車に乗るといった日常の動作もしづらくなります。 椎間板ヘルニアと坐骨神経痛の原因は 椎間板は線維輪と髄核との2重構造になっていて、中心にある髄核というゲル状の組織が、腰への急激な負担などがきっかけで線維輪を突き抜け、腰の神経を圧迫し、腰痛や下肢痛を起こすのが椎間板ヘルニアです。 働き盛りの年代の患者さんにとって、腰痛で日常生活にも影響するため深刻な問題となります。痛くて動けない間は仕方あり

食物アレルギーの最新の考え方は?

食物アレルギーとは、アレルギーを起こす原因食物を摂取したときに、免疫反応によって皮膚症状(湿疹・蕁麻疹)、消化器症状(下痢・腹痛)、呼吸器症状(咳・呼吸困難)を起こすものをいい、時には、血圧低下やショックなどの強い全身反応であるアナフィラキシーを起こすことがあります。 アレルギーを起こす原因食物は卵、牛乳、大豆(「食物アレルギーの栄養食事指導の手引き2017」を参考にしましたが、米は代表的なものに挙げられておりません。「あたらしい皮膚科学」第3版2018年2月発行でも同様です。)、小麦が代表的なものです。また新しい食物アレルギーのタイプとして、シラカバやコナラ・ブナなどの花粉と交差反応性のあるリンゴなどのバラ科の果物による口腔アレルギー症候群や、小麦・魚介類などある特定の食物と運動の組み合わせでじん麻疹から始まりショック症状にいたる食物依存性運動誘発アナフィラキシーがあります。食物アレルギ

味がわからない

味を感じる部位は舌にある味蕾(みらい)という部分です。これが障害されて味がわからなくなりますが、その原因には薬の副作用・亜鉛の欠乏・脳と味を感じる細胞を結ぶ神経の障害などがあります。 亜鉛欠乏性のものだけが「亜鉛内服療法」で改善が期待できます。 治療や療養に関してのアドバイス 単純に味覚障害として治療できるのは、「亜鉛欠乏性」のものだけです。亜鉛を含む薬剤を3~6ヵ月内服し、味蕾の再生を促します。牡蠣、牛肉、煮干し、抹茶など亜鉛を多く含む食品をとることも有効です。 その他の味覚障害は原因となる疾患を治療することが優先されます。 それらが見つからないとき どこの科にかかったらよいか 耳鼻科

卵巣摘出後「うつ」に

卵巣は女性ホルモンを分泌する重要な臓器です。そのため閉経前の女性の場合は、両側の卵巣に腫瘍ができていても、腫瘍の部分だけを摘出して、卵巣の健全な部分を温存します。しかし他の臓器との癒着が強かったり、悪性の場合は、やむを得ず両方の卵巣を全部摘出することがあります。 卵巣摘出後「うつ」の原因は エストロゲンは、女性にとって最も重要な性ホルモンです。卵巣や胎盤で産生され、血液を介して乳腺や子宮内膜に到達した後、標的細胞のエストロゲン受容体に結合してエストロゲン作用を表します。排卵や月経、乳腺といった女性特有の形態と機能を担うホルモンです。 エストロゲンの標的細胞は脳,眼,歯,血管運動系,心,乳房,結腸,泌尿生殖器系、骨など多くの部位に存在することが知られています。 卵巣摘出手術後に物忘れをすることがあることはよく知られています。更年期にも同じ症状を感じる方もおられます。認知症ではありませんので日

関節の痛み

関節リウマチは、免疫の異常によって関節の滑膜というところに炎症が起こり、関節の破壊や変形を招く病気です。一般に20~50歳代の女性に多くみられます。関節リウマチの原因はまだ解明されていませんが、遺伝子の異常・細菌・ウイルス感染、タバコ、歯周病、などが影響して発症すると考えられています。 関節リウマチの診断は 関節が痛む病気はほかにもたくさんあります。 関節リウマチ以外の膠原病、腱鞘炎、年齢に伴う変形性関節症でも同じ症状が起こることがあります。 関節リウマチの診断には「この症状で関節リウマチです」といえる基準はありません。 そこで少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に の4項目についての点数を合計して、6点異常であれば関節リウマチと分類することで診断を行なっています。 関節リウマチの治療 薬物治療、手術治療、リハビ

鼻から血が出る

子供の頃、鼻血がよく出た方もおられると思います。鼻の入口から入って約1~1.5cmの内側に毛細血管が集まっている部位があり、鼻出血の80%以上がここからの出血です。鼻粘膜の炎症、鼻をかんだり、鼻に指を入れることによる刺激でも血がでることがあります。 鼻出血の原因は 原因が鼻にある病気として、 等がありますが、生命に危険を及ぼすような病気ではありません。 高血圧、肝機能障害、血液疾患、上顎洞癌、抗凝固療法中の場合では時に、生命に危険が及ぶ場合があります。血液疾患には、白血病、血友病、血小板減少症などがあります。上顎洞癌では、鼻水にうっすらと血が混じる、片方の鼻からだけ出血する事が多いです。又、上顎洞からの出血は、長期間に及び、頬にはれや痛みを伴うなどの特徴があります。又、出血時に「あくび」をしている場合には、注意を要します。多量の出血のため、脳が血液不足になっている可能性があるからです。 出

突然顔の半分が動かない

突然に顔を動かす神経が麻痺して、筋肉が垂れ下がり、表情が作れなくなる顔面神経麻痺は、普通片側だけの麻痺で、唾液分泌異常や聴覚過敏、味覚障害を伴うこともあります。早期治療によって1週間位して改善傾向が見られ、1ヵ月くらいでかなり良くなってきます。3ヵ月から半年までに4人のうち3人までが元通りに治ります。 顔面神経麻痺の原因は 治療や療養に関してのアドバイス 発症後、できるだけ早期にステロイドや抗ウィルス薬などの薬物療法を開始し、次いでリハビリテーションを開始します。半年たって症状が残っていれば、それ以上の回復は難しくなり形成外科的治療が必要になります。麻痺が残っていることが、どの程度の支障があるかでその後の治療が決まります。眉やまぶたや口角が大きく下がっている、笑った時の表情が気になる場合は見た目のバランスを整える手術や、麻痺した筋肉の代わりに新しい筋肉を移植する手術を受けることもできます。

子どものおねしょ

幼児期、夜間にお漏らしするのを「おねしょ」と言いますが、5歳以降になっても1ヶ月に1回以上の「おねしょ」が3ヶ月以上続く場合「夜尿症」と言います。夜尿症は小学校高学年でもクラスに1人から2人はみられ、15歳以上でも1-2%見られます。 夜尿症の原因は 1.覚醒する能力の低下:目が覚めない 2.膀胱容量が少ない:勝手に膀胱が収縮し尿を貯めておける量が少ない 3.夜間の多尿:夜間に作られる尿量が多い 4.発達の遅れ、遺伝的素因 が考えられます。 治療や療養に関してのアドバイス 基本は「起こさず、あせらず、叱らず」です 「おねしょ」を防ぐため、夜間に起こすことは睡眠のリズムを乱し、膀胱に尿が溜まっている事の自覚を妨げ逆効果になります。親があせって、叱ることは子どもの自尊心を傷つけます。「おねしょ」をしなかった時は褒めてあげることも必要です。 治療はまず、以下の生活改善からはじめます。 これらの生

年間に複数回、急にのどが痛くなり高熱を出す

ふだんは健康に生活しているのに、急にのどが痛くなって高熱が出て登校や出勤に支障が出る人がいます。口をあけるとのどの奥に左右1対の口蓋扁桃があり、ここが赤く腫れたり膿がついたりしている状態が扁桃炎です。かねてから口蓋扁桃が大きいと扁桃炎になりやすいから手術でとってしまったほうがよいと思っている方が少なからずありましたが、実際はどうなのか解説します。 本当に厄介な扁桃炎とは のどの奥には、口蓋扁桃・咽頭扁桃・舌扁桃や孤立リンパ濾胞と呼ばれるリンパ組織が集合しており、外部からの病原体の侵入に備えています。これらの組織は自らが炎症を起こすことでさらに重症の呼吸器や消化器感染症を防いでいるのです。そういう意味で「生理的炎症臓器」とも呼ばれていますが、あまり鋭敏に反応するようになると却って日常生活に支障をきたすことになりかねません。社会的な尺度として年間4回以上高熱や咽頭痛で登校・出勤を控えなければな

目の前に黒いものが飛ぶ

「目の前に黒いものが飛ぶ」状態を飛蚊症(ひぶんしょう)と言います。飛んでいるものは蚊のようなもの、糸くずや丸い輪であったりします。色も半透明なものから黒いものまでさまざまで、数も1個から数個、あるいは多数のこともあります。目を動かすと一緒についてきます。明るく、背景が白い場所で目立ちます。 飛蚊症の原因は主に2つあります。 ①年齢とともに自然に起こる場合眼の中には硝子体というゼリー状のものが詰まっています。子供のころは、硝子体は透明です。しかし、長い年月を経て、自然に硝子体の一部が濁ります。(網膜と接した部分が濁ります。)同時に、硝子体はゆっくりと縮みます。ある年齢になると、縮んだ硝子体は一部の濁りとともに網膜から離れます。濁りが網膜から離れると、濁りの影が網膜に映ります。これが飛蚊症です。②病気が原因で起こる場合硝子体出血を起こす病気 (糖尿病網膜症など)では、出血の影が飛蚊症を起こしま