健康アドバイス

足がしびれ、冷たく感じる

 足へ血液を運ぶ動脈が、細くなったり、閉塞しているために血液が十分に流れなくなる病気です。 症状 第1期 足がしびれたり、冷たく感じる第2期 歩くとふくらはぎや足が痛くなり、休むと改善する(間歇性跛行といいます。)第3期 じっとしていても、足の先のほうが痛くなる第4期 足先の傷がなおりにくく、時には黒くなってくる 原因多くは下肢の動脈の動脈硬化が中心であり、加齢、喫煙、糖尿病、高血圧、脂質代謝異常(コレステロールや中性脂肪が高い)、肥満、運動不足などのいろいろな要因が関係しています。 治療へのアドバイス 下肢の冷感や間歇性跛行は、腰椎の病気でも出現します。どのような原因で症状が出ているかを、はっきりさせることが必要です。   療養      治療 どこの科にかかったらよいか かかりつけ医に相談され、循環器専門医や血管外科でみてもらいましょう

足の裏の指の付け根の痛み

 皮膚に物理的な刺激が繰り返された結果、皮膚の最外層の角質と呼ばれる部分が分厚くなり、くさび状に増殖した状態を魚の目、正式には鶏眼といいます。足の裏の指の付け根や指の間によくできますが、ここは体重がかかりやすく皮膚の奥の神経を圧迫し、よく歩くと耐え難い痛みを生じます。 魚の目と間違いやすい症状 治療や療養に関してのアドバイス 分厚くなった角質層をやわらかくする薬を塗ってから削る。削ってからも同様の刺激が続かないように予防策が大事。 再発予防策 魚の目の治療と予防には足に負担をかけないことが大切です! どこの科にかかったらよいか 皮膚科

顔が常に赤くひりひり感とほてり

 顔が常に赤く、ニキビのような症状を伴ったり、ヒリヒリした感覚やほてりを感じたりする症状を酒さといいます。酒さは、顔面の中央に発症しやすく、症状の程度により第1~3度に分類されます。第1度:皮膚の毛細血管が拡張して赤くほてり感を伴う。第2度:ニキビのようなものが見られる。第3度:鼻が赤く腫瘤状に腫れた状態。 原因について 原因ははっきりしていませんが次のようなものがあげられます。 治療  「赤ら顔が治らない」と気にしすぎるとかえって悪化しやすいです。症状は慢性に経過しすぐには良くなりませんが生活習慣に気をつけながら症状の悪化を予防し長い目で治療を継続しましょう。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科へ

まばたき、咳払いを続ける

症状について 症状は、まばたき、首振り、顔しかめ、口すぼめ、肩上げなど上位の身体部位によく現れますが、飛び跳ね、足踏み、足けりなど全身に及ぶ運動性チックといわれるものもあります。また、咳払い、鼻ならし、叫びや単語を連発する音声チックといわれるものもあります。しかし、周囲の人の目にとまりやすいチックでは、本人も気にするようになります。 チックとは 突発的、急速、反復性、非律動的、常同的な運動あるいは発声で、発症が18歳未満で4週間以上持続するものです。一種の癖のようなもので、これが固定・慢性化して激症化するとチック症と診断されます。いずれも、本人はわざとやっているわけではなく、止めようと思っても止まりません。小児期ではまれな疾患ではなく、幼児から小学校低学年ぐらいまでの子に多く見られ、成人するに伴い自然に治癒する傾向があります。しかしながら、チックは本人が止めようとすると増強したり、発表会な

冷え性の治し方

 からだの冷えは女性に圧倒的に多く見られます。診察をしても原因が見つからなかったり、血液の循環を促す薬を飲んでも改善しなかったりすることがよくあります。このような場合に、漢方薬が有効なことがあります。東洋医学ではさまざまな病気の原因として冷えを重視しており、薬の種類も豊富です。 冷え性の原因は 治療や療養に関してのアドバイス ・当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅしょうきょうとう)は手足の先の冷え、しもやけ、冷えが強くて皮膚の色がの悪いときによろしいです。また、冷えて、頭痛、下腹部痛、腰痛が起こる時にも効きます。・苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)は、腰から下が水中に座っているように冷え、腰の周りに銅銭の束を下げているように重く感じる時によろしいです。・桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)は手足の冷えに痛みやしぴれを伴う場合、鎮痛作用のある附子が入っていて効果的です。・当帰

首の軟骨の老化と手足のしびれ

 手足のしびれは、糖尿病や動脈硬化症、血管の閉塞などで、血液の流れが悪くなっておこるものと、骨などの異常で神経が圧迫されておこるものとがあります。糖尿病などの内科的な病気のチェックも必要です。整形外科的に多いのは、頚椎症性脊髄症です。骨とその周りの組織の老化によって頚髄が圧迫されるようになって、手足のしびれが出てきます。 頚椎症性脊髄症と同じような症状は  診断のため十分な問診と身体的検査を行い必要によりレントゲン・MRIなどの検査を行います。上記のような病気の存在も考えながら診断を進めるためと、正しい診断がついてからの治療方針を決定するのに必要です。 治療や療養に関してのアドバイス 頚椎症の治療  ある程度は外来の保存的治療で症状の改善を期待することができます。症状が悪化し、手足の機能障害が強くなったり、排尿障害が出てきたり、筋肉の萎縮が起こってきたときは、手術が必要になります。からだの

鎮痛剤の効きにくい痛み

 阪神淡路大震災で両足をタンスに挟まれました。以来、すねのあたりの筋肉がけいれんしたり、激しい痛みに襲われます。対処法を教えてください。 神経障害性疼痛の原因 この方は両足が長時間にわたって圧迫されたことにより末梢神経が損傷されたと考えられます。このような原因による痛みを「神経障害性疼痛」と呼んでいます。ビリビリと電気が走るような痛みで一般的な鎮痛剤が効きにくいのが特徴です。外傷以外では帯状疱疹罹患後の神経痛、椎間板ヘルニア、糖尿病、手首の正中神経が傷つく「手根管症候群」など多くの疾患が原因となります。 治療や療養に関してのアドバイス 一度傷ついた神経は元に戻りにくいため痛みそのものをなくすことは難しいでしょう。しかし、薬や注射によって和らげることはできます。治療の効果は痛みだけではなく、生活の質(QOL)の改善を目指すことにあります。第一選択薬として「プレガバリン」、「ガバペンチン」とい

発熱、のどの渇き、多飲

 肥満もなく、比較的若い年齢の人が、急激に糖尿病を発症した場合、インスリンの欠乏による1型糖尿病の可能性が高いと考えられます。また数日の発熱に引き続き、のどの渇き、多飲を訴えたときは、ウイルス感染を引き金に発症した1型糖尿病の可能性があります。 糖尿病の原因は 通常、日本でみられる糖尿病は、1型、2型とその他の型に大別されます。1型はインスリン依存性糖尿病といわれ、日本の糖尿病患者さんの1~3%。以前は若年性糖尿病と呼ばれたように、子供や若年者に多くみられます。発症は急激で、血糖値が異常に高くなります。おたふくかぜ、風しん、コクサッキーB4、Epstein-Barrなどのウイルス感染や、それを引き金に起こった炎症(ラ氏島炎)によって膵臓のランゲルハンス島が破壊され、血糖を制御するインスリンを分泌できなくなり発症します。ウイルス感染が引き金と言っても他人に1型糖尿病がうつることはありません。

歩き始めた幼児の扁平足

 扁平足は足の内側にある「土踏まず」と呼ばれるアーチ構造が下垂した状態です。一言に「扁平足」といっても、その原因によって対応は異なります。 歩き始めにわかる扁平足の原因は 治療= 「矯正靴」と呼ばれる装具を使う 治療や療養に関してのアドバイス 1については手術適応になることがありますが、2、3、4はそれ程心配しなくても大丈夫ですし、5、6についても治療の要請があれば治療するといった程度です。  装具をつける期間は病因や個人差によって変わりますが、2の場合は3才ころまで、3、4の場合は中学、高校生ならば土踏まずの部分が高くなっている市販のスポーツシューズを勧めます。  扁平足は、ほっておいても日常生活に支障が出ると言うことはありませんが、長時間の立ち仕事や歩行がつらかったりして困ることがあります。また長期にわたり不自然な形で体重が足に加わるために、関節や腱に炎症を起こすこともあります。足は骨

血便、肛門からの出血

 便に血がついた、排便時に出血したという訴えは比較的多い訴えですが 多くの方は痔ではないかと思われるようです。しかしその原因は痔からの出血ばかりではなく、大腸の癌や出血性大腸炎などたくさんの原因があり、治療を始めるためには出血の原因が何なのか調べる必要があります。 血便、肛門からの出血の原因は 一般的に便と混ざっていない鮮血は肛門や直腸からの出血が多く、直腸癌などの悪性腫瘍や直腸ポリープと呼ばれる良性腫瘍からのこともあり症状のみでは区別が困難です。また出血性直腸潰瘍などの疾患もあり検査が必要になります。また直腸より口側では出血して便と血液が混ざることが多く、直腸と同様に癌やポリープの腫瘍が原因の一つとして挙げられます。そのほか、比較的多い出血原因が結腸憩室からの出血で、これは結腸の壁に袋状の憩室ができ炎症や出血などを惹き起こす疾患です。比較的高齢者に多い病気として大腸の血行障害が原因と考え