健康アドバイス

床ずれができた

 床ずれとは、圧迫や摩擦などが原因となって組織の血液循環が悪くなり、皮膚の局所に発赤やただれ等を起こすことをいいます。初期のうちは、痛みと発赤程度ですが、放置すると水疱やただれの症状が見られるようになり、さらに感染症を起こして膿汁が出たり、潰瘍になったりすることもあります。 床ずれの原因は 圧迫や摩擦による血液循環障害、シーツや下着の湿気や体の不潔、栄養不良等があげられます。  痛みを伴い、病人の苦痛をより大きくしますから、まず予防を心掛ける。つまり、消毒・清潔心掛けて。訪問看護などの活用も 治療や療養に関してのアドバイス 長時間同じ姿勢を取らないようにする。シーツや下着などは通気性の良いものを選び、いつも清潔に保つようにします。最近は、エアマット・ウォーターベット・ビーズマット・円座クッションなどの介護用品も豊富にあるのでうまく使いわけましょう。  特にやせて骨が出た人や、骨粗髭症などで

指の爪の黒い線

 爪は爪甲(そうこう)と爪をつくる爪母(そうぼ)、爪甲を下で支える爪床(そうしょう)から成り立っています。この爪母に何らかの病変があると爪の根元から縦に褐色または黒い線状のものが表面に現れ、これを「爪甲色素線状」と呼びます。 爪甲色素線条の正体 爪の黒い線はまれには初期のがんのこともあるので怖がってばかりいないで早めに 皮膚科を受診しましょう。 治療や療養に関してのアドバイス 一般に爪の黒い線は色が淡く輪郭がぼんやりしていればほくろの可能性が高く、色が濃くくっきりした線ならあざやがんの可能性があります。特に爪のふちまで黒い色が染み出したり線の幅が6ミリ以上になるようなら残念ながらがんの可能性濃厚ということになりますが、爪のがんは本来頻度の低い病気です。ところで、小児の場合は5歳までは拡大傾向がありますが成長とともに自然消退しますので思春期まで気長に経過観察して下さい。  皮膚に生じたほくろ

自宅に閉じこもる

 家に閉じこもったままで生活している子ども、若者をみると、「ひきこもりではないか」「こころの病気ではないか」と心配されるご家族の方も多いと思います。まずひきこもりとは「社会的参加(義務教育を含む就学、非常勤職を含む就労、家庭外での交遊など)を回避し、原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態」と定義されています。内閣府が平成22年2月に実施した「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」ではほとんど自宅で生活している者が23.6万人、「ふだんは家にいるが,自分の趣味に関する用事の時だけ外出する」準ひきこもりの者が46万人いるとされています。平成19年に出されている「ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン」では、長期間ひきこもっているほとんどの方にメンタルヘルスの問題がみられ、本人・家族とも適切な支援が必要だとされています。その上で、ひきこもりを第1群「統

陰のう内に精巣を触れない、はっきり見えない

 精巣は胎児の時に、おなかの中で発生し、胎児が大きくなるに連れて下降して、出生時には陰のう底に定着します。この下降が十分ではなく、途中で止まってしまった状態が「停留精巣」です。精巣が陰のうの底に降りない場合に次の4つのことが考えられます。 です。それぞれによって、治療も違います。 「停留精巣」の原因は 原因はわかりませんが、背景として以下のことがあります。「停留精巣」の頻度満期出産の新生児・・・・約2%1歳・・・・・約1%早産や低体重児出生時・・約20% まず移動性かどうかの鑑別を(移動性の場合は通常手術はしません。)~状態によっては手術を行うことも~ 治療や療養に関してのアドバイス まず診断を。これはほとんど触診でします。皮下脂肪が多いなどわかりにくい場合は、エコー(超音波)を行います。※精巣が移動性で高度なものでなければ・・・しばらく様子をみる※ひどいとき・精巣のサイズが小さいとき・・

おしっこの回数が多い

 頻尿とは尿が近い、尿の回数が多いことをいいます。頻尿には昼間頻尿(一般に朝起きてから就寝までに排尿回数が8回以上)と夜間頻尿(一般に就寝後から起床までに排尿回数が1回以上)があります。ただ昼間8回以下の排尿回数でもご自身で排尿回数が多いと感じられる場合は頻尿といえます。個人差、季節によっても違いますが一度排尿記録(日誌)を数日でも付けてみると頻尿かどうかがわかりやすくなります。 「頻尿」の原因は ・過活動膀胱膀胱に尿があまり多くは溜まっていないのに、膀胱が自分の意思とは関係なく勝手に収縮する病気で、尿意切迫感(急に尿がしたくなって我慢がしづらい)を伴う頻尿があります。また、頑固な頻尿をきたす間質性膀胱炎という病気もあります。・残尿排尿後にも膀胱内に多量の尿が残る状態で、前立腺肥大症や子宮がん・直腸がんの手術後、腰部椎間板ヘルニアなど神経障害による膀胱機能の異常(神経因性膀胱)が原因となり

これっていわゆる「産後のうつ」?

産後の病気といっても様々です。マタニティブルーズ・産後うつ病・産後精神病・過去にあった心の病気の再発・出産による身体的合併症に伴う精神病状態などがそうです。産後うつ病は日本でも欧米と同じく13%前後といわれています。決してまれな病気ではありません。 病気のことをよく知りましょう マタニティブルーズは出産直後から1週間頃までに出現します。涙もろさと抑うつ、不安、緊張、集中困難、困惑、不眠などの神経症状とともに、疲労、頭痛、食欲不振など体の不調も感じます。しかし自然に軽快するので、治療の必要はありません。 産後精神病は産後2週間以内の早い時期に、急激に症状が出ることが多いです。不眠や焦燥を訴えた後に、幻覚、妄想、精神病症状が急に出現します。1000回の出産に1〜2人の人に発症するといわれていますが、ちゃんと治療をすれば数ヶ月で軽快することが多い病気です。 産後うつ病は出産後数週から数ヶ月以内に

足の指のかゆみと爪の変色

 足が痒いとか爪の色が変色してきたら何を考えますか?カビの一種である白癬菌やカンジダ菌が原因となって、足に水ぶくれが出来たり皮膚がはがれおちたり、時々痒みを伴うことがあります。これを一般に水虫と言います。更に進行すると爪に菌が侵入し、爪が混濁・肥厚してきます。この場合は爪の水虫です。 足の指がかゆく、爪も変色してきた原因は  皮膚科専門医により顕微鏡での菌検査を受けましょう。 治療や療養に関してのアドバイス 足の皮膚だけに症状がある時は抗真菌剤塗り薬を根気良く塗りましょう。足の裏が硬く角化している状態や爪に症状がある時は抗真菌薬の内服が必要になってきます。内服方法は毎日継続する方法(約6ヶ月が目安)とパルス療法という特殊な飲み方があります。パルス療法とは、一週間多めに内服しその後三週間お休みし、これを三回繰り返す方法です。 水虫と間違いやすい症状に、汗が関係する「汗疱」やアレルギー症状でも

乳腺のしこり

 乳房のしこりには良性のものと悪性のものがあります。良性腫瘍の代表が線維腺種です。 線維腺種とは しこりが良性であるか、悪性であるかの見極めが大切 治療や療養に関してのアドバイス 診断には、触診、超音波検査(エコー)、乳房X線撮影(マンモグラフィー)のほか針生検による病理組織診断などがあります。しかし、残念ながら、100%の正確さとはいきません。その意味で外科的にしこりを取り除き、顕微鏡で確定診断をするのが最善の方法です。摘除手術は局所麻酔で済み、傷口も一週間で治ります。手術に踏み切れない場合も3ヵ月に一回程度のチェックは必要です。治療法は外科的切除になりますが、一般的に3cm以上の大きさであれば切除が勧められます。 どこの科にかかったらよいか 乳腺外科に受診して下さい。最近は婦人科でも診てもらえます。

尿路結石を何回も繰り返し起こしている

 尿管結石は再発することが多く、再発予防はできないものかと質問をよく受けます。尿路結石は様々な要因が重なり合い形成されるため、原因を特定できない場合が多いです。 しかしながら、特定の基礎疾患を有する場合に有意に結石の罹患率が高いことが知られています。①胃腸疾患(胃潰瘍、クローン病、腸切除)②クッシング症候群③長期臥床④骨折⑤高尿酸血症(内服薬が原因の場合もあり)⑥膠原病⑦緑内障てんかん(内服薬が原因)  などが挙げられます。 このような疾患を有する患者さんは、病気のためや病気に対する治療薬のために、ステロイドホルモンやカルシウム、尿酸などの代謝のバランスが悪くなり結石形成につながるといわれています。このような場合、基礎疾患の治療を行うことや治療薬の変更などで結石の再発が防げる場合もあるため、上記疾患を罹患している患者さんで結石に罹患した場合は主治医の先生にも報告をした方がよいでしょう。  

女性に多い手と指のしびれ

 手のしびれは、神経の圧迫や血行障害によって生じることが多く、傷害される神経の部位によって、しびれる場所が決まります。中指から人さし指、親指のしびれは、手首の神経の圧迫が考えられます。病状が悪化しますと、親指の付け根部分の筋肉の膨らみが痩せて、つまみ動作がしづらくなることがあります。 手(親指・人さし指・中指)がしびれる手根管症候群の症状は 治療や療養に関してのアドバイス 初期の治療としては手首を添え木のようなもので2週間から1ヵ月ほど固定して動きを制限し、圧迫によるはれを抑えるようにします。はれを取り除くためにステロイドを注射することもあり、消炎鎮痛剤や低周波などのリハビリも効果があり、患者さんの7、8割はこれらの治療で症状が軽くなるものです。それでも再発を繰り返す場合は、手術を行い神経の圧迫を和らげるようにします。職業性の場合は職場の変更も必要となります。 どこの科にかかったらよいか