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関節の痛み

関節リウマチは、免疫の異常によって関節の滑膜というところに炎症が起こり、関節の破壊や変形を招く病気です。一般に20~50歳代の女性に多くみられます。関節リウマチの原因はまだ解明されていませんが、遺伝子の異常・細菌・ウイルス感染、タバコ、歯周病、などが影響して発症すると考えられています。 関節リウマチの診断は 関節が痛む病気はほかにもたくさんあります。 関節リウマチ以外の膠原病、腱鞘炎、年齢に伴う変形性関節症でも同じ症状が起こることがあります。 関節リウマチの診断には「この症状で関節リウマチです」といえる基準はありません。 そこで少なくとも1つ以上の関節で腫れを伴う炎症(滑膜炎)がみられ、その原因として関節リウマチ以外の病気が認められない場合に の4項目についての点数を合計して、6点異常であれば関節リウマチと分類することで診断を行なっています。 関節リウマチの治療 薬物治療、手術治療、リハビ

鼻から血が出る

子供の頃、鼻血がよく出た方もおられると思います。鼻の入口から入って約1~1.5cmの内側に毛細血管が集まっている部位があり、鼻出血の80%以上がここからの出血です。鼻粘膜の炎症、鼻をかんだり、鼻に指を入れることによる刺激でも血がでることがあります。 鼻出血の原因は 原因が鼻にある病気として、 等がありますが、生命に危険を及ぼすような病気ではありません。 高血圧、肝機能障害、血液疾患、上顎洞癌、抗凝固療法中の場合では時に、生命に危険が及ぶ場合があります。血液疾患には、白血病、血友病、血小板減少症などがあります。上顎洞癌では、鼻水にうっすらと血が混じる、片方の鼻からだけ出血する事が多いです。又、上顎洞からの出血は、長期間に及び、頬にはれや痛みを伴うなどの特徴があります。又、出血時に「あくび」をしている場合には、注意を要します。多量の出血のため、脳が血液不足になっている可能性があるからです。 出

突然顔の半分が動かない

突然に顔を動かす神経が麻痺して、筋肉が垂れ下がり、表情が作れなくなる顔面神経麻痺は、普通片側だけの麻痺で、唾液分泌異常や聴覚過敏、味覚障害を伴うこともあります。早期治療によって1週間位して改善傾向が見られ、1ヵ月くらいでかなり良くなってきます。3ヵ月から半年までに4人のうち3人までが元通りに治ります。 顔面神経麻痺の原因は 治療や療養に関してのアドバイス 発症後、できるだけ早期にステロイドや抗ウィルス薬などの薬物療法を開始し、次いでリハビリテーションを開始します。半年たって症状が残っていれば、それ以上の回復は難しくなり形成外科的治療が必要になります。麻痺が残っていることが、どの程度の支障があるかでその後の治療が決まります。眉やまぶたや口角が大きく下がっている、笑った時の表情が気になる場合は見た目のバランスを整える手術や、麻痺した筋肉の代わりに新しい筋肉を移植する手術を受けることもできます。

子どものおねしょ

幼児期、夜間にお漏らしするのを「おねしょ」と言いますが、5歳以降になっても1ヶ月に1回以上の「おねしょ」が3ヶ月以上続く場合「夜尿症」と言います。夜尿症は小学校高学年でもクラスに1人から2人はみられ、15歳以上でも1-2%見られます。 夜尿症の原因は 1.覚醒する能力の低下:目が覚めない 2.膀胱容量が少ない:勝手に膀胱が収縮し尿を貯めておける量が少ない 3.夜間の多尿:夜間に作られる尿量が多い 4.発達の遅れ、遺伝的素因 が考えられます。 治療や療養に関してのアドバイス 基本は「起こさず、あせらず、叱らず」です 「おねしょ」を防ぐため、夜間に起こすことは睡眠のリズムを乱し、膀胱に尿が溜まっている事の自覚を妨げ逆効果になります。親があせって、叱ることは子どもの自尊心を傷つけます。「おねしょ」をしなかった時は褒めてあげることも必要です。 治療はまず、以下の生活改善からはじめます。 これらの生

年間に複数回、急にのどが痛くなり高熱を出す

ふだんは健康に生活しているのに、急にのどが痛くなって高熱が出て登校や出勤に支障が出る人がいます。口をあけるとのどの奥に左右1対の口蓋扁桃があり、ここが赤く腫れたり膿がついたりしている状態が扁桃炎です。かねてから口蓋扁桃が大きいと扁桃炎になりやすいから手術でとってしまったほうがよいと思っている方が少なからずありましたが、実際はどうなのか解説します。 本当に厄介な扁桃炎とは のどの奥には、口蓋扁桃・咽頭扁桃・舌扁桃や孤立リンパ濾胞と呼ばれるリンパ組織が集合しており、外部からの病原体の侵入に備えています。これらの組織は自らが炎症を起こすことでさらに重症の呼吸器や消化器感染症を防いでいるのです。そういう意味で「生理的炎症臓器」とも呼ばれていますが、あまり鋭敏に反応するようになると却って日常生活に支障をきたすことになりかねません。社会的な尺度として年間4回以上高熱や咽頭痛で登校・出勤を控えなければな

目の前に黒いものが飛ぶ

「目の前に黒いものが飛ぶ」状態を飛蚊症(ひぶんしょう)と言います。飛んでいるものは蚊のようなもの、糸くずや丸い輪であったりします。色も半透明なものから黒いものまでさまざまで、数も1個から数個、あるいは多数のこともあります。目を動かすと一緒についてきます。明るく、背景が白い場所で目立ちます。 飛蚊症の原因は主に2つあります。 ①年齢とともに自然に起こる場合眼の中には硝子体というゼリー状のものが詰まっています。子供のころは、硝子体は透明です。しかし、長い年月を経て、自然に硝子体の一部が濁ります。(網膜と接した部分が濁ります。)同時に、硝子体はゆっくりと縮みます。ある年齢になると、縮んだ硝子体は一部の濁りとともに網膜から離れます。濁りが網膜から離れると、濁りの影が網膜に映ります。これが飛蚊症です。②病気が原因で起こる場合硝子体出血を起こす病気 (糖尿病網膜症など)では、出血の影が飛蚊症を起こしま

子どもの喘息について

喘息(ぜんそく)って何?喘息の人の気管支などの空気の通り道(気道)が、たとえて言えばいつもくすぶっている状態です(炎症)。そしていろんなきっかけ(発症因子とか増悪因子)によって火事が起こりやすくなっており(過敏になって)、火事になると気道が狭くなり(狭窄)、ぜーぜーしたり息苦しくなったりします(発作)。このような事を総じて気管支のアレルギー(ぜんそく)と言います。炎症を放っておくと、気道の表面(粘膜)に変化が起こり、気道が狭くなったまま元に戻らなくなってしまいます。(リモデリング) アレルギー体質って何? アレルギーの遺伝的な要素や環境の要因などが組み合わさって、アレルギーが発症したり(発症因子)、あるいはまた、悪化(増悪因子)しやすくなっています。このような状態をアレルギーの体質といいます。アレルギーの原因は、アレルゲンと呼ばれ、ダニやカビなどのハウスダスト、スギやブタクサなどの花粉、動

月経の量が多い

過多月経(ひどくなると貧血になります)、月経困難症、周囲の臓器への圧迫症状(下腹部痛、腰痛、便秘、頻尿、排尿困難など)などが起こる病気を子宮筋腫といい、不妊や流産の原因になることもあります。 貧血や圧迫症状などご自分にとって不都合な症状がなければ治療の必要はありません。定期的な検診は必ず受けましょう。不都合な症状がある場合には治療が必要です。 治療や療養に関してのアドバイス 内科的治療と手術療法があります。・内科的治療閉経が近い年齢の方の場合には、薬による内科的治療が行われます。子宮筋腫は女性ホルモン(エストロゲン)の働きで大きくなります。薬でエストロゲンの分泌を減少させる(偽閉経療法)ことによって子宮筋腫を小さくします。もうひとつは低用量ピルを使用することもあります。ピルによって月経時の出血も少なくなり月経痛緩和します。・手術療法子宮を取ってしまう(子宮全摘術)と筋腫だけを取る手術(筋腫

においのある耳だれ、難聴、めまい

においのある耳だれが出る、耳が詰まる、聞こえ方が悪い、頭が重いなどの症状があると中耳炎や外耳炎の可能性があります。その中に真珠腫性中耳炎があります。これは鼓膜の一部が中耳側に入り込み、へこんだ部分に耳アカや角化物がたまり、真珠のような白い塊が中耳に出来てだんだん大きくなり、その部分から炎症を起こし、中耳にある耳小骨や周りの骨を溶かしながら進行する病気です 真珠腫性中耳炎の原因は 治療の基本 「早期発見、早期治療が大切」 治療や療養に関してのアドバイス 耳管は中耳と外部の圧力のバランスを保っています。耳管機能の悪い人や、何度も中耳炎を起こしている人は、その圧力のバランスが崩れます。その結果、鼓膜が中耳の方へ引っ張られ、真珠腫が出来やすくなります。真珠腫は放っておくとだんだん大きくなりますから、出来るだけ早期発見、早期治療が大切です。耳小骨が破壊されると、中程度の難聴、味覚障害、顔面神経マヒ、

鼻水がのどに流れる

鼻汁が鼻の穴から出るのは、誰もが経験するところですが、前に出ずのどの方へ落ちて不快に感じる場合があります。これを後鼻漏といいます。いくつかの原因でおこりますが、原因の分からないことがあるのも事実です。以下にできるだけわかりやすく解説しましょう。 後鼻漏の原因は 慢性副鼻腔炎・鼻アレルギー・上咽頭炎が3大原因でしょう。それらを見きわめた上で、根気強く治療することが大事です。 治療や療養に関してのアドバイス 「正しい治療は、正しい診断から」ですので、いくつかの必要な検査をして、原因不明も含めて、正しく診断してもらうことです。正しい診断がついても、あらゆる人が治るということはないでしょう。何年もかかる場合があります。医師を信頼して、あまりあちこちの医師にかからず根気よく決まった医療機関で治療を続けて下さい。特に心配ないことが分かれば、あまり気にしすぎないことも必要でしょう。 正しい診断と適切な処