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尿路結石を何回も繰り返し起こしている

尿管結石は再発することが多く、再発予防はできないものかと質問をよく受けます。尿路結石は様々な要因が重なり合い形成されるため、原因を特定できない場合が多いです。 しかしながら、特定の基礎疾患を有する場合に有意に結石の罹患率が高いことが知られています。①胃腸疾患(胃潰瘍、クローン病、腸切除)②クッシング症候群③長期臥床④骨折⑤高尿酸血症(内服薬が原因の場合もあり)⑥膠原病⑦緑内障てんかん(内服薬が原因)  などが挙げられます。 このような疾患を有する患者さんは、病気のためや病気に対する治療薬のために、ステロイドホルモンやカルシウム、尿酸などの代謝のバランスが悪くなり結石形成につながるといわれています。このような場合、基礎疾患の治療を行うことや治療薬の変更などで結石の再発が防げる場合もあるため、上記疾患を罹患している患者さんで結石に罹患した場合は主治医の先生にも報告をした方がよいでしょう。 また

女性に多い手と指のしびれ

手のしびれは、神経の圧迫や血行障害によって生じることが多く、傷害される神経の部位によって、しびれる場所が決まります。中指から人さし指、親指のしびれは、手首の神経の圧迫が考えられます。病状が悪化しますと、親指の付け根部分の筋肉の膨らみが痩せて、つまみ動作がしづらくなることがあります。 手(親指・人さし指・中指)がしびれる手根管症候群の症状は 治療や療養に関してのアドバイス 初期の治療としては手首を添え木のようなもので2週間から1ヵ月ほど固定して動きを制限し、圧迫によるはれを抑えるようにします。はれを取り除くためにステロイドを注射することもあり、消炎鎮痛剤や低周波などのリハビリも効果があり、患者さんの7、8割はこれらの治療で症状が軽くなるものです。それでも再発を繰り返す場合は、手術を行い神経の圧迫を和らげるようにします。職業性の場合は職場の変更も必要となります。 どこの科にかかったらよいか 早

動悸や息切れや胸部不快感

不整脈は脈が一定にならず不規則に乱れて打つことです。乱れ方にはさまざまな方があり、場合によっては生命にかかわることも有ります。診断はまず安静時心電図をとり、これで異常が見つかれば次に長時間心電図(ホルター心電図)をつけてより詳しく調べます。 不整脈の原因は 心臓が悪くて不整脈が出ている場合と、心臓が悪くなくても不整脈だけ出る場合もあります。またその種類もいろいろありますが、大きく分けて心臓の上の部屋からのもの(心房由来)、と下の部屋(心室由来)があります。また、命には直接影響しないものとすぐ治療しないと命にかかわる不整脈も有りますが、大事なのは、自分の不整脈がどのようなタイプの不整脈かを知っていることが大切です。 治療や療養に関してのアドバイス 不整脈には単発型と連発型があります。単発型は、不整脈が連続して起こらず、正常な脈と脈の間に独立して起こります。治療が必要でない場合が多いのです。連

前立腺肥大症と言われた

男性は中年を過ぎる頃から排尿トラブルがある人が増えてきます。多くの場合、その原因となっているのが「前立腺肥大症」です。最近患者さんが増えている「前立腺がん」では、初期にはほとんど自覚症状はありません。 前立腺とは? 前立腺はクルミのような形をした男性にだけある臓器で、膀胱の下の尿道を取り囲むように位置しています。思春期になると男性ホルモンの産生の増加により発育し、前立腺液(精液の約1/3)を作るようになります。前立腺液は、抗菌作用や精子の運動を活発にするはたらきがあるといわれています。 前立腺肥大症はどんな病気ですか? 前立腺肥大症は、加齢に伴って前立腺が大きくなり、尿道を圧迫し、さらに排尿時に前立腺などの筋肉が過剰に収縮することにより、尿の回数が多い(頻尿)、夜中に何度もトイレに行く(夜間頻尿)、尿が残った感じがする(残尿感)などの「刺激症状」や尿が出始めるまでに時間がかかる(遷延性排尿

見た目で赤いおしっこが出る

尿の経路(尿路)に何らかの異変がありますと、尿の中に赤血球が混じるようになります。これを「血尿」と呼びます。血尿には、自分の目で見て判断できる「肉眼的血尿」と、顕微鏡検査や尿定性試験で初めて分かる「顕微鏡的血尿・尿潜血」の2つに分けられます。肉眼的血尿の場合は、膀胱がんや腎がんなど悪性腫瘍の可能性もあるため、必ず泌尿器科専門医の検査を受けて下さい。一方、顕微鏡的血尿や尿潜血の場合には、検査をしても明らかな異常が見つからないことの方が多いですが、必ず一回は検査を受けて種々の病気がないことを確認しておきましょう。 長く血尿が続く原因は 腎炎・膀胱炎、腎結石・尿管結石、腎癌・膀胱癌 など。 尿路に結石や腫瘍があるかどうかを調べるには、レントゲンやCT、MRI、エコー、膀胱鏡などを用い、外来での検査が可能です。膀胱癌などでは痛みを伴わないこともありますので、血尿が続けば早めに泌尿器科を受診して下さ

両親がRh(+)とRh(-)の場合に子どもに与える血液型不適合とは?

Rh因子(アールエイチいんし)とは、血液型を決定する因子の一つ。 血液型では、ABO式はよく知られていますが、Rh式については聞いたことはあるがあまりよく知らないという方が多いようです。現在は40種以上の抗原が発見されているが、一般に輸血などの際に強い影響を与えるD抗原を持っている場合をRh 陽性「Rh(+)」、持っていない場合をRh 陰性「Rh(-)」といいます。日本人では200人に1人がRh(-)で、ほとんどの方はRh(+)です。血液型不適合による反応が起こるのは、母親がRh(-)で授かった子供(胎児)がRh(+)の場合です。母親も子供もRh(+)同志、あるいはRh(-)同志の場合には何ら問題はありません。 血液型不適合の症状は Rh(-)の母親にとってRh(+)の胎児を排除しようとする変化が起きます。抗原抗体反応といっています。抗原は胎児の血液のD抗原です。このD抗原を排除する抗体が

目が乾く、ゴロゴロする、痛い、充血、疲れる

ドライアイとは、涙の質や量の変化で涙が乾きやすくなり、目が疲れる、乾く、ごろごろする、痛い、充血する、まぶしい、かすむなどの症状を伴うものをいいます。日本では2,200万人の患者さんがいるとされています。 ドライアイの原因は 治療や療養に関してのアドバイス ドライアイの治療 ドライアイは眼科医にて適切な診断と治療が必要な病気です。涙の油の層・水分の量・ムチンの状態・炎症の状態・眼周囲の環境などに分類し、それぞれの原因に対応した治療を行います。基本的には点眼薬による治療を行います。点眼薬には防腐剤を用いていないものがあり、この場合は毎回容器は捨てるようにしてください。点眼液で充分な効果が得られないときには、シリコン製プラグで涙の出口を塞ぎます。目に涙を貯めて乾かないようにする方法です。プラグがしょっちゅう取れてしまうような場合は、涙の出口を縫い合わす手術を行うこともあります。 ドライアイのケ

生理不順のまま成人になった場合の妊娠への影響

月経が始まって数年間はホルモン調節機構が未熟なため生理不順になることはよくありますが、成人になってからも続いている場合は、将来の妊娠に対して問題になることがありますから、産婦人科で診察を受けられることをお勧めします。 正常な月経は ホルモン調節異常が生理不順の原因であれば薬物療法で劇的に改善します! 治療や療養に関してのアドバイス 月経不順であった人も20歳頃には順調になることが多いです。しかし進学や就職で一人暮らしを始める、アルバイトを始めるなど生活や環境の変化及び精神的なストレスでホルモン調節に異常をきたし月経が不順になることがあります。多くはホルモン治療することで、月経は正常周期に戻ります。妊娠可能かどうか心配なら、基礎体温を測定して排卵の有無を確認します。基礎体温を記録して持参していただくと診断に役立ちます。 生理不順の原因がホルモン調節異常ではない場合 不必要な内診はしません。産

わきの臭い

わきの下には、刺激的な臭いを放つ脂肪を分泌するアポクリン汗腺という特別な汗のでる管があり、思春期になると急に発達します。もちろんその働きには個人差がありますが、汗かきの人、つまり分泌量の多い人は気にされる事が多いようです。匂いの元は汗そのものではなく、皮膚についている細菌が原因とも考えられています。元々、体臭の強い西洋人の社会ではわきがの匂いを消す目的で高級な香水が発展しました。清潔にしている女性にかぎって、わきがの相談が多いのは無臭を好む国民性もあるのかもしれません。 わきがの原因は わきがの治療は どこの科にかかったらよいか 皮膚科で相談し、手術を希望する場合は形成外科等に紹介してもらいましょう。

成人まで放置していた斜視

片方の目は見たい方向、もう片方は違う方向に目線が向いてしまう状態を斜視といいます。斜視は、ずれる方向によって、外斜視、内斜視、上斜視などがあります。目線が、外に広がっていれば外斜視、内側に寄っていれば内斜視です。上斜視は、整容的にはわかりにくい斜視ですが、少しでもあれば、複視を自覚することが多く、見栄えのわりに生活がしにくくなる斜視です。 幼少時に、問題になるのは、多くの場合、内斜視による弱視です。内斜視があっても、眼鏡などによる弱視治療を優先するため、斜視治療を後回しにせざるを得ない場合があり、内斜視が残ってしまうことがあります。また、高度な外斜位があっても頑張って正位の状態が保てる場合は、経過観察になる場合も多く、これが大人になって外斜視となってしまうこともあります。 上斜視は、子供のころから放置されていて大人になって発症することはほとんどなく、突然発症する麻痺などで起こることが多い病