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物忘れ

年齢とともに物忘れが増え、認知症になるのではと不安になります。WHO(世界保健機構)は、認知症を「いったん発達した知能が、さまざまな原因で持続的に低下した状態。 通常、慢性あるいは進行性の脳の疾患によって生じ、記憶、思考、見当識、概念、理解、計算、学習、言語、判断など多数の高次脳機能の障がいからなる症候群」と定義しています。物忘れがひどくなると認知症だとわかりますが、初期の頃には、年齢に伴う物忘れなのか、認知症なのかわからないことがあります。また認知症の前段階に軽度認知障害(MCI)といった段階があります。ただしこれら全ての段階には、明確な診断基準がありません。 認知症の予防 英国の医学雑誌Lancetに2024年に掲載された論文では、認知症リスク14項目をすべてクリアすれば最大45%予防(遅らせる・軽減できる)できると発表されました。年齢により3つのライフステージに分け、それぞれに取り組

抗がん剤治療にともなう下痢

25年前に胃がん、20年前に大腸がん、昨年また胃がんで胃・脾臓・胆のう・大腸の一部を切除しました。抗がん剤で下痢になり薬を飲んでいますが治まりません。何かいいアドバイスは? がん治療にともなう下痢の原因 胆のうや胃・大腸など消化にかかわる臓器を摘出あるいは切除されているため、消化酵素が充分に分泌されなかったり、飲食物を消化吸収するスペースが少なくなり、消化不良を起こしていることが考えられます。抗がん剤も下痢を引き起こすものが多く、複合的な影響で下痢が続いているものと思われます。 治療や療養に関してのアドバイス 長引く下痢により栄養の吸収が不十分となり、全身の疲労感、無力感が強くなり、体のさまざまな機能低下の原因になります。漢方ではこのような状態を「正気(せいき)」が消耗していると考えます。正気の消耗によって、消化、吸収の機能を表わす「脾(ひ)」の働きや体を温めて脾の機能を支える「腎(じん)

見えにくいと感じたらもう遅い、糖尿病の合併症

糖尿病は、若年に起こるⅠ型と、中高年から起こるⅡ型があります。糖尿病のほとんどがⅡ型です。治療しないで放っておくと体は少しずつ糖尿病に蝕まれて合併症が起こりやすくなります。糖尿病の合併症は腎機能低下、神経障害、網膜症です。合併症の一つである網膜症は、糖尿病が発症して5年以上経つと起こる可能性が高くなり、25年経つと80%の人に見られるといわれています。しかしながら網膜症は、非常に高度になるまで自覚症状が出ないため眼科受診が遅くなってしまうことがあり注意が必要です。 糖尿病網膜症の症状は 糖尿病網膜症はその重症度から3つの段階に分けられます。1.単純糖尿病網膜症2.増殖前糖尿病網膜症3.増殖糖尿病網膜症 単純糖尿病網膜症は毛細血管瘤などを生じますが、ほとんどの場合視力は下がりません。増殖前糖尿病網膜症では白斑と出血が増えますが、この時点でもほとんど視力は下がりません。しかし、この時機に網膜光

人間ドックで肝臓に血管の腫瘍?!

人間ドックの超音波(エコー)検査などで「肝血管腫(かんけっかんしゅ)の疑い」と指摘されることは、決して珍しいことではありません。肝血管腫とは、肝臓にできる、細い血管がスポンジのように集まってできた塊のことです 。その多くは生まれつきのものとされ 、良性の腫瘍であり、がん化することはまずありません。人間ドックで見つかる肝臓の所見としては、脂肪肝や肝のう胞に次いで多く 、ほとんどは痛みなどの症状もなく、治療も不要です 。  血管腫は良性の腫瘍で、痛みなどの症状がないことから放置しておく場合がほとんどです。 治療と療養のアドバイス ごくまれに、悪性腫瘍である肝がんと見分けるのが難しい場合があるためです 。肝がんは短期間で大きくなる性質がありますが、血管腫の大きさが急に変化することはほとんどありません 。そのため、医師の指示に従って一定期間後に再検査を行い、大きさに変化がないかを確認することで、よ

検便で潜血反応がプラス

検便で潜血反応が陽性のため受けた大腸内視鏡検査で大腸ポリープと診断を受けました。良性であると組織検査で確認も済んでいるにもかかわらず、その後も定期的に大腸内視鏡検査での検査を受けるよう言われたことで不安な方も多いと思います。どうして定期的な検査が必要なのでしょうか。 大腸ポリープの種類は すべてのポリープがどんどん大きくなったり、将来、癌になるわけではありません。大多数のものは大きくもならず、無害であることが長期観察の結果でわかっています。 治療や療養に関してのアドバイス ポリープの大きいものや、形や組織が複雑なものの中で将来癌になるものがあることもわかってきています。放置すれば100%癌化する大腸ポリポージスの場合には、診断確定と同時に手術を行なってしまいます。皮膚にできるイボやホクロなどは自分で見ることができるので、変化があれば早めに受診して診断を受けることが出来るのですが、腸の中のポ

胃のポリープ

胃ポリープの原因 胃粘膜の細胞が増殖し、盛り上がってできた病変を胃ポリープといいます。一般的に自覚症状はなく、集団検診や人間ドックで見つけられます。組織の性質により「過形成性ポリープ」と「胃腺腫」に分けられます。「過形成性ポリープ」は胃炎の延長のような組織で、大きくなるとびらんや出血を伴い貧血の原因になることがあります。「胃腺腫」は腫瘍性でがん細胞を含むことがあります。 治療や療養に関してのアドバイス 見た目からは良性悪性を判断しにくく、内視鏡で病変の組織の一部を採取して詳しく調べる必要があります(生検)。この結果、良性で小さいものなら経過観察でいいでしょう。悪性が否定できない場合や大きさが1~2cm以上のものは切除した方がいいでしょう。切除は内視鏡で行います。電気が通る輪(スネア)でひっかけて焼き切ったり、電気メスではがし取る方法があります。痛みはあまりありませんが、鎮静剤を投与すること

成長期の腰の痛み

腰痛の原因は 脊椎分離症は健康な成人の4~8%でみられ、必ずしも腰痛が発生するとは言えません。 成長期の青少年やスポーツ選手に多く見られる脊椎分離症の中で、最も多いのが骨盤に近い腰椎の分離です。腰椎の椎弓と呼ばれる部分が疲労骨折し、骨と骨が離れたままの伏態になります。自然治癒もありますが、分離症が一度完成すると、再び分離部がゆ合することはありません。 治療や療養に関してのアドバイス 腰痛予防には、日常生活での注意として、長時間立つときには両足をそろえて立たない、中腰になる姿勢を避ける、固い布団に横向きで軽く膝を曲げて寝るなど、腰への負担を軽減することが大切です。分離症の症状の軽いうちは、薬の服用、理学療法でよいと思います。症状が改善しない場合には、痛みを引き起こしている炎症そのものを鎮静化させるような注射や装具療法など、もう少し強い治療をすることもあります。ただ、分離した骨を固定する手術は

コンタクトレンズを使うときの注意

コンタクトレンズは眼の表面である角膜に直接乗せて視力を矯正するものです。コンタクトレンズは高度管理医療機器であるため、眼科医の指示のもとで、自分に合ったレンズを正しく使用することが重要です。コンタクトレンズには素材によってソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズがあり、双方にメリット、デメリットがあります。最近ではソフトコンタクトレンズが主流ですが、眼の状態によっては、ハードコンタクトレンズを使わなければならない場合もあります。ソフトコンタクトレンズには1日使い捨てレンズ、毎日外してレンズケアを行い再装用するタイプでは、2週間のタイプが主流です。ハードコンタクトレンズは、長く使われがちですが、メーカー保証は1年がほとんどですので注意が必要です。それ以外、乱視矯正用のレンズや、遠近両用のレンズもあります。 コンタクトレンズで起こる障害 コンタクトレンズにより眼の表面の角膜が覆われると、

心臓の運動療法

心臓リハビリテーションってどういうものですか? 心臓病で治療を受けた方がその後も適切な運動を続けることによって病気の再発を予防し、症状を改善させるのが「心臓リハビリテーション」という運動療法です。 治療の際の注意点はありますか? 心臓の動きの悪い方に運動による負荷をかけるので循環器の専門医や心臓リハビリテーション指導士という運動療法の資格を持った理学療法士、看護師らの指導の下で事故が起こらないようにして取り組みます。運動強度の目安として「ボルグスケール」という指標があり、安静時の「6」から疲労困憊の「20」まで3の段階に分けたときに「楽からややきつい」に相当する「11~13」程度の運動が最も適した運動の範囲とされています。状態によっては自己流で誤った運動をするとかえって危険なこともありますから必ず専門家に運動の仕方や注意事項等を十分に指導してもらってから始められるといいでしょう。運動療法に

ギザギザ・チカチカが見える

両目の視野の一部に突然ピカピカと光るぎざぎざ模様が見える症状の閃輝暗点は、ぎざぎざ模様の中は見えにくくなりますが、5分から20分程度と比較的短時間で目の症状は治まります。症状が治まったあとで片頭痛が起こることもあります。 閃輝性暗点の原因は 見えにくくなるのは脳の視覚の血管が収縮し、一時的に血の流れが変化するためと考えられています。その後血管が拡張し神経を刺激して片頭痛が起こります。 原因は睡眠不足、ストレス、肩こり、喫煙など多種さまざまな要因が指摘されていますまれに脳梗塞、脳腫瘍が原因となることがあります 治療や療養に関してのアドバイス 若い人に多い病気で、突然発作的に現れます。現れた時は安静にしてください。喫煙がきっかけになる場合もあります。目の症状だけの人、片頭痛だけの人もあります。目の症状や激しい頭痛が月2回以上ある人は予防薬の使用を勧めます。念のため脳の疾患をCTやMRIで調べる