2020

診察時に血圧が高くなる

普段はそうでもないのに医師の診察時に血圧測定を受けると血圧が高くなるのを白衣高血圧症と呼んでいます。「血圧が高い」といわれている人の3分の1の方が診察時に血圧が高めになるという程です。なぜ、医師の前で血圧が上がってしまうのでしょう。 白衣高血圧症の症状は 白衣高血圧もこの感情の変化のために、急激に血圧が上昇しているのです。イライラや感情のたかぶりで血圧が上がることも大変危険なことです。白衣高血圧だから大丈夫というわけにはいきません。 治療や療養に関してのアドバイス 心臓が収縮して全身に血液を送り出す時の大動脈内の圧力が血圧です。心臓は1日に約10万回収縮していますが、心臓の収縮力や血管の抵抗、血液の量などの他、精神的な要素など、実にさまざまなことでその都度血圧は変化しています。 血圧が高い状態が続くことによって、脳血管障害や大動脈瘤破裂、心不全、狭心症などの病気がおこってきます。そのために

肛門周囲からの排膿、痛み

体が疲れたりストレスがたまったりすると、肛門が腫れて、痛くて座れなくなります。年に2回ほど、肛門科で切開してもらっています。悪性ではないとのことですが、この先が心配です。 肛門周囲膿瘍と痔ろうの原因 肛門とその奥の直腸との境界には、粘液を分泌する小さなくぼみが10個前後あります。このくぼみの奥にある肛門腺に大腸菌が入り、膿がたまるのが「肛門周囲膿瘍」です。腫れや激痛、発熱が生じ、切開して膿を出す処置が必要です。これがさらに悪化して体外に通じるうみの管が形成された「痔ろう」です。いぼ痔(痔核)や切れ痔(裂肛)などと並ぶ痔の一種で、繰り返し化膿を繰り返すことが原因です。出来た管の形によって治りやすさが変わります。きちんと治すには手術が必要です。 治療や療養に関してのアドバイス 手術は肛門を締めたり緩めたりする肛門括約筋を温存する方が良く、硬くなったうみの管をくりぬいたり切り開いたりして切除し、

腹痛、排便・排ガスの停止、嘔吐

腸閉塞の原因 何らかの原因によって腸が狭くなること、もしくは腸の動きが悪くなることにより腸内容が下の方(肛門側)に流れていかなくなる病気を腸閉塞と言います。開腹手術を受けたことのある方は腸の癒着や索状物により腸が折れ曲がったり、ねじれたりして通過や運動が障害されることがあります。腹痛、嘔吐、ガス・便の排出停止、腹部膨満などの症状や場合によっては重篤な全身症状を引き起こし命に関わる事もあります。 治療や療養に関してのアドバイス 術後腸閉塞の予防法としては暴飲暴食を避け、消化の良いものを食べ、規則正しく食事や排便をして体のリズムを保つことが大切です。おなかが張ってきて痛む時や、ガスや便が出にくいなどの症状がでてきた場合には食事の量を少なくするなどして腸の負担を軽くすることが必要となります。また、腸の動きを良くする漢方薬の大建中湯(だいけんちゅうとう)や六君子湯(りっくんしとう)、四君子湯(しく

肛門痛や出血

肛門の血流が悪くなって、肛門を締めるクッションの役割を果たしている組織が腫れ、いぼのように膨らんだ「いぼ痔(痔核)」には肛門の直腸側にできる内痔核と、外側にできる外痔核があります。 治療や療養に関してのアドバイス 内痔核は排便時に出血したり、痔核が肛門外に飛び出たりすることがあります。症状が軽ければ座薬で様子を見ます。症状が悪化すれば手術となります。内痔核であればジオンという薬品を注射し痔核を固める治療法があります。すべての痔核に実施できるわけではありませんが、痛みも少なく入院も短くなります。日帰り入院も可能です。痔の手術後は排便習慣の改善が大切です。 治療をしても良くならない場合、直腸や肛門のがんや、排便時に直腸が出る「直腸脱」など、他の病気も考えられ、精密検査が必要です。 どこの科にかかるとよいか 肛門科や、消化器科を受診してください。

外陰部のたまらないかゆさ

かびの一種のカンジダは常在菌、すなわち自然発生的に体内に繁殖するものです。カンジダ菌は多くの人が保有しており、それ自体は問題ありません。その菌が膣内に繁殖し、外陰部のかゆみや酒かすのようなおり物がでる、などの症状が現れて初めて治療が必要になるわけです。 カンジダ性膣外陰炎原因は 膣内にカンジダ菌が繁殖する原因については、はっきりしていません。 症状がでるたびに病院に行って適切な治療を受けることが大切です。 治療や療養に関してのアドバイス 治療自体は簡単で膣錠を一、二回投与したりかゆみを抑えるカンジダ用軟膏を塗布することでたいていの人は症状が収まります。再発を繰り返す場合、糖尿病や抗生剤が原因と考えられる人はまずその病気を治すことが先決です。時には腸内に菌が繁殖している場合が考えられます。この場合は内服薬を2週間ほど服用して様子を見ることになります。  かゆみ止めにステロイドの入った軟膏を使

赤ちゃんのメヤニ、涙

乳児の流涙(いつも目がウルウルしている)や眼脂(目ヤニ)の原因としての先天鼻涙管閉塞は報告によって幅がありますが、新生児の6~20%にみられると言われています。涙は上まぶたの奥あたりにある涙腺という場所で主につくられ、起きている間中、少しずつ分泌されて目を潤しています。その大部分は、目頭にある涙点という小さな穴から吸収され、涙道という管を通って鼻に出ていく仕組みになっています。先天鼻涙管閉塞では、涙道の鼻への出口の部分が膜状に塞がっていて、涙の流出が障害されています。そのため、目の表面に涙がたまったり眼脂が増えたりします。もちろん、流涙や眼脂をきたす疾患は先天鼻涙管閉塞以外にもいろいろありますので、眼科医による診断は不可欠です。 検査 涙点から少量の水を送る検査を行って、鼻からノドへ流れるか確認します。目の表面に色素をつけて、5分後に色素がどの程度残っているかをみる色素残留試験だけで診断を

おちんちんが赤く腫れて痛い

包皮を押し下げても出口が狭く、まったく亀頭が見えない状態の事を真性包茎と言います。思春期には改善されることが多く、基本的に小児期では治療の必要はありません。ただ炎症(亀頭包皮炎といい包皮が赤くはれ、痛みを伴ったり、うみが出たりします)を繰り返し起こしたり、排尿に時間がかかる排尿障害を伴う場合は、包皮の出口を広げる処置(ステロイド軟膏の塗布、包皮の飜転)や外科的治療を行う場合があります。 亀頭包皮炎治療のポイント 余談 包皮飜転のゴールは、外尿道口(おしっこの出口)が見えるようになるまでです。包皮の内側と亀頭はくっついている事が多く、それをすべてはがす必要はありません。また亀頭とくっついている包皮の内側との間に白っぽいうみのようなものを認めることがありますが、これはきれいな垢であり無理に取る必要はありません。 どこの科にかかったらよいか 気になることがあれば泌尿器科でご相談ください。

こむら返り

痛みを伴う筋肉のけいれんのこむら返りは全身の筋肉に起こりますが、特に足に多く、その中でもふくらはぎに多いようです。 こむら返りの原因は 治療や療養に関してのアドバイス 予防には準備運動を念入りにする、運動をしている時はこまめにスポーツドリンクを補給する、就寝前に軽くマッサージやストレッチをする、といったことがお勧めです。治療には漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」がよく効きます。朝方に足がつってしまう方は寝る前に、スポーツやショッピングで歩き回る場合はその前に飲むと、こむら返りにならずに済みます。即効性があり、こむら返りになった直後に一服飲むと、痛みが早く治まります。ただ、飲み過ぎると、むくんだり血圧が上がったりします。長く続けるのなら医師に相談しながら、一日一回ぐらいの服用がいいでしょう。 どこの科にかかったらよいか 内科か、外科、整形外科にかかって下さい。漢方を出されている

子どもの聴力低下

風邪などでのどが痛んだ時や鼻に炎症が起こった時に起こる急性中耳炎は、抗生剤で治ったり、痛みは治まりますが、中耳に粘液、水分が残ることがあります。これが滲出性中耳炎です。 子どもの滲出性中耳炎の原因は 風邪引きや鼻の炎症などで中耳炎を起こしたあと中耳に粘液や水分が残った時に起こる。 治療の基本聞こえ方に注意! 治療や療養に関してのアドバイス 鼻の奥と中耳は「耳管」でつながっていて換気が行われ圧の調整をしています。換気がうまくできないと中耳腔に浸出液が貯留します。これが滲出性中耳炎です。子どもに滲出性中耳炎が多いのは、鼻や耳の粘液が多いこと、耳管の近くにある咽頭扁桃(いんとうへんとう)が耳管を圧迫することが多いためです。聞こえ方が大変悪い場合は治療が必要です。しかしそうでない場合は子どもの成長とともによくなり、小学校3、4年ごろにはほとんど治ってしまいます。治療方法としては、聴力低下が軽度の人

尋常性乾癬と言われた

頭皮や髪の生え際、ひじ、ひざ、おしり、太ももなど外部から刺激を受けやすい部位の皮膚が赤くなる、皮膚が盛り上がる、銀白色のフケのようなものが付着しはがれ落ちるなどの症状を尋常性乾癬といいます。乾癬には色々なタイプがありますが、尋常性乾癬というタイプが最も多くみられます。 乾癬の原因は 原因は未だに明確にされていません。発症しやすい遺伝的素因があるとも言われ体質が関係するようです。また、糖尿病、高脂肪食といった食生活のかたよりやストレスが引き金になることもあります。 治療や療養に関してのアドバイス 治療によってある程度は改善しますが再燃しやすく慢性に経過しやすい。摩擦によって症状が誘発されますのでこすったりしないように注意しましょう。そして、ストレスをためないように生活習慣に気をつけながらコントロールしましょう。 どこの科にかかったらよいか 皮膚科へ